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21世紀は日本の 伝統工芸がアツい ワケ

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過去・現在・未来という視点から日本の伝統工芸についてお話致します。
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21世紀は日本の伝統工芸がアツいワケ~過去の話その1~

21世紀は日本の伝統工芸がアツいワケ~過去の話その1~

21世紀になって13年経過しました。私は最近、世の中がものすごい勢いで20世紀型の常識が崩れていっている感じがしています。
大量生産、大量消費の社会はとっくに終わり、マスメディアの力が弱くなり、新しいコミュニティがどんどんWebの世界で生まれています。
そんな時代の変化の中で、日本の伝統工芸がどのような役割を果たすかを考えたとき、21世紀は伝統工芸がアツい存在になるのではないかと思い始めました。

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21世紀は日本の伝統工芸がアツいワケ~過去の話その2~

21世紀は日本の伝統工芸がアツいワケ~過去の話その2~

産業が発達したことで、人々の「もの」に対する意識は大きく変化していきました。

産業が発達する前の社会で「もの」について考えた場合、流通が発達していないため、今で言う地産地消にならざるを得ず、だれがつくったかわかるというせまい社会でのものづくりが多かったことでしょう。
特に手仕事から作られたものは、自然にある材料を活用してできたものであるため、ひとびとは自然との繋がりを、「もの」を通して感じること

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21世紀は日本の伝統工芸がアツいワケ~最近の話その1~​

21世紀は日本の伝統工芸がアツいワケ~最近の話その1~​

近年はもの余りの時代になったと言われています。
それぞれの家庭で生活に不自由することがない程度にものが行き渡り、消費行動に駆り立てられることも少なくなっているのだと思います。

一方、ウェブの世界がどんどん広がっていきました。
ウェブが生活の一部となり現代社会はウェブを切り離して考えることができない状況になりました。
このような情報化社会は「もの」に対しての価値をどんどん下げることとなりました。

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21世紀は日本の伝統工芸がアツいワケ~最近の話その2~

21世紀は日本の伝統工芸がアツいワケ~最近の話その2~

MAKERS革命によって、今までよりさらにニッチな需要に答えてものづくりを行うことが可能になりました。

商品を世の中に売り出すための資金を集めるには、不特定多数のひとから出資を募るクラウンドファンディングの仕組みを用いることで解決することができるようになりました。
クラウドファンディングで資金を集めるには、ひとびとが共感できるプロジェクトである必要があります。
ひとびとが何をもって共感するかとい

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21世紀は日本の伝統工芸がアツいワケ~最近の話その3~

21世紀は日本の伝統工芸がアツいワケ~最近の話その3~

Facebookを創設したのがマーク・ザッカーバーグということはみなさん承知のことと思います。
ザッカーバーグの性格をいろいろなサイトで調べると、「内向的で論理的」というイメージが浮かんできました。
私は、内向的な性格のザッカーバーグだからこそFacebookを生み出すことができたのではないかと思います。

プログラマーだけではなく、ものをつくる職人も基本的に内向的な性格のひとが多いのではないかと

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21世紀は日本の伝統工芸がアツいワケ~最近の話その4~

21世紀は日本の伝統工芸がアツいワケ~最近の話その4~

私は石川県という地方に暮らしていますが、他の地方の主要道路に行くと、どこに行っても同じような景色が広がっているように思います。
要するに同じような店舗ばかりが並んでいるのです。
このような街並みになったのは、自分も含めそういう店舗に売っているものを自然と選んできた消費者がいたからです。
効率化された仕組みの中でつくられたものやサービスは確かに魅力的です。
しかしその一方、地方の特色がどんどん失われ

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21世紀は日本の伝統工芸がアツいワケ~未来の話その1~

21世紀は日本の伝統工芸がアツいワケ~未来の話その1~

最近、イノベーションを通じて今までの社会の常識を変えるため、事業を始めたベンチャー起業をスタートアップというのですが、スタートアップ界隈の話を聞くとエンジニアの起業家が多くなっているらしいです。
ここでいうエンジニアとは、Webのプログラマーのことを指しているわけですが、MAKERS革命によってあらゆる分野の作り手もこれからは起業家として出てくるのではないかと思います。

スタートアップ界隈は新し

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21世紀は日本の伝統工芸がアツいワケ~未来の話その2~

21世紀は日本の伝統工芸がアツいワケ~未来の話その2~

そこで、日本の伝統工芸について考えてみます。
例外はありますが、伝統工芸の多くの部分は日本でしかつくることができない技術で成り立ってます。
その技術を活かしてものづくりを行い、日本の文化とともに世界に発信していくことが、21世紀の日本における重大なテーマになるのではないかと思います。

日本はかつて、伝統工芸を輸出して、外貨を稼いでいました。
そのときのチャレンジ精神をもう一度思い起こさないといけ

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