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ほんとにあった!呪いのビデオ2

いや〜趣味って本当にいいですね。仕事の疲れが癒されるというか。1日の中に「好きなもののことだけを考えている時間」が少しあるだけで、心が潤っていくような気がします。

今回もそんな僕の心の潤い、『ほんとにあった呪いのビデオ』の話を聞いてください。

「ほんとにあった!呪いのビデオ2」1999年10月22日 54min
構成:中村義洋、鈴木謙一
演出:中村義洋、鈴木謙一
演出補:中村義洋、鈴木謙一
ナレーション:高橋眞三樹

1.作業服の男
2.窓の外を落下する光
3.サイドミラーに映る女の顔
4.自主映画に映った男の影 (☆おすすめ)
5.神社の木に浮かぶ顔
6.壁からのぞく白い影
7.踏切に現れた足
8.事故を予知した警告の映像か……
9.子供を呼ぶ声
10.続・作業服の男 (☆おすすめ)

映像のパターン:☆☆☆(メイン「作業服の男」中心の構成)
観ている時の自分のテンション:☆☆☆★(楽しいポイント多い)
おすすめ度:☆☆☆(『ほん呪1』と続けてカップリング的に観るってのはどうでしょう)

※5段階評価 ☆→1 ★→0.5


『ほん呪1』から2ヶ月後にリリースされた『ほん呪2』。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』1と2の関係性というよりも、『スーパーマリオブラザーズ』の1と2の関係性に近いかもしれませんね。土台は同じですが、ちょっと尖らせてみましたよ、的な。SMB2ほど難しくはないけどね!ニュアンスの話ね!


【押さえておきたいポイント】

○初めての警告

『1』では出てこなかった『ほん呪』の名物演出、「問題がある映像を見せる前の警告」が初登場します。

これは、投稿者やその関係者にヤバいことが起きていたり、映像そのものがショッキングだったり、視聴者に何らかの影響を及ぼす可能性がある映像の前に挟まります。シリーズ全体を見渡してもそう多くはないレア演出ですし、その分、登場した際の期待は高まります。
初登場である今作収録の「続・作業服の男」で挟まるのは、こんな文言でした。


この後、このビデオに 問題の映像が
おさめられていますが、ご覧になられるか
どうかはあなたの自由です。
ご覧になりたくない方は、ここでビデオを
終了して下さい。


とても不安な気持ちになる文面です。
改行はここでよかったのでしょうか。
「このビデオに」のあとの半角スペースはなんなのか。
っていうか、「このビデオに」はなくてもいいんじゃないか。
「ご覧になられるかどうかは」という尊敬語のあとに、「ご自由になさってください」等ではなく、「あなたの自由です」と、あくまでこちらに選択権があるということを強調する言い回し
そして、「ここでビデオを終了して下さい」という文からは、ふるいにかけられている感じがすっごくします。「この世界には二種類の人間がいる。ここでビデオを終了する者と、この先の映像を見る者だ」的な。あなたはどちらですか?つってね。


【見どころ】

「自主映画に映った男の影」

青春ものの自主制作映画。古い校舎の階段で若い男女が3人たむろしているシーンの映像奥、踊り場の壁に人影が映りこむ。スタッフも役者も撮影中は気が付かなかった。後日、映り込みに注意しながら同じ場所でリテイクをするが、再び影が映り込んでしまう。その校舎は戦時中、病院として使われていた建物であり、人体実験を行っていたという噂があった。

映像そのものはそうでもないんですが、影が映り込んだ自主映画のワンシーンがあまりにもひっかかります。男性の役者さんの、昔の仲村トオル感も非常に気になりますが、セリフを書き起こしてみると……

【1回目の撮影時の映像】

男) いらっしゃいませ!ご注文は何になさいますか?
はいっ。かしこまりました。

女A) ウェイター?

男、うなずく。

男) 家賃が3万8千円。

女A) わ!安っ!

男) 光熱費が1万円。
夜の講習費が5万円。
なんだかんだで、残るのは2万円かな?
【撮り直し時の映像】
男) はい。かしこまりました……どう?

女A) ウェイター!

男) 週6日で水曜日が休み。朝の11時から夕方の6時まで。そう……

これ、なんのシーンなんですかね??
しかも、リテイク版はセリフも演技のニュアンスも変わってる。(1度目は元気に、2度目はアンニュイに)
なるほど、リテイクついでにシーンをブラッシュアップしたっていうことかな?だとしたら、なにが不満だった?
話の中身が気になりすぎて、影に全然目が行かないので、別にそのまま使っちゃってもよかったんじゃないかという気がします。

ちなみに、この「自主映画に映った男の影」は、初めて「おわかりいただけただろうか」というフレーズが登場する記念すべき1本です。(ナレーションは高橋眞三樹さん)


「作業服の男」

投稿者が彼氏と旅行に行った際の映像。電車のボックスシートで彼氏が彼女のことを撮っている。カメラが彼女のそばにある窓を映した時、そこにいないはずの男性が映り込んでいる。
後日、彼氏が失踪。映像を見た彼の弟も原因不明の高熱が続いたのをはじめ、映像を見た者が次々に事故や怪我や病気になっていってしまう。

先程も触れた「作業服の男」ですが、この映像の後日譚が『ほんとにあった!呪いのビデオ Special』に収録されます。それを踏まえてなのか、映像のある部分にはあえて触れていません。昔から『ほん呪』はヘッドホン装着で視聴することにしているのですが、初見の中3(1999年頃)のときにそれに気がついてめっちゃくそビビりました。

と、今見ても、かなり怖い映像だと思うんですが、僕的には、映像を見たせいで視力が急激に下がってしまったという、関係者の女性が非常に気になります。モーニング娘。加入直後の矢口真里さんにそっくりなんです。むしろちょっと寄せてきてないか?くらい。矢口さんのモーニング娘。加入が1998年5月なので、フォロワーの可能性も充分にありえますね。


「子供を呼ぶ声」

橋の上で、妻と子供を撮影している投稿者。撮影中に背後から「あけみちゃん……」という女性の声が聞こえ、思わず声が聞こえた方向にカメラを向けた。映像に映った藪の先では、30年ほど前に病気を苦にした若い女性が、幼い娘を残し自殺していた。

検証パートでは、みんな大好き埼玉県音響粒子学研究所 所長の貝原茂夫氏が登場し、映像に入り込んだ音声の声紋分析をしてくれます。
貝原先生によると、低音部分に濁りがあり、呼吸器系を患った人に見られるような波形。また、体が弱く痩せている人だろうとのこと。
パッと聞きでは低音部分の濁りはわからないので、波形で見ないとわからないやつなんでしょうね。声のムードからも、病弱で痩せている感じは伝わってこないので、これもやはり波形で見ないとわからないやつなんでしょうね。

ややミュージシャンっぽい視点になりますが、映像のリプレイの際の演出として、「あけみちゃん……」という声だけを抜き出してリヴァーブをかけているのがすごいなと思いました。当時の家庭用ビデオカメラのカメラマイクが拾った、おそらくHi-8などに記録された音声、しかも蝉時雨がガンガンに鳴っている中での声だけを、かなりクリアに抜き出して使っていますからね。太くていい音しています。ノイズを消すのとか大変だったんじゃないでしょうか。すごいサンプリング技術。

あと、検証パートで投稿者が持っているカメラ(民生機)と、貝原先生が「このカメラのマイクはステレオになっていて……」と説明する際に手にしているカメラ(業務用)が、完全に別物なのも気になる点です。どっちで撮ってるんだろう

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