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計算能力は画質を向上させる - ジェネラティブアート制作時のあたまの中

 今日は、球面上を等間隔に覆う螺旋を用いた作品について説明する。この方法を用いた作品は過去に作っており、その解説についても既に発表済みである。

上のページにも掲載しているが、こちらにもリンクを掲載しておく。この球面上を等間隔で覆う螺旋は、厳密にいうと、「ほぼ」等間隔で覆う螺旋、となる。物理シミュレーションなどでは、もしかすると影響が出るのかもしれないが、ジェネラティブアートで使う場合には(おそらく)問題は出ないと思う。

山路敦 著、多数の点を球面上に一様分布させるソフトウェア GSS Generator

https://www.jstage.jst.go.jp/article/geoinformatics/12/1/12_1_3/_pdf

 上に示した #つぶやきProcessing では螺旋を約 3,000 分割し、その分割した点上にノイズにより色付けした円を描き水の惑星のようなものを表現している。

しかし、ご覧の通り、あまり上手く表現できていない。この作品は 2 年程前に intel mac (Core i7)を用いて制作したものである。密度を上げると滑らかなアニメーションが得られないため、仕方がないので分割数をこの程度にしている。

 最近、私は仕事上の関係上、(価格の安い方の)M1 mac book air を使用している。この Apple のプロセッサは非常に計算能力が高いのは、多くの人々が報告しているとおりである。今回は試しに螺旋の分割数を 3 倍の 9,000 にしてみたところ、隙間なく描画されているにも関わらず、滑らかなアニメーションが得られた。

 先日の #AltEdu2022 の最後のお題は 100 年後の誰かにむけてのコードであった。ムーアの法則によれば 18 ヶ月で性能が 2 倍になる。1 年半で 2 倍であるので、3 年(つまり 1 年半が 2 回)で性能は 4 倍となる。6 年で 16 倍となり、9 年で 64 倍になる。さらに 3 年経つと 128 倍になるので、12 年経つと性能は約 100 倍になる。

一般的な計算機の 100 倍の性能をもつものをスーパーコンピュータと呼ぶ。100 倍の計算能力とは、通常の計算機では 1 年かかる計算が約 3 日半で終わることを意味する。シミュレーション結果得るために 1 年も待つことはできないが、4 日程度なら待てる。つまり、100 倍の計算能力はコンピュータの使い方を変化させる。

 端的に言ってしまえば、10 年後のコンピュータは、現在のスパコンである。今回の例のように、パラメータを少し変化させるだけで計算量が増大し、その結果、画質が向上する等の効果が期待できる。温故知新で、過去の作品を見直してみることは結構重要なのではないかと思っている。

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