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いんよう!第19回「Twitterと新しさの見つけ方」

これはポッドキャスト番組「いんよう!」を、個人が勝手にまとめているものです。非公式です。


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★第19回の概要欄

今回は、インプット用のツールとしてのTwitterや、ツイートをする内容をどうやって考えているのかなど、ヤンデル先生(いん)がTwitterをやっているうえで感じたことを話しています。

いんよう!概要欄




ここからは地引網の収穫です。今回は発言順を入れ替えている部分がおおくあります。ご了承ください。




★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 


「発信はメソッド、受信は修行」


■ 固有名詞
映画  紅の豚   
声優  花澤香菜 
    早見沙織
    日笠陽子
    豊崎愛生
    悠木碧
    上坂すみれ
    竹達彩奈
    佐倉綾音
    石見舞菜香
    本渡楓
    鬼頭明里     
作家  浅生鴨     
漫画  フラジャイル    
ツイッタラー たらればさん
  
     深爪さん      
タレント   中川翔子          



■ 目次
1. 前回からややムリムリにつなげる前フリ
2. 枠組みとしての論外と例外
3. 病理広報時代は露出の回数を増やす
4. フォローを返して筋トレをする
5. フォロワーよりもフォローしている人を見る
6. 滝のように流れるTLで鉱脈を探す
7. 性格はアレだが人を信用する感性は素直だねいっちー


 


1. 前回からややムリムリにつなげる前フリ


よう:あのー、前回さ、
いん:はい
よう:おれがあまりにもしゃべりた過ぎて、声優さんの話をしたんだけどさ
いん:んっふふふふ。ふふふ。うん
よう:その時にね、
いん:ああ。はい
よう:最初にしようと思ってた話があって、それをし忘れてて、またし忘れてたからさ、
いん:へ?ははは(笑)
よう:ちょっとだけしようと思うんだけど
いん:お願いします。


● 声優雑誌というものがたくさんある。アイドルに振ったもの、音楽に振ったもの、男性女性などジャンルが多い。(よう)

よう:アニメイトとかに入るとね、入り口すぐにさ、うわーーーって並べられてるんだよ。何十冊も。
いん:そおおおおおなんっですかっ。なるほどっ。
よう:それを始めてみたときに、「わっ」なんか…「沼ッ!」って思ったんだよね。
いん:「沼ッ」!(笑)
よう:うん(笑)おれもちょっと声優好きだと思ってたけどちがう、ちがう、これ沼だ!って思ったんだよ
いん:北海道開拓した人みたいな(笑)「沼ッ!」みたいな
よう:そうそうそう

● 自分が主に追いかけているのは女性声優だから、誰がいる?と聞かれたときに「花澤香菜、早見沙織、日笠陽子、豊崎愛生、悠木碧、上坂すみれ、竹達彩奈、佐倉綾音、石見舞菜香、本渡楓、鬼頭明里…」と無限に出てくる。でもこれは氷山の一角。
● この中の多くの人が、情報をツイッターなんかで発信しているわけだけど、おれはSNS上で何かを発信するのを、みんながどうやっているのかわからない。何を毎日つぶやくことがあるんだろうと思う。毎日やってる人が何を考えてるのかと思う。(よう)




2. 枠組みとしての論外と例外

● 無限につぶやくことがある人のことを無限に考えて続けてきた。ネタ切れ感と闘った結果ツイートが増えた。
ネタを考え出すとき、切り口を見つけると2つ3つ同時にネタが出る。その切り口を全部埋めるまではつぶやけるが、それが枯渇する前にまた必死で考えると20個くらい出てくるからそれをつぶやく。そうやってるとものすごいツイート数になる。(いん)
● そんなにネタ出る?(よう)
● メソッドで出してれば出る。(いん)
● どういうメソッド?(よう)
● 簡単だけど絶対やったらだめなこと、でもついやっちゃうものとして「タイムラインを見て、世の中で盛り上がってる話題にアプローチする」ことがある。これは居酒屋トークになるからダメ。開き直るならいいけど、ツイートで仕事を増やしたり、自分の世界を広げたりして「いいことを起こしたい」と考える人はダメ。アンチがわく。(いん)
● お前の中から出ていることが一つもねえじゃねえか、ということ?(よう)
● そう!歩いたり呼吸したりするように、おもしろいことが無限に出る人がまれにいるけどほぼいない。そういう人はありふれたことを丁寧な言葉で書く。同じ風景見てるのにツイートがおもしろいから最強だけど、こういうひとはすでに「ツイ作家」だから。ラジオの放送作家的な感じ。(いん)
●エピソードそのものが面白いわけじゃない?(よう)
●あるいは、たとえば中川翔子なら「どこそこでライブだった」だけでいいけど、それはどんな日常でも知りたいと人々が思うような有名人の余裕ツイだから、我々の参考にはならない。(いん)




3. 病理広報時代は露出の回数を増やす


● 病理のことを伝えたいと思っていたから最初の一年は必死で、病理全体の認知がどうやったら深まるかを計算していて、つらかった。自分がある世界を売り込もうとしていたからつらいのは当然ともいえる。
でもそれを「フラジャイル」に任せて、自分は売り込まなくていいとなってからは自由。自由になったらフォロワーが爆伸びした。フォロワーなんか増やさなくてもいいと思ったら増えた。(いん)
● みんなに病理を知ってほしいと思っていたのと、それがなくなってからでは何が違うんだろう(よう)
● ネタがない日は黙れるようになった。毎日つぶやかないといけないという重責がなくなった。(いん)
● 毎日つぶやかないとダメなの?(よう)
● 病理のことを発信するなら毎日つぶやかないとダメだと思っていた。タイムラインにいない人のことは忘れる、という法則があるだろうから、露出の回数が大事だと思っていた。
最初の一年間は、仕事にまだ余裕がないから夜中とか出張中とか昼休みとかにタイムラインをずっと探してた。いつも何かのリアクションを考えている。ネタが出るのを待ってた。(いん)



4. フォローを返して筋トレをする

● 昔はフォローは2000が上限で、それ以上フォローしようとすると自分のフォロワーも2000くらい必要だった。
それにたとえフォローを2000していたとしても、フォロワーが100人くらいしかいない人の話は誰も聞かない。(いん)
● 病理全体の広報も苦しいかもしれないけど、認知されてフォロワーが増えるまでも苦しいんだね(よう)
● 認知されて自分が得なだけでなく、「フォローしてフォローされる」というアクションとリアクションを、50とか100とか積み重ねる必要がある
自分をフォローしてくれた人は、何が楽しいと思って自分をフォローしてくれたんだろう、と一歩ずつフォローを積み重ねていかないとツイッターのやり方がそもそもわからない。(いん)
バズったらそれを機にまずフォローしてきた人にフォローを返す。で、この人はなんでフォローしてくれたんだろう、とその人のタイムラインを見に行く。さかのぼっていくと「この感性でおれを見たからこれが面白いと思ってくれたんだ。わかる」となる。
● それは広く言うとマーケティングだけど、フォローを返す必然性はある?(よう)
● その人がTLに浮かぶことで、自分が面白いと思うことが入ってくる。(いん)
● 自分のアンテナが届いてないところも回ってくるのか。(よう)
● あと、人間としてやってることがおもしろい。たとえば自分をフォローしてくれた医者が、患者について口悪く書いてたり同僚に辛辣なことを言ってにして「ちょっときついな」と思うと、「このきつい人がおれのことをいいと思ってるってどういうことだろう」というネガティブフィードバックがかかる。「こういう人に好きだと思われてるんだ」と。それで鍛えられる。
持ちネタを一通りしゃべり終わったり、最近は予定調和でこの話題つまらなくなったと思った時、フォロー数が多いと一瞬で組み立てられる。フォローの少ない面白ツイッターおじさんは、自分のやってることに飽きたときに構築するのが大変になる。
200人しかインプット先がないと、その200以外どうやってインプットするんだ、というところにいったん戻らないといけない。自分が思いもよらないことを勝手に渡してくれる人を持てない人は大変。(いん)




5. フォロワーよりもフォローしている人を見る

● 「フラジャイル」が出てきて、病理を広報しなくてもよくなったら、受信に徹すればいいと思った。面白い人を見つける手段は手に入れた、ツイッターにも慣れたし。(いん)
● 自分が面白くある必要性はないと?(よう)
● 面白い人を見つけるだけでツイッターを使えるようになる。そうするとダジャレでも平気になる。リアクションで自分を売ろうとすると、最悪のいっちょ噛みになるけど、素敵なツイートを3つRTして、最後に「ワクチンを二倍にすると」とか言ってるシーンは裏返って楽しい。(いん)
● 病理の広報をするしないは別として、最初からそのやり方でやってた方がよかったなとは思わないか(よう)
● それを最初からやるとただのロム専アカウントになる。(いん)
● ある程度のフォロワーが必要ということか。(よう)
● むしろフォロー数が大事。やはり世の中の面白い人を用例収集のように集める時期が必要
そうしないとフォロワーをおもしろがらせるためにどうしようか、と考えが狭くなってくる。(いん)
● それはネタ切れの元になる?(よう)
● 鬼のようにネタが出なくなる。そしていいことを言ってる人、おもしろいことを言う人をリストに入れておかないと、ツイッターをツイッターのためにやるみたいな悪いループに入る。(いん)
● ツイッターをツイッターのためにやるというのは、当初の目的からずれるということ?(よう)
● 目的をもってやっていると必ずそこにハマる。フォロワーのためにツイートすると内輪で完結してしまう。そしてそもそも目的をもってやるものだろうか、とか悩んでしまう。(いん)





6. 滝のように流れるTLで鉱脈を探す

● 浅生鴨さんが以前「ツイッターは受信のためのもので発信用のものではない」と言っていた。(いん)
● 発信用のツールじゃないことに対しては「そうだな」と思うんだ?(よう)
● 完全に受信用のツールだということに気づく。それを楽しむにはフォローが洗練されていないといけない。相互フォローをせずに本当に気に入った人だけをフォローすると、自分の偏った知識から生まれてくる興味にしか目がいかなくなる。前回くらいに「自分のまだ知らないことで楽しそうな世界がまだ転がってるんだな」みたいなことを言った。(注1)(いん)
● 日ごろから間口を広げて情報を取ろうとしてるのに、それでも手から零れ落ちてるものがあるんだから、それをやらない選択肢はないというわけか
そもそもネットの情報の取り方膨大な量をどう消化しているのか。
滝のように流れるTLの中で、面白いやつは浮かんで見えると言ってたけど、長嶋みたいなセリフやめてくんねえかな(よう)
● ザッピングを繰り返してると、まったく自分にフックのない話題をつぶやいている人のところで目が止まる。
あとは、同じテレビを見てる人が盛り上がってたら自分と同じ感性だということだから、TLを見に行く
たとえば「紅の豚」を見てるとき、CMに入ったときにTLを見ると、そのタイミングでつぶやく人がいる。するとその中に、すごく面白いことを言う人が必ずいる。その人が、ある芸能人のツイートをRTしてるとする。その芸能人の名前は知ってるけどよく知らない人だったりすると、その芸能人のツイートも見に行く。そうするとだいたい当たる。(いん)
● 修行みたい。鉱脈を探し続けている(よう)
● こうしてるとネタ切れがなくなる。いっちょ噛みでなくて、自分と同じ感性を持ってる人が興味のあることを探ると、自分は知らなかったおもしろいことが増えていく。無限にネタが増えていく。間口が広がる。(いん)
● フォローが少なくても影響力のある人は特殊か。(よう)
● そういう人はツイッター以外にそういう手段を持ってる。たとえば深爪さんは週刊誌とかドラマとかを好きで見てるから、そこから仕入れたものに面白くリアクションできる。(いん)
● インプット口(ぐち)をどこかに持つのは大事ということか。いっちーもインプット先があるんじゃないの?(よう)
● 忙しいと本も読めないしテレビも見られないので、ツイッターのフォローが多いのはでかい。(いん)
● アウトプットは修行。(よう)
● 修行の成果は一年くらいで割とすぐに出る。(いん)


7. 性格はアレだが人を信用する感性は素直だねいっちー


● リアルでも、この人おもしろいなと思う人が勧めてくれる作品は受け入れる。(よう)
● 先輩がすすめた声優さんのラジオは多分聞くし、たらればさんがいいと言ってた本を買うと当たる。(いん)
● 人を信用してるということではクラシカルな方法ともいえる。ただこれは全部インプットの話。インプットはアウトプットするための必要条件だと思うんだけど、いっちーは十分条件のように語る。資質に関係してるような気がする。(よう)
● そうだとするなら、資質を鍛えるための相互フォロー相手全部見る時間が一年以上あったのは大きいかも。(いん)
● アウトプットの方法も大量にインプットする中で学んでいったってことか。(よう)

よう:まあひとことで、おれのこの、あの30分くらい話を聞いててさ、感想は、あの「いっちー元気だな」って思うよね
いん:(笑)
よう:(笑)
いん:(笑)うん。そう。
よう:やっぱ相当な労力だもんね。。今言ってることってね。毎日やり続けるってさ。

● コツは、たとえばテレビ見てたらCMの時にしかタイムラインを見ない。日常とツイッターの時間はそのくらい。日中ずっとタイムラインにいるように見えるかもしれないけど、CMの時しかいない(いん)
● 合間合間にしかいないってこと?(よう)
● そう。その合間にたまたま目に留まった人をサラッと見に行く。収穫がなければ次の合間までなにもしない。(いん)


いん:あの、おまけですけど
よう:はいはい
いん:おまけ…ごめんなさい、長くなるんであれなんですけど、おまけなんですけど、
よう:うん
いん:ネタ切れに対する恐怖みたいなのがあるときに、会話するとやっぱり出ちゃうんですよね。ネタがないなあと思っても
よう:そうだね。相手の、なんかね、情報を受け取ってそこでまた考えられるからね。
いん:そうそう。だからその会話のためにはフォローが必要、みたいなことでもあり、このラジオ収録の時にあんまりふわふわしてても会話してると30分くらいすぐ経つよっていうのは、これが同じことやってんなあって気がしますね。
よう:そうだなあ。。。。
いん:うん。
よう:ま、意外にいっちーは心が広いっていうところもあるよね
いん:ちょっと言ってる意味がわかんなかったですけど(笑)「意外に」ねえ。はあ、なるほど。うん。枕詞がおかしいというね、話がありますけどね。
よう:あのー、性格はゆがんでるけど、感性は割と素直だよね。
いん:んふふふ。うーん。何とコメントしていいのか
よう:(笑)
いん:(笑)
よう:はい、じゃ今日は
いん:はい。
よう:ありがとうございます。
いん:はい、ありがとうございました。



注1:第18回【雑談②】の30分40秒あたりから。
手前味噌ですがこちらでも。













********* 感想 *********

メソッドの話をするときに、まず「べからず」の話から入るところが、さすがだなあと。最初に排除すべきものを示すことで輪郭を多少なりとも明確にしておくのって、すごいことだと思います。

病理の広報をするんだ、知ってもらうんだと思ってた頃は意識的にタイムライン常駐。それでも思うままではなく、ちゃんとフィルターをかけてものすごい量をつぶやき、ものすごい量を返信していたところがこわい。よう先輩がよく「いっちーは口から生まれた」と言いますが、思いついたことを捕獲するのが抜群にうまいのでしょうね。

企業広報の仕事をしていたとき、尊敬する上司が常々「『広報』とはすなわち『広聴』である」と言っていました。社内と社外双方から広く情報を集めて、それをよく聴くことで編集点(切り口)がみつかる、という意味でした。アウトプットの前にまずはインプットである、ということだし、さらにジンベイザメ並みの大口で微細なプランクトンを大量に摂取することで、やっと点になるのです。(この会社は、広報と宣伝を分けて考えていたので、宣伝はまた別のセオリーがある(はず))

その意味で、ヤンデル先生は広くフォローすることで、「広聴」をしながら、加えて自分の発信のとらえられ方まで把握していたわけですから、漏れがなくてこれまたすごい。

数学出来ないマンとしては「インプットはアウトプットの必要条件か十分条件か」が何度考えても調べてもよくわかりませんでした。「アウトプットするにはインプットが必要不可欠だと思うけれど、いっちーはインプットがあればアウトプットはできる、と語っているようだ」ということ???いやなんかちがう。



★  ★  ★  ★  ★

忙しさや野暮用にかまけて、この回を完成させられずにいるうちに、ヤンデル先生はSNSからあっという間に消えてしまい、「いんよう!」も休止になりました。自分でも驚くほどのダメージを受けて、いまは最新回を聞けずにいます(だって聞いたら終わりに近づいてしまう)。

取り組んでいる回がSNSについての回というのがまた皮肉で、このタイミングでこれを書いている自分を呪っています。いくらなんでもひどい。どの面下げて公開できるというのでしょうか。少なくともツイッターにはあげずにおきます。

いんよう!とヤンデル先生、よう先輩から受けた影響はわたしの人生の方向性を変えるほど大きいものです。感謝に堪えません。ここで、これまたひっそりと、心からありがとうございます。同時代に生きられてよかったです。

幸い、向こう4か月ほど、わたしは仕事が死ぬほど忙しくなります。忙殺で喪失感を殴り倒し、ホワイトデーが終わったころ、あらためて次の回の地引網を始めたいと思います。

SNSは発信も受信も自分の世界を広げるもので、縦横斜めに奥行きもあって、風船を膨らませるようなイメージ。長い間、ずっと勢いよく膨らませてきたヤンデル先生は、いったん風船を空に放ちました。そこから漏れ出る空気は大気の中に融けこんで、わたしたちの一部になります。そうやって15万人が少しずつヤンデル成分を取り込んで、熟成させていったらいい。きっと先生はまた、思いもよらぬところから思いもよらぬものを持って思いもよらぬところに立っているのではないかと思います。



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