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馬場さん、鶴田さん、ブロディ「プロレス史の空白地帯」を埋め得る唯一の人物が渕正信さんだった〜「王道ブルース」覚書1

 「王道ブルース」(渕正信著。徳間書店刊)が3月30日に一般発売されます。それに先駆けて、3月21日(月・祝)の全日本プロレス大田区総合体育館大会にて先行発売されることが決まりました。

 取材・構成を担当して、「王道ブルース」は、日本のプロレス史における「空白地帯」を埋める貴重な1冊になった、と自負しています。

 私事になりますが、10年ほど前、双葉社「週刊大衆」にて「昭和プロレスの知られざるストーリー」を連載していました。テーマは「重大事件」、続いて「必殺技誕生の瞬間」。1つの事件や必殺技をクローズアップして、当時、テレビで見ていたファンは知らなかった「実は~」というエピソードを必ず1つ、2つ入れた読み物です。連載の反響がとても良く、当時流行っていたコンビニの500円本化されて、そこでも7刷というヒット本になりました。

 連載時、自分で作った縛りは「毎回、新たな資料を読み、自分でも知らなかったエピソードを必ず入れておくこと」でした。そのため、連載中はプロレスラーの自伝本、記者やレフェリーの回顧本、テクニック本などを読み漁り、資料になるものを探したものです。

 その時に、幾度となく思ったことがあります。
「ジャンボ鶴田さんとブルーザー・ブロディの自伝本があればー」と。
 昭和プロレスを調べると、新日本プロレス系は読み切れないほどいろんな人がいろんな本を出してます。
 が、全日本プロレスは少ないです。中でも、ジャンボ鶴田さんとブルーザー・ブロディは、ご家族や友人が出したものはありますが、本人の言葉が残っていない。80年代の日本プロレス界の中心人物「鶴田、ブロディ」が、自身の現役生活を振り返る自伝を遺さず、急逝してしまったために、ここだけにポッカリと大きな穴が空いている、と思いました。

 馬場さんは何冊かの本を出しています。ただ、猪木さんが引退時に現役生活を振り返った「アントニオ猪木自伝」のような形の本はない。私の手元に「王道十六文」(87年)と「ジャイアント馬場伝説」(96年)がありますが、正直、物足りないです。特に「馬場伝説」は「馬場さんは気が進まず、全然喋らなかったのだろうな」という編集サイドの苦悩が伝わってくる内容でした。

 馬場さん、鶴田さん、ブロディが急逝してしまい、この「日本プロレス史の空白地帯」を埋められるのはただ一人、渕正信さんだけなのだと、私は思います。

 「王道ブルース」では、馬場さんのプロレス観やプロモーターとしての仕事ぶり、鶴田さんの若き日の苦悩や馬場さんへの思い、ブロディの「ライバル、鶴田への対抗心」など、渕さんが直接、見聞きした事実を明かしています。

 馬場さんと猪木さんが控え室でどんな会話を交わしていたのか。
 幻の「モハメド・アリ対ジャンボ鶴田」計画。
 クーデター未遂事件の真実、、、etc

 「あの日、あの時、あの場所」にいた、渕さんだけが知っていた事実が次々と明かされます。「全日本プロレスひとすじ48年」の渕正信さんによる「全日本プロレス正史」です。

 プロレスファンのみならず、馬場・猪木、鶴田・天龍、長州・藤波・初代タイガーマスク、三沢・川田・小橋・田上など、プロレス中継に見入ったことのある人なら必読です!


全日本プロレス一筋のレジェンドが
初めて語った馬場さん、鶴田さん、そして俺の
一番長く熱かった時代の記憶――。
団体創設50周年記念出版!

■「鶴田友美」といきなり30分スパーリング
■「モハメド・アリ対ジャンボ鶴田」
■「クーデター未遂事件」の真実
■ザ・シークとブッチャーに助けられる
■ラッシャー木村さん「マイク」でモテ期到来
■俺が泣いたのはあの時だけ…馬場さんの絶句
■四天王プロレスはなぜ激しくなったのか
■三沢に詰め寄った「鶴田さん追悼」の違和感
■川田、渕、2人だけの全日本プロレス
■敵地・新日本プロレスに乗り込む…他


<目次>
プロローグ 口外無用の「5分勝負」

第1章 試練の再入門
「鶴田友美」といきなり30分スパーリング
マシオ駒さんから「入門OK」の返事
「俺が帰るまではいてくれ」鶴田さんから激励
ジャイアント馬場さんに「再入門」を直訴
再入門の日に襲い掛かった2つの不運
死を覚悟した「受け身地獄」…他

第2章 道場の青春、そしてクーデター未遂
「ジャンボ鶴田はトレーニングしない」の嘘
ダニー・ホッジに学ぶ「壁への指立て伏せ」
なぜ馬場さんは猪木さんの挑発に乗らなかったか
…他

第3章 「馬場のボーイ」アメリカ武者修行へ
ジャンボ鶴田流効率的トレーニング
テリー・ファンク、トージョー・ヤマモトと
寝不足でも容赦ないカール・ゴッチの指導
幻のゴッチ&ロビンソンのタッグ…他

第4章 飛翔する鶴、昇りゆく龍
「手を抜いている」鶴田さんが抱えていた苦悩
「第3の男」が「昇り龍」になった日
ジャパンプロレス軍団の弱点を見た!
ロード・ウォリアーズに私がキレた理由
「ジャンボ鶴田最強説」はなぜ語られるか…他

第5章 激動のヘビー級戦線
大横綱・輪島さんのプロレスデビュー
「天龍革命」は正直、キツかった。
鶴龍対決、そしてブロディの死
三冠ヘビー級戦線の立役者は誰か

第6章 四天王プロレス激化の裏で
ホープ、三沢光晴の入門
「2代目タイガーマスク」の苦悩
鶴田さんが「四天王」を叩き潰す意義
川田は「倍返し」を食らって輝いた
小橋、田上に与えられた偶然のチャンス
ハンセンが四天王の成長に体を張った理由…他

第7章 二巨星、墜つ
ジャンピングニーの継承
「渕君、モテなくても健康が一番だよ」
馬場さんを最後に見た日
鶴田さんの引退と渡米…他

エピローグ 嗚呼、我が幸福のプロレス人生よ!

 
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