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第4子誕生を控える「爆腕ビッグダディ」KING強介(キングきょうすけ)「 地方で頑張ってきて、辛い思いもしてきた。 すべてをパンチに込めて、KOUMA選手をKOしたい」(REBELS.55 2018年4月27日)

REBELS.55(4月27日、東京・後楽園ホール)

REBELS−MUAYTHAIスーパーバンタム級タイトルマッチ  (WPMFルール、3分5ラウンド)                 王者 KOUMA(WSRフェアテックス荒川)           vs 挑戦者 KING強介(ロイヤルキングス)

PREVIEW         

KING強介インタビュー

「西からREBELSのリングを荒らしに来ました」
 その言葉通り、KING強介(ロイヤルキングス)は前回のREBELS.54で強烈なインパクトを残した。
 REBELS.53で世界2冠王の国崇を破り、勢いに乗る炎出丸に対して、KING強介は序盤から持ち前のハードパンチで攻め立て、2度のダウンを奪って完勝。噂通りのアグレッシブ&爆腕ぶりを山口代表が高く評価し、KOUMAの持つREBELS-MUAYTHAIスーパーバンタム級タイトルの挑戦者にKING強介を指名した。
 王者KOUMAは「KING強介君となら熱い殴り合いが出来る」と胸を高鳴らせているが、参戦2戦目でタイトル挑戦となったKING強介はどんな思いでいるのか。
 連絡を取ったところ、KING強介もまた様々な事情を抱えながら競技を続ける30代のキックボクサーだった。

プロフィール
KING強介(きんぐ・きょうすけ)

所属:ロイヤルキングス
生年月日:1984年6月6日、33歳。兵庫県神戸市出身
身長:163cm、体重:55㎏(試合時)
戦績:28戦14勝(7KO)13敗1分(2018年3月時点)
タイトル:初代ホーストカップバンタム級王者、MA日本バンタム級王者

取材・文 茂田浩司
試合写真 山口裕朗
写真提供 KING強介

仕事をし、練習し、単身赴任中のため家事もする
「すべて試合へのモチベーションにします」

 強気で鳴らすKING強介が、ある日、珍しく自身のツイッターでこんな弱音を吐いた。

<強介次戦レベルス55 vsKOUMA‏ @doublenein
3月26日 1人になると寂しさが襲ってくる だからずっと練習していたい。 #単身赴任 #寂しさが俺を強くする #レベルス55 #レベルスムエタイタイトルマッチ #東京後楽園ホール #5ラウンドまでにどちらかが倒れる #お互いにそう思ってるはず #決め手は恐怖心

 家庭の事情でKING強介は現在、単身赴任中だった。
「嫁さんと3人の子供は嫁さんの実家に帰ってて、僕は一人で神戸で生活しながら仕事して、練習して、っていう生活をしてます。洗濯物が溜まってしまうんですよ(苦笑)。洗って干したら畳まないといけないし、ご飯も全部自分一人でやらなければいけないんで。この生活になって2か月経って、ようやく慣れてきましたけどね」

 子だくさんのにぎやかな家庭から一変、一人きりの生活にはわびしさが漂うが、KING強介にとって「家族」の存在が戦うモチベーションになっている。
「子供は5歳、3歳、1歳で、今年の8月にもう一人生まれてくるんです。『リング上で子供と写真を撮る』って決めてて、上の二人の子とは撮れたんです。去年、鈴木(真彦)戦の会場に一番下の子が来てたんですけど、負けちゃって撮れなかった。下の子と、今度生まれてくる子と、リング上で写真を撮りたい。それは試合へのモチベーションにもなってますし、仕事は大工をやってるんですけど、一生懸命にやってますよ。家族を養っていかないといけないんで。今は、家に帰ってきても一人なんで、仕事して、練習して、疲れ切って帰ってきてそのまま寝るだけの生活です」

 「試合のない時はキャバクラに行ったり、女の子と遊んでる」と公言するKOUMAとは真逆の生活だが、実はKING強介とKOUMAは同い年で、様々な共通点があるのだという。

「KOUMA選手のインタビューを読みました。僕も昔、少しやんちゃはしましたけどKOUMA選手に比べたら全然です(笑)。KOUMA選手は一回道を外れて、よう戻ってきましたね。戻れない人もたくさんいるのに、こっちに戻ってきて、チャンピオンに上り詰めるのもすごいことですよ。しっかりと練習に取り組まないと、通用しない世界ですから。
 KOUMA選手とは年齢も同じ、身長(163cm)も、ファイトスタイルも同じなんですけど、キックを始めたのが遅いのも同じなんです。
 昔から格闘技は大好きだったんですけど、近くにジムがなくて、KING皇兵に出会ってキックを始めたのが26歳。1から教わって、アマチュアを1年ぐらいやって、27歳でデビューしました。
 一人で黙々と練習するのもKOUMA選手と同じです。やるべきことは分かってるので」

 KOUMAのことは、以前から知っていた。
「面白い試合をする選手だな、と思ってチェックしてました。去年、MAでタイトルを防衛した時に『REBELSでKOUMA選手とやりたい』と言ったんですよ。すごいアグレッシブで、ガチャガチャですけど『この選手と試合したら会場をわかせられるな』と思ったんで。
 だから『いつかやりたい』と思ってましたけど、まさかこんなに早く、しかもタイトルマッチでやれるとは思っていなかったです。タイトルマッチまでは、もっと順序を踏むのかなと思ってましたから」

 同い年ながら、全く違う場所で、違う生き方をしてきた二人が、いつしか「コイツと戦えば面白い試合になる」と同じ思いを抱くようになり、まるで吸い寄せられるようにREBELSという戦場にたどり着き、拳を交える。
「KOUMA選手と戦うのは運命だったんでしょうね」

打ち合いはしたくないです。痛いの嫌いなんで(笑)
だけど会場をわかせる試合になるんでしょうね。
KOして、REBELSのベルトを巻きます

 KING強介とKOUMAには共通点が多いが、明らかに違う点もある。それは、KING強介が常にアウェーで戦い続けてきた選手、ということだ。
「試合はいつもアウェーです。僕はKO率は低いですけど(28戦14勝(7KO)13敗1分)、勝った試合は全部ダウンを取っています。逆に言えば、いつもアウェーなんでダウンを取って、しっかりとポイントを取らないと勝てないんです。それで辛い思いもたくさんしてきたんで」

 アウェーでは「判定になれば不利」になるのは否めない。接戦に持ち込まれたらホームの相手側にポイントが付き、その度に涙を呑むことになる。そのため、KING強介は得意のパンチを磨き、倒し方を工夫して「最低でもダウンを奪う戦い」をするうちにタイトルを手に入れ、やがて「西の激闘派」として知られるようになった。

 現在、33歳。守らなければならない家族もいるが、それでもキックボクシングで上を目指す姿勢は変わらない。
「体を動かすのが好きで、キックボクシングが好きなんで、自分が望んだ形でやめたいですね。中途半端に、思いを残してやめるのは嫌なんで。とことん自分がやりたいことをやって、上がりたいリングに上がって、ちょっとぐらい脚光も浴びてみたい。それに、強い選手は一杯いるんで、どれだけ強いのかを戦って知りたいんですよ。
 KOUMA選手は『打ち合い』を望んでますけど、僕は断ろうと思ってます(笑)。痛いのは嫌いなんで(笑)。
 まあ、誰もが予想する通りに、お互いにダメージの残る試合になるでしょうね。ただ、詳しくは言えないんですけど僕も幾つかの作戦を用意してて、パンチで打ち勝てると思ってますね。『タイミング』だけなんです。これ以上は言えませんけど(笑)。
 僕もパンチの強さには自信があります。KOUMA選手とは絶対に会場をわかせる試合になるんで、KOで勝って、REBELSのベルトを取って、次回大会も出たいです。6月6日、誕生日なんですよ(笑)。
 ずっと地方で頑張ってきて、僕のスタイルを山口代表に評価して貰えて、参戦2戦目でタイトルマッチをやらせて貰うのは嬉しいですし、今、すごくモチベーションが上がってます。
 必ず熱くて、面白い試合をするので、応援してください」


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REBELS公式ホームページ
http://rebels.jp


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