こんにちは。約1か月ぶりの投稿です。早いものでもう二月になりました。いかがお過ごしでしょうか。今日は先月のお話を書きます。

新年早々、私は何年かぶりに本格的な風邪を引いてしまいました。年末からインフルエンザが猛威をふるっていましたので、ついに自分もやられたのかと思いながら、救急病院に着いたのはちょうど夜の10時でした。三連休の頭の土曜日ということもあって、そんな時間にも関わらず中は診察を待つ人たちで溢れ返っていました。熱でぶっ倒れそうなのを耐えながら診察まで二時間待って、ようやく受けた結果は陰性。つまりただの風邪でした。

そんなわけで翌日から自宅に籠って療養をしていたのですが、案外早々に熱は下がりました。かといって外出許可日までは家の外には出られず、また薬が効いてるのと寝過ぎのために頭はボーッとしており、家の中でも特に出来ることもなく、少し寝ては起き、勉強の合間で休憩をしている弟を捕まえては、くだらない世間話をするという生活を数日間送っていました。

その中でこんな話を聞きました。弟が高校生の頃、ある日の帰り道に川沿いの道を自転車で走っていたところ、道路のアスファルトがひび割れており、その隙間の窪みになっているところに、一匹の白い蛇がいました。その蛇は窪みの部分からアスファルトの上へは戻れずにいるようで、また夏の炎天下で見たところかなり弱っていました。素人が蛇を素手で触るのは容易なことではなく、かといって周りに木の枝などもなかったため、どうしようか迷ったあげく、特に車通りの多い道というわけでもないのですぐに轢かれることもあるまい、明日ちょうどいい棒でも持ってきてそれで助けよう思い、その日は家へ帰ったそうです。
翌日傘を持って、家から再びその場所へ行ってみると、そこには無惨にも潰されてグチャグチャになった蛇の死骸があったのでした。

まさしく善は急げだったのだ、とあっけらかんとした表情で彼は言いました。しかしそれに関して問うたとて、彼の性格からして次にどういう言葉が返ってくるかはある程度想像がついてしまったため、私はそれ以上何も言いませんでした。

その翌晩私の体調は再び悪化し、熱は急激に三十九度まで上がりました。前回は夜が混んでいたので翌朝に行ったのですが、予想は見事に外れて、着いたときには前回と比べものにならならないほどの数の人たちが診察を待っていました。まさしく善は急げということでした。

六時間待った診察では陽性で、遂にインフルエンザ患者の仲間入りを果たしました。

曇り空の下、北風が音を立てて吹いています。道の端々には霜が降りていました。その下で蛇はまだもう少し眠っているのでしょう。帰り道は少し長く感じました。

(文:ケビン)

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