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YAZAWA最高! 新・国立競技場は厳しい…。屋根なし、座席の狭さ、恐怖を感じるスタンド席の傾斜

 8月28日、国立競技場に行ってきました。矢沢永吉50周年記念「MY WAY」の2日目。初日のゲストがMISIAで、2日目はゲストなしだと思っていたら何とサプライズでB’zが登場!

 10分遅れでの開演。まずバンドのメンバーが入って来るだろうから…、と待っていたらそこはBOSS。最初に矢沢永吉さんがカッコよくステージに登場して、万雷の拍手を浴びている間に、バンドのメンバーがササッと定位置に就くんですね。
 矢沢さん登場の瞬間から「カッコいい!!!」しか言ってなかった気がします。声、アクション、バックバンドの演奏も上手かった。ほんの一瞬の出演のためにあんな人やこんな方々を用意するとはスケールデカいぜ!(ネタバレ注意)。

 ゴージャスな「YAZAWAの世界」を堪能しました。昔、日本武道館で初めてタオル投げをした時は感動しましたが、それ以来、人生2度目のタオル投げも気持ち良かったです。6万人が一斉に色とりどりのタオルを投げる光景は壮観でした!!



 最高のYAZAWAライブを楽しみつつ、注意深く観察していたことがありました。計画や設計の段階から様々な議論を呼び、2500憶円という過去の五輪メインスタジアムと比べても突出して高額な建設費を掛けて完成させた「新・国立競技場」ですよ。

 新・国立競技場に行った人から「あれだけの費用を掛けて配管が剥き出しだった」や「とにかく座席が狭かった」という声を聞いてました。当初の計画では「屋根付きスタジアム」だったのが、建設費が当初の計画を遥かに上回ってしまったために「屋根なし」に変更して「スタジアム内に風が流れて、涼しく感じるようにした」といいますが、本当に風は流れるのか?

 昨年の東京五輪の前には、こんな記事も書きました。


 実際に新・国立競技場の中に入り、スタンド最上段に近い3層16列からスタジアム内を見て、思ったのは「聞いていた通り」でした。

 座席は狭いです。前後に全く余裕がないので、通路側の人は人が通るたびに立ち上がらなくてはいけませんでした。「左右はまだ余裕あり」という書き込みも見ましたが、そんな余裕はなかったですよ。両隣を成人男性に挟まれたら「窮屈だなー」と感じたでしょう。

 また、スタンドの傾斜が急です。階段や座席の前に手すりを設置してましたが、階段の昇り降りは「怖いな」と感じました。高齢者や子供にこの傾斜はキツすぎて、昇り降りを見てるだけでこちらがヒヤヒヤしました。

 風が流れるかどうかは分かりませんでした。雨が吹き込むのを防ぐためなのか、最上段の隙間には黒い幕が設置されていました。

 ただ、2日目はご存知の通り、最高気温25度ぐらいで、私の席は17時半の時点で西日が射し込んでましたが、日没と共にスタジアム内の気温が下がった感じで過ごしやすかったです。

 矢沢さんは何度も「昨日は暑かったんだよ」とこぼしてました。ステージ上は、セットや機材に囲まれてる上に照明が当たるので、ある程度の暑さは予想していたと思いますが、いざ開演してみると「風は吹かないし、ここは40度以上はあったと思う」(矢沢さん)と灼熱地獄だったようです。

 新・国立競技場は当初から問題ばかりでした。そもそも、招致段階では「旧国立競技場をリニューアルするから、最もお金の掛からない五輪になる」(当時の猪瀬東京都知事)はずが、あっという間に取り壊し。設計も、一度はザハ案に決まりながら白紙撤回、隈研吾氏の木をふんだんに使った現在のデザインに。
 しかしながら、建設費は膨らみに膨らむばかり。

 当初は高温多湿の東京の気候を考え、パラリンピックもあることから(*車椅子ユーザーの中には汗をかいて体温調節が出来ない人もいる)、屋根のある競技場建設を進めていましたが、高騰する建設費に批判が集まると当時のトップが「屋根は無くていいんじゃないか」と。これで、屋根なしスタジアムへと方針転換です。

 送風機を備えた風の流れる設計がされたそうですが、東京は35度以上の猛暑日になると扇風機を回しても「熱風」になるだけなんです。体温を下げるほどの効果があるのかどうかは疑わしいと思っていましたが、スタジアムのステージに立った矢沢さんの証言でハッキリしましたね。

「新・国立競技場は暑すぎる」

 結局「屋根なしにしよう」という判断が諸悪の根源です。新・国立競技場を満員にする集客力があるアーティストやイベントなら、次は東京ドームで開催した方が遥かにいいと思いますよ。

 今回の矢沢ライブだって、8月27、28日は天気予報で「雨」マークが付いていました。「大丈夫か?」「客席で傘を差せないから、カッパを用意していかないといけないのか」と色々と心配してましたが、さすが矢沢永吉さん、YAZAWAのパワーで雨は降りませんでした。ただ、初日の蒸し暑さで矢沢さんの体力はかなり削られてしまったようですが。

 これが東京ドームでの開催ならば、台風直撃でもない限り、天候の心配はしなくていい。猛暑日に当たってしまっても、ドーム内に入れば快適。演者も、観客も、いいコンディションで、気持ち良くライブを楽しめます。

 新・国立競技場、これからどうするのでしょう?

 イベントで使用する回数が限られ、維持費で赤字確定であれば、何十憶か掛かっても、屋根を作り、客席数を減らして、快適なスタジアムに改修すべきではないかと思います。
 五輪の運営やスタジアム建設費をもう一度検証して、水増し等があった場合は返金させるなどして、改修費を捻出することも一案でしょう。

 1964年の東京オリンピックでは国立競技場を始め、いろんな施設を作り、その後も使い続けましたが、今回のオリンピックは「負の遺産」ばかりが残りました。いつから、中抜きやらリベートやらで税金を自分の懐に入れることだけに必死で「公益」を考えられない人間ばかりになってしまったのでしょうか、この国は。




 



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