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つりとキャンプのムックを編集しました。

(めちゃくちゃ長文です。お時間あるときに読んでいただけたらうれしいです。)

ここ数ヶ月ずっとこのムックを作るために奔走してました。

with camp(わたしが所属してるユニット)のHPやツイッターではさらりとかっこよく「できたぜ!雑誌つくったぜ!つりとキャンプだぜ!」と述べていますが、これが無事発売されるために、本当に心も体も時間も人間関係も全てすり減らして、ちょっとだけ寿命縮まったんじゃないの?というくらいな物語があったので忘備録がわりに書いておきます。

そしてなんで、今わたしが急に、つりとキャンプなのか?ということも。

簡単にいうと「人生観仕事観変わるほど翻弄したし、めずらしい経験させてもらえたから見てほし!」という感じです。


ことの発端は、「with camp」という(メンバーは現在3人。イラストレーター・漫画家こいしゆうかと、ブロガー・ライターである佐久間亮介、カメラマンの猪俣慎吾)キャンプ企画・製作チームの発足から。「キャンプを何かに掛け合わせて新しい価値を見出したい」そんなテーマからはじまったこのチームの想い。

その想いに向けて真っ先に手をあげてくれたのがつり雑誌の老舗「つり人社」。編集部は、with campメンバーの佐久間の発信力や文章力をとても評価してくれていたのもあり、彼を中心として依頼を受けたのがはじまりです。


わたしは、釣りの世界は全くわからず過去に撮影やイベント、遊びでフライフィッシングをした程度。島キャンプに行った時、「この海で魚釣ってその場で食べられたら最高だな」と何度も思ってきたので、これを機会に覚えつつ自分も楽しもうという程度に思ってました。(軽すぎる!)

一冊の書籍にはありがたいことに何度か漫画家として関わらせてもらってますが、今回は立場が違います。雑誌一冊の監修と企画はほぼ初めてです。

(編集プロダクションでアルバイトを一瞬やっていたことはあるけれども。それもなんともゆるい形で)

そのためこの時点では、フリーランスの編集者と佐久間を中心にして作り上げていこうと思い整えていました。わたしはイラストレーターとしてだったり、企画を一緒に考えていけたらと思っていました。

が、数ヶ月たってもなぜか進まず、雲行きが怪しくなり・・・。

もろもろあって、自分たちで編集もすべてやることに。

(そういうわけで奥付には編集こいしゆうか・佐久間亮介となっています。)

そこからはもう、怒涛の日々。

佐久間も言ってましたが、人間不安すぎると吐き気がするんですね。

「これはもう自分でやらなきゃ!」となってから、依頼を受けていた全ての仕事を一旦ストップをして走りだしたとき、不眠はあたりまえで急な吐き気に襲われました。食べることも寝ることも満足にできず。人間らしい生活を一旦全て捨てるような日々が続きました。

あまりにも健康によくないと思って、実家に二ヶ月ほど?滞在しました。家族に支えられて、人間らしく暮らせるようになれたのは精神衛生上とてもよかったです。(家族ありがとう)

編集の仕事はとにかく大変でした。

「ほぼ経験値0から何をすればいいのか。」そこからだったので、周りにいろいろ聞いて学びながら動き出す。ガントチャートの作り方が下手すぎたので、わかりやすいやり方を教えてもらったり、そもそも編集の専門単語がわからないことも多かったので、聞いてまわったり。

他出版社からの依頼でライティングやイラストを書かせてもらうことが多いので、大体の流れはわかっても本当の見えないところで何をしているかがあまりはっきりしてなかったんですよね。

簡単にいうと

・雑誌内容の方向性を決める・コンテンツごとの企画を考える・台割を組む・ラフをつくる・外注をする・ロケ日を考える・アポをとる・入稿までの全体のスケジュール調整する・撮影をする・写真選定して記事を書く・校正をする

本当にざっくりなんですが、こんな感じです。そんな多くないじゃんと思われるかもしれないんですが、この「外注をする」がx20とかx30とかになるんですね。また細かい連絡(カタログページ掲載許可)なども合わせると、その数字がさらに膨らむわけです。

わたしが今までやってきたのは、漫画書籍。作るのは、漫画家、監修者、編集、デザイナーのみ。そもそもそこで関わる人数が全然違う!笑 (とは言っても書籍は書籍で編集さんの苦労があるに違いないんですが)

全員のスケジュール調整が入ってくると、もう自分のスケジュールというものがないように感じられてきます。ライターさんから原稿があがって、デザイナーさんに渡して、その間に撮影段取りをして・・・。わたしが寝てしまったら進まない進行もあるかもと思うと、不安で寝れず。

正直、たくさんの人に迷惑をかけたし、本当にできるの?と仲間からも不信がられるようなこともたくさんありました。

それでも、なんとか形にしたい、しなきゃいけない。気持ちだけで周りを巻き込みまくって、作りあげました。いや、みんなのおかげで作り上げてもらえました。正直わたしは、本当に編集者としては0点、マイナスなレベルで、勢いだけで動いてました。最悪です。そんなわたしについてきてくれて励ましてくれた人たち、本当にありがとうございます。

自分の話ばかりですが、いつもそうなんです。

結局自分じゃなにもできてなくて、助けられて生きている。恩返ししたくて、さぁ次!と思って動くとまたそこでも困って助けられる。すごいループですよ。わたしの周りは神かなんかなのか?

よく、こいしはのび太だと言われてましたが、まだのび太のままです。さすがにそんな自分に辟易してきましたが。

そんな懺悔ばかりを見ていてもつまらないと思うので、懺悔話はこれで終わりです。

つりとキャンプの相性

 表紙に「キャンプに釣りを足してみたら、もっとキャンプが好きになった。」というメッセージが書いてあります。

わたしがこの一冊を通して感じた一番素直な言葉です。結局、キャンプが好きっていう。釣り雑誌を見てみるとわかるんですが「釣れない」っていうのは答えとしてほぼないんですね。実はこの「つりwith camp」では釣れてない撮影があります(笑)よかったら探し当ててみてください。

最後に、with campとつり人編集長との対談があるんですが、そこで佐久間が「つりとキャンプは必ずしも相性がいいものではない」と言っています。一番釣れる時間帯と言われる夕方の時間は、キャンプにとっては焚き火をしながらゆったり過ごす時間でもありますしね。

確かにそういう一面も感じました。

でも釣りをすることで、できること、居れる場所が変わります。

ムックのなかから一部文章を抜粋します。

正直、海釣りは過酷だと思っていた。渓流のように日かげがあるわけでも涼しいわけでもない。しかし、ゆうまづめの空の色を映し出す海をぼんやり見ながら魚を待つ時間はとても贅沢なことに思えた。もちろん、釣れるとうれしいし、もっと釣りたいと思う。しかし、それよりもこの時間のこの景色を目に焼き付けながらできる遊びも素敵だ。ごちゃ混ぜに楽しむプラスアルファの釣りなら、このくらいがわたしたちにはちょうどいいのかもしれない。
(P32 「みちしお、ゆうまづめ」から抜粋)text:koishi yuka
釣りを始めてから、ただひたすら飲んで、食べて、を繰り返すだけだったキャンプが、もっと楽しくなったと山田さんは話す。野に入り、ベースキャンプを設営して、上流へと向かう。1日でわずか100mも進まなかった日もあるそうだが、キャンプ地に戻れば不思議と達成感がある。渓流に入る釣りは、雨による増水への備え、沢登りの知識、経験、飲水の確保など、簡単にできるものではないが、だからこそ生粋のアウトドアは、その奥深さに魅了されていくのだろう。
( P14「野に入りサオをふる」から抜粋)text:sakuma ryosuke

釣りに力を置きすぎず、ちょうどいい距離感で遊ぶ様子が伝わってくるかと思います。

「キャンプの時間をもっと充実させてくれるための釣り」そういう釣りのありかたもいいと思うんです。


キャンプと釣りの共通点

このムックのなかで1番こだわったゴールは

「最初の一本の釣りザオを、買ってもらえるように」

何を買えばいいかわからない。どのサオがいいのか検討もつかない。それはわたしも一緒でした。

テントと一緒です。どのテントが一番自分に合うのかがわからない。

釣りサオの選ぶ基準は、「釣りたい魚をまず決めること」

1本の釣りザオで対応するには限度があるんですね。堤防や、磯、船、もしくは川それぞれのサオと仕掛けがあります。

それを一発でわかるようにに、作ったページもあります。(P52 キャンプ道具にプラスワンロッド)

要は、イメージでいいんです。

「アジが食べたい!」ー堤防釣りのサオと仕掛け

もしくは「新緑のなか渓流を歩きたい。ついでに釣りしてる気分も味わいたい」だったら、フライロッドだったり。

テントの選びかたも一緒。「バックパックで電車キャンプがしたい!」ー軽量コンパクトなテント。「お部屋のような豪華なキャンプ」ーコットンテントで大きめ。なんて、そのくらいざっくりしてていいと思います。

何がしたいか、どうやって遊びたいか、それをイメージしながら紐解く。

それはきっとどんな遊びでも一緒なのかもしれません。

アウトドアの遊びは、想像をすることから、自分で作りあげる。

そこがわたしの感じた、つりとキャンプの共通点です。

最後に

長文乱文読んでいただき、本当にありがとうございます。4000文字くらい一気に書きました。

また、この本の制作にあたって協力していただいた全ての方に感謝を申し上げます。そして、この夏ちょっとでも釣りしてみるかな?って思ったかた、ぜひ書店で見かけたら手にとってくださいね。

わたしの周りにいるすばらしい人たちの力で、ものすごくいい一冊ができたと思っています。

あ、でもわたしも懺悔だらけじゃなかったです。

「わたしやっぱりキャンプ好きだわぁ〜〜!キャンプに出会えて最高!釣りもできて楽しい!」っていう気持ちがあるからこれができました。そこだけ自負します。釣りとキャンプの撮影は本当に楽しかったです。たまんないですよ!また釣りしてキャンプしたい!

PHOTO  BY INOMATA SHINGO

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こいしゆうか

イラストレーター、キャンプコーディネイター ズボラソロキャンパー。tent-Mark Designとコラボのオリジナルテント"PANDA”は、女性でもカンタンに設営できるテントとして好評発売中。著書に「そうだ、キャンプ行こう!」や「カメラはじめます!」がある。

コメント1件

雑誌作りは大変ですね。
ただ『釣りとキャンプ』もコンセプトは35年前に月刊フィッシング(廣済堂出版)がムック本で出ており、コンセプトのリメイクだと思われます。
これは遥か昔の70年代アウトドアブームの頃からアメリカのキャンパーを真似するようにフライフィッシングとルアーフィッシングが日本に定着しました。
そして80年代終盤から90年代中盤のキャンプ&フィッシングムーブメントへブラッシュアップされていきました。
今のキャンプブームに願うのはさらなるエコロジーとしてのキャンプ&フィッシングを若い世代が構築してほしいということです。
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