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トモグラフィー

X線CTは1973年にハンスフィールドとコーマックによって発明されました。彼らは1979年のノーベル生理学・医学賞を受賞しています。40年以上も前に実用化されていて、レガシーな代物と思われていますが、実は、その画像解析の技術はまだまだ問題点が多いです。例えば、歯科診断用のX線CTの場合、金歯などの金属があるとアーチファクトと呼ばれるノイズが多くなり、うまく画像を再構成することができません。これは、X線CTなどトモグラフィーの画像の再構成には、多元連立一次方程式の解を求めることが必要で、巨大な行列の逆行列を得ることが難しくなるからです。今までは、この逆行列を得るために、逐次的な近似計算に頼っており、その計算スピードも遅いものでした。しかし、解析的に解く(近似ではなくバシッと解く)方法が見つかり、アーチファクトを低減することができ、計算速度を上げることが可能になります。高解像度で、リアルタイムに画像を得られるだけでなく、動画も可能になるかもしれません。今後、病院でX線CTを撮った後、より鮮明な画像を見ることが期待できます。


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