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ダイレクトソーシングのメリットとデメリット

こんにちは。
今日はリクルーターとしての仕事の中で、最近主流になってきているダイレクトソーシングで優秀な人材をいかに探していくかということについて書こうと思います。

令和という新しい時代になってから、採用業務のやり方もどんどん変わってきています。10年ぐらい前は以下のようなやり方がメインだったと思います。

1.人材紹介会社に募集中の職種を伝えて人材を探してもらう
2.挙がってきた候補者を書類選考する
3.人材紹介会社経由で面接をアレンジし、会社に来社してもらって面接
4.面接の回数は3回ぐらい実施し、その都度来社

こんな感じだったのかなと思います。でも最近だと以下のようなやり方が多くなってきていると思います。

1.企業のリクルーターが自分で担当している職種に対して人材を探す=ダイレクトソーシング
2.挙がってきた候補者と電話等でコミュニケーションをし、OKの人を書類選考から部門選考へと進める
3.候補者と直接面接アレンジを進め、オンライン面接を実施
4.面接官を1回に必要であれば複数名アレンジし、面接回数を減らす、または面接官を多めにしてよりしっかりと判断してもらう

効率よく探していく上で、一番大きい点はダイレクトリクルーティングですね。これは私の記憶だと2008年か2009年頃に日本オラクル社が本格的に導入し、その後外資系IT企業でどんどん広まってきた採用方法です。このやり方に変わってきた理由はいろいろあるかと思いますが、一番の理由はコストだと思います。海外のリクルーティング活動は基本よっぽど難しい職種以外は人材紹介会社を使わず自分たちで人材を探すことをしています。紹介料は日本の場合、年収に対する25~35%程度かかることが多くて、例えば700万円の年収の方を人材紹介会社経由で採用したら、30%の紹介料だと210万円というコストがかかります。。。このレベル感の人材を10名採用すると2000万円以上のコストになりますよね。このコストは非常に大きくて、外資系企業の場合は特に指摘されやすい点になってきます。

例)年収700万円の候補者
ー人材紹介会社経由 700万円+紹介料30%(210万円)=910万
ーダイレクトソーシング 700万円

でも最近は様々な採用ツールが出てきて、それをいかにうまく活用するかどうかでコストを抑える採用活動ができる環境があると思います。例えばLinkedinというビジネスSNS。日本国内だと現在約220万人が登録をしているようですが、様々な職種の人材が登録しており、とてもよい人材データベースになっていると思います。あとビズリーチ。CMでおなじみですが、ビズリーチも人材を様々な形で集めてデータベースを作り、それを企業に利用してもらうことでマネタイズしているビジネスモデル。主に日本人の方が多く登録されていて、使いやすいデータベースになっていると思います。ほかにもいろいろとありますが、この2つのツールをしっかりと使っていくことがまずは最初かなと思いますね。

Linkedinの場合、Recruiter Licenseという有料サービスを使うことで、Linkedinに登録されている方々へのアプロ―チが自由にできるサービスがあります。コーポレートのLicenseだと月額113,000円ぐらいかかりますが、それでも紹介料から比べるととてもコストを抑えることができると思います。ビズリーチもいろいろとサービスがあるようですが、一名決めると年収の15%の紹介料になるサービスがあり、こちらもある程度はコストを抑えられますね。。。

ただダイレクトソーシングを本格的にやることでの課題ももちろんあります。一つはソーシング活動をする際、スカウトメールや電話等で実施しますが、例えば100名にアプローチしても返信率は10-15%あればいい方。その中から少しでも興味を持ってもらえる人は10%ぐらい。。。なので100名アプローチしても1,2名ぐらいしか基本興味を持ってもらえないので、工数が多い割には効率はよくないです。。。部門側は5名ほどの候補者の中から選びたい等リクエストがよくあるかと思うので、5名の候補者を集めようとすると単純に500名近くの候補者になりえそうな人材へアプローチをしていく必要があります。あと常に候補者の窓口として対応するので、面接のアレンジや細かい質問等に対する対応もきめ細やかにやっていく必要があるため、工数がより多くなってくる点も挙げられます。

デメリットになる点:
1.返信率が低く効率がよくない
2.一定数の候補者数を確保する必要があるため、ソーシング活動に時間がかかる可能性がある
3.リクルーターとしての作業工数が非常に増える

ただそういうやり方でもしっかりと候補者を自分で見つけてきて、全てのプロセスを自分で回していって採用までつなげることができれば、その候補者とのリレーションはしっかりとしたものができているでしょうし、それが他の人材の紹介等にもつながっていくことがよくあります。また採用活動の一番の問題だったコスト面が大幅に減らすことができ、他の活動に使えたりできる点もメリットになると思います。例えば採用マーケティング活動等ですね(これはまた今後書こうと思っています)。

メリットになる点:
1.候補者と直接やりとりをして採用決定までつなげることでしっかりとした関係が築ける
2.採用決定者から他の候補者を紹介してもらえる
3.採用コストが抑えられた分、採用マーケティング活動等他の面にコストを割り振れる

私はもともと人材紹介会社からの候補者を中心に採用活動をしていましたが、大手外資系IT企業に入社した時、日本国内にはいない人材を探さないといけない状況になり、その際Linkedinをフル活用して海外の人材へのアプローチをスタートしました。なかには海外にまで出向いて、会社説明会を実施したり、個別で面接をしたりして、最終的に多くの方々を日本での仕事への採用に結び付けることができた成功体験があります。その後日本国内にいる人材へのアプローチも本格的にスタートし、ダイレクトソーシングで様々な方の採用をすることができました。現在のコンサルティング会社でも、私の場合担当している部門の採用は基本ダイレクトソーシングで行っています。その分やはり大幅に採用コストが他の部門と違っていると報告をもらっていて、自分自身のパフォーマンスとして評価してもらっています。

ダイレクトリクルーティングはメリットとデメリットの両方があります。でもトータル的にはメリットの方が大きいと思いますし、これからの時代、いかにビジネスの成長を助けていく採用活動の中、リクルーターとしての幅をしっかりと広げてフルサイクルでできるようになることは非常に大事かなと思います。是非ご参考にしていただければと思います。

では今回はこのへんで✋


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