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markdownを活用してテキストを迅速に公開する:markdownテキストにはHTMLタグや数式も書き込める

今回は、markdown記法のちょっとした応用編となります。


markdownテキストの中にはHTMLタグも挿入できる

そもそもmarkdownはHTML入力の省力化と視認性改善のために作られたもので、誕生した時から今日までHTMLの存在が前提です。そのため、markdownテキストにはもともとHTMLタグが含まれることが当然のことなのです。

VScode+Typoraでのmarkdown編集にあっても当然にこの原則は適用され、HTMLタグの挿入は自由にできます。

もっとも、通常のHTMLファイルの編集時とはちがってHTMLタグの自動補完入力(開きタグを入力すると自動的に閉じタグが入力される)などは有効になりません。また、プレビュー画面でも、このHTMLタグがどういう視覚的効果をもたらすのかは直接確認できません。

しかし、HTMLに変換してからプレビューすると、このタグ入力が確かに受け付けられていることが確認できます。

まあ、markdown書法で対応できないタグをがっつり入れ込んだコンテンツを作りたいなら、普通に最初からHTMLを作れという話になるのですが、いざというときこういうこともできると知っておくのは悪いことではないでしょう。

markdownテキストの中には数式も挿入できる

勉強日記(特に理工系の勉強日記)を作るなら、markdownテキストの中にはLaTeX準拠の記法で複雑な数式も書き込めることを知っておいて損は無いでしょう。

同じ理系でもおそらく生物系の人はLaTeXと言われても何のこっちゃとなるかもしれません。数学物理系の人達は、論文をMSwordではなくLaTeXというもので書くのですよ。LaTeXは数式の表現能力が非常に高いことで知られています(特徴は他にもいろいろあるのですが)。

そのLaTeXの記法を援用し、HTMLの中にも自由に数式を書き込めるようにするMathJaXというJavascriptライブラリがあり、それがmarkdown環境でも利用できるということです。

生物系と言えど、数式と無縁ということはないはず。そう難しいことではないので、基本的な書き方は覚えておくといいでしょう。

基本的な書き方

文中に挿入するときは、数式部分を半角の `$`で囲みます。

任意の角度$\theta$について、$sin(\theta)^2 + cos(\theta)^2 = 1$ が成り立つ。

数式を独立した行に書きたいときは、その数式を`$$`のみからなる行で挟みます。

任意の角度$\theta$について、次の公式が成り立つ:
$$
sin^2(\theta) + cos^2(\theta) = 1
$$

主な記述ルール

詳しくは前掲のウェブページなどを参照してください。

  • 半角英数記号で書ける数学記号は、基本的にはそのまま書けばいい。

  • 上付き添字は、`^{上付きにする文字列}`と書く。ただし文字列が一文字だけの場合は波括弧は省略してよい。

  • 下付き添字は、`^{下付きにする文字列}`と書く。ただし文字列が一文字だけの場合は波括弧は省略してよい。

  • その他の多くの数学記号が半角スラッシュ+マクロ名の形で書ける。例えばインテグラルなら`\int`。添字を伴うマクロもある。例えば分数を表現するためのマクロ`\frac`で1/2を表現したければ、`\frac{1}{2}`となる。

基本的な書き方数例

行列式

$$
\begin{pmatrix}
a & b \
c & d
\end{pmatrix}
$$
$$
\left[
\begin{array}{rrr}
1 & 10 & 100 \
10 & 100 & 1 \
100 & 1 & 10
\end{array}
\right]
$$

ベクトル

$$
\boldsymbol{ 1 }
=( \underbrace{ 1, 1, \ldots, 1 }_{ n } )^{ \mathrm{ T } }
=\left(
\begin{array}{c}
1 \
1 \
\vdots \
1
\end{array}
\right)
$$
$$
\vec{ a } \cdot \vec{ b }
$$

積分

$$
\int_{-\infty}^{\infty} e^{-x^{2}} , dx = \sqrt{\pi}
$$

複数行からなる数式

$$
\begin{align}
\cos 2\theta &= \cos^{2} \theta - \sin^{2} \theta \
&= 2\cos^{2} \theta - 1 \
&= 1 - 2\sin^{2} \theta
\end{align}
$$

出来上がりのイメージ

応用例

ヘロンの公式

3辺の長さが a, b, c である三角形の面積 S は
$$
\sqrt {s(s-a)(s-b)(s-c)}
$$

ただし
$$
s={\frac {a+b+c}{2}}
$$

解の公式

$$
x = \frac{-b \pm\sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}
$$

標準偏差

$$
s = \sqrt{{分散}} = \sqrt{\frac{1}{n}{(x_1 - \overline{x})^2 + (x_2 - \overline{x})^2 \cdots + (x_n - \overline{x})^2}}`
$$

シュレディンガー方程式

$$
H\psi = \frac{\partial \psi}{\partial t}
$$

出来上がりのイメージ

終わりに

今回は少しだけ先鋭化した内容になったかもしれません。次回は、この「日記」を「外部に公開したくなったら」という話に移りたいと思います。ようやくタイトルの伏線回収です。

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