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パワハラがなくなる日は来るのか?

ニュースで毎日報道されているこの問題、その根底にあるものはなにかについて考えてみました。

◆厳しいことを言っても、愛される上司

結論から言うと、信頼関係とコミュニケーションだと思うのです。

信頼がある上司から厳しいことを言われても、部下は「すいません、がんばります。」ってなるし、信頼関係がなければ、まったく同じことを言われても部下は「うわ、口が悪い。傷ついた。パワハラだ。」ってなってしまいます。

なぜそうなるかというと、言葉を上手に受け止められないのが、ひとつの要因だと思うのです。

上司からすると、応援・エールのつもりで言ってるはず厳しい言葉を、そこで上手に変換できずに、ストレートに伝わってしまい、「あの人は僕のこと嫌いなんだ」とか「僕は嫌われてるから」って受け止めてしまう。

言葉の表面を聞くだけで、本心を察することが下手な若者が増えてきているのです。

◆感情に振り回される上司

もうひとつ僕が、いろんな企業に研修に行って思うのは、いま現役の上司が、先輩の上司から、部下への指導方法を教えてもらってないことだと思うのです。部下の育て方を、会社として教える仕組みがないというか。

本来は業務を遂行するために、自分の感情を表に出さずに、ある意図を持って、戦略をたてて、キツく言うとか、厳しいフィードバックをする、もしくは様子をみるっていうのが部下を叱るということです。

でも、感情のコントロールがうまくできない上司は、自分の思い通りにならないと、カッとなって腹が立ち、怒ってしまい、厳しい言葉を直接的な感情を表にだしてしまう。

叱ることができる上司は、感情のコントロールができているので、後から部下を上手にフォローできるのです。
「あ、さっきは言いすぎたかな。一言声をかけてみよう」とか「彼もがんばってるし、飯でも食わしてやろう」とか。

でも怒っちゃうと、自分も頭に血がのぼってるからフォローするとか、そんな余裕もなく、できない。"フォローしない" ではなくて "できない" 状況だと思います。

◆“叱れない”人たち

叱り方を会社で教えていないことには、ちゃんと背景があります。1993年から2005年の就職氷河期の前後で大きく違うと思っています。

氷河期より前の、バブル世代は大量採用をしていて、企業は毎年かならず新卒社員をとっていた。そうすると、年上の先輩が新人に関わらざるをえなくなるのです。

年齢の近い人が、よき兄貴・姉貴分となって、親身になり、ダメなことしたら「ダメだよ」って諭し、良くできた時には、自分たちが新人の頃を思い出して、同じ感覚・目線で「良かったね!」と、関わることができる。

だから研修などを特別なことをしなくても、会社としてのルールや規範、共通認識を新人も身につけられて、会社全体も上手く機能していたのです。

でもバブルが弾けて、採用する年代に穴が空いてしまった。とくに大企業で、大きいのではないかと思います。
300人採用していたのが10人とかの少数になってしまい、会社のルール・暗黙知の継承が途絶えてしまった。採用する方もされる方も時間にも心にも余裕がなくなってしまった。

結局このときの、新卒だった人たちがリーダー世代になるとどうなるのか?
年上の先輩も少なくなり、後輩もなかなか入ってこない、いつまでも一番下っぱ。
教わり・教えるという経験をしてきてない世代なんですよね。でも、この方たちが悪いわけではない。

労働に関するいろいろな社会問題が紛失する中で、点とか線ではなく、面で人材教育をしていく企業が活躍するような気がしています。

リーダーの皆さん、踏ん張りどころです!


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