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ポジティブでなければ、コピーではない。という線引きに時代を感じた。

12月5日(土)に第11回SCCしずおかコピー大賞の表彰式が執り行われました。結果は以下のリンクの通りです。

大賞

理想の家づくりを相談したくなるコピー

驚いた。 私って、こんなに理想をもってるんだ。

特別審査員の岡本欣也さんが、例年選ばれるコピーの雰囲気とちょっと違う! この理由に興味を持ちながら岡本さんの解説を聞いていると、こんなことを仰った。

もっとも、ポジティブだった。

ああ、そういうことなのか! とても合点がいったのだ。

コピーはそもそもポジティブなものが好まれる。そして、今はコロナ禍の只中。悪いニュースに世の中も停滞気味だ。

広告は世の中の雰囲気を作るものとも言われている。ならば、人が動けない下向きな状況であったとしても、気持ちだけは上を向くことができる雰囲気をつくっていかなければならない、という使命にも似たものがあるはずだ。

だからこそ、以前にも増してポジティブなコトバでなくては、コピーを受け入れてもらえないし、その存在意義を失うことだってありえる。

コロナ禍のもっとも厳しい東京で暮らし書き続けている岡本さんは、その状況の中、肌感覚と内省を経て、ポジティブなコピーの価値を改めて感じ取っていた。

思い返せば、今年は、例年以上にポジティブなコピーを書き続けてきた。だが、叫べど応えずのように、反応を感じることができずにきて、私はちょっと気疲れのような状態になっていたらしい。(じぶんのことって、わからないものです。)

コピーライターでいることは、こういう疲れとの戦いのように思う。ネガティブな気持ちになることは、正直容易い。だが、ネガティブな気持ちでは、ポジティブなコピーを創作することはできない。上手いとか、下手とか、それ以前の問題として、取り組まなければいけないことに改めて気づかされましたね。

この作者は、今年、新卒の社会人1年目らしい。混乱の中、社会人になりテレワークやリモートなどの大きな変化を乗り越えて、それでも未来を信じて暮らしている一人だ。粗削りでも、視線は挑戦者のように曇りなく前を向いている。この気持ちの一点突破。今年の大賞にふさわしいコピーだと思います。

表彰式では「コピーの学校」を受講してくれたたくさんの方々に久しぶりに再会し、喜びながらの会話の中で『noteは、第11回も書きますか?』とご質問をいただいた。(ご愛読ありがとうございました!)

ファイナリスト作品を表彰式の合間に改めて読み直してみたところ、どの作品も味わい深かく、私の中のいろいろなところに沁みてきました。

このコロナ禍の中で作者が考えたこと、悩んだこと、正されたこと、悟ったこと、全てがたどり着いた一つの答えの様に、凝縮された思いが一文の中から読み取れるものばかり。その凝縮された思いに甲乙はつけがたく批評するのも失礼な気がしました。

そんな気持ちとは裏腹に、すべてを評価することは避けたいと思いつつも、じぶんの中で好きなコピーを改めて分析してみたい! という思いも片やあり……。

さて、どうしますか?! とりあえず、来年の宿題とさせていただきます。


※コピーの版権・著作権等の使用に関する権利は、静岡コピーライターズクラブに帰属します。
https://shizuokacc.com/award/




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