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転機には、「ひとりで、みんなと」いれたらいい。絶賛”さないでいる”僕が考える、転機の味わいかた

僕は絶賛さないでいる。

こいつはなにを言ってるのか、と思ったかもしれません。そりゃそうです。「さないでいる」というのは造語。僕が思いついちゃった言葉です(てへぺろ)。

さなぐ
【意味】人が変化の途中で、ある状況にとどまり思索を深めること。
【由来】蛹。昆虫が、幼虫から成虫になる途中で、食物をとらず、脱皮して静止状態にある段階。
【用例】
「30歳の頃は僕もそこそこさないでいたよ」
「彼女はさなぐことで天職を見つけた」

どうでしょう、これ。これまで同じような状況を「潜っている」「モラトリアムな状況にいる」とか言ってたのだけど、どこかネガティブな印象があって。

その点、「さなぐ」はどこか前向きだし、見かけは静的だけど実はなかではドラスティックな変化が起きている感じがして、なかなかいい言葉だと思うんです。


転機の3段階

人生のなかでは、「さなぐ」時期があります。転職先が決まる前の時期とか、結婚しようかどうしようか迷っている時期とか。

そんな時期を、キャリア理論では「トランジション(transition)」といいます。日本語でいえば「転機」ですね。

「転機」は正直けっこうしんどい時期ではあります。なぜなら、それまでの自分の価値観や考え方がゆさぶられ、未来の価値観や考え方に変わりつつある、宙ぶらりんの時期だから。

この時期はしんどいがゆえに「早く抜け出したい!」と思ってしまいがちです。しかし、そうするとちゃんと過去の自分から未来の自分へと変化することができません。

このトランジションに関する理論で代表的なのが、ウィリアム・ブリッジズ氏が提唱した「トランジション理論」。その理論では、転機は「終わり」「ニュートラルゾーン」「はじまり」の3段階であらわされています。

特に注目すべきなのが、「終わり→はじまり」ではなく、その間に「ニュートラルゾーン」という期間がある点。ブリッジズ氏は、ニュートラルゾーンという日常生活における一連の活動からの猶予期間を経験することで、自己変容のための内的な活動に取り組むことができると述べました。

つまり、転機のタイミングではしっかり自分と向き合うことが大事、ということですね。

転機に自分と向き合う6つのアクション

具体的には、次のような6つのアクションをブリッジズ氏はすすめています。

・1人になれる特定の時間と場所を確保する
・ニュートラルゾーンの体験の記録を付ける
・自叙伝を書くために、ひと休みする
・この機会に、本当にやりたいことを見いだす
・もしいま死んだら、心残りは何かを考える
・数日間、あなたなりの通過儀礼を体験する

詳しくはこちらの記事にまとまっているので、興味があれば。↓)

こうした方法を通じて、しっかり自分と向き合ってこそ、冒頭の言葉で言えばしっかり「さないで」こそ、人生の次のフェーズへ一歩を踏み出せるのです。


転機には、「ひとりで、みんなと」いれたらいい。

とはいえ、です。今まさに「さないで」いる僕からしたら、さなぐのけっこうしんどい。

そんなしんどい、不安定な時期を乗り越えるための「不安定なことへの耐性」は、周りの人との関係性によってつくられると思っています。

以前のnoteでもまとめたように、北欧で行われている対話の手法「オープンダイアローグ」では、対話を通じて愛のある関係性がつくることで、「不安定なことへの耐性」をうむことが一つのポイントになっているようです。

そう考えると、転機においては「ひとりで自分自身と向き合うこと」と、「対話を通じて他者とあたたかい関係性をつくり、維持すること」とを行き来することが必要なのじゃないかな。

逆説的だけれど、ひとりでいることができるのは、みんながいる、という安心感があるからこそなんだと思います。


今日は「さなぐこと」についてお話ししました。

さっきいったみたいに、転機には、「ひとりで、みんなと」いれたらいいんだろうなと思います。だから「さなぐ」という言葉には、「ひとりで、みんなと」という意味も込めているんです。(今思いついたのだけどね。)

僕もさないでいるけど、他にも今さないでいる人、けっこういると思うんだよなー。今はしんどいけど、中島みゆきも「あんな時代もあったねと いつか笑って話せるわ」といってるし。いつか一緒に笑える日がきたらいいですな。


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