「べてるな家族会議」から考えた、「家族の民主化」のこと

みなさんの家族は、民主的ですか?


とつぜんの問いかけ、失礼しました。でも、これ、大切な問いだと思うのです。


家族会議とは?

この言葉に触れたのは、先日参加した「べてるの家の当事者研究実践講座in町田『Let's 家族会議!』」でのこと。

北海道浦河町にある精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点「べてるの家」で「当事者研究」の実践に寄り添ってきた向谷地生良さんと、ご自身の家庭で「当事者研究」のエッセンスを応用した家族会議を実践している江連麻紀さんのお話を聞き、江連家の模擬家族会議ものぞけちゃう、という贅沢なイベントでした。

ちなみに「家族会議」に決まったルールや方法があるわけではありません

江連家のみなさんも、当事者研究のエッセンスを用いながら、「困りごとがないんならやらなくていい」「弱さの情報公開は無理にしすぎず、できたところまででいい」と、自分たちにあった方法にチューニングしているみたいです。

(ちなみに、いろんな家族会議のカタチを紹介する連載が、東洋経済オンラインで公開されています。興味ある方はぜひご覧ください。松尾夫妻とか岡野夫妻とか、僕の知り合いも紹介されていて嬉しい笑)


「家族の民主化」

そのイベントの中で特に「うわ、これめっちゃいい言葉だ」と思ったのが、「家族の民主化」という言葉。

家族会議は、「家族の民主化」につながるものだというのですね。

その言葉について深く説明があったわけではないので、ここからは僕の解釈なのですが、ここでいう「民主的」というのは、「自分の悩みごとについて声を発することができて、他のメンバーもそれに耳を傾け、対話をすることができる」という意味だろうなと。

実際に江連家の模擬家族会議を見ると、「民主的」であるということがどういうことなのかがスッを腹落ちしました。

ホワイトボードに向かって半円状にイスを並べ、家族のメンバーがある困りごと(たとえば「じこチュウとの付き合い方」「ケンカの研究」「怖い人からの逃げ方」など)について自由に対話します。

これは当事者研究で大切にされていることですが、「人」と「問題」を分けて、その「問題」をホワイトボードに書いてみんなで眺めながら、「じこチュウって、どんなときになるの?」「じこチュウさんってどんな顔してるの?」とか、そのテーマを一緒に研究していくんですね(あ、この日話されたテーマは別のものだったので、これはたぶんそうだろうという僕の妄想です笑)。

そのとき、「誰が言ったか」ということではその発言の正しさは判断されません。小学6年生でも、お父さんでも、おばあちゃんでも、その意見は尊重されます。

こうした、

自分の悩みごとについて声を発することができて、
他のメンバーもそれに耳を傾け、
対話をすることができる

空間って、実は家族の中でもなかなか持つことができていないんじゃないかなぁ。と思うのです。(すくなくとも僕の家族ではなかった。)

ある家族では、お母さんのいうことが絶対で、お父さんや子どもは反論できない。
ある家族では、ほとんど対話がなく、お互いがなにを考えているのかわからない。
ある家族では、お父さんが自分の弱さを家族に見せることができず、実はちょっとしんどい思いをしている。

そんな家族も、多いのではないかと思います。

だからこそ、「家族の民主化」のきっかけになる家族会議は、とても意義があると思うのです。


新しい家族のカタチと家族会議

今日は「家族会議って、家族の民主化のきっかけになるんじゃない?」というお話をしました。

こむずかしい話ですけれど、近代家族が担ってきた大きな役割が「ケア」です。つまり、病気になってしまったり生きづらさを抱えてしまったときに、サポートできる場であるということ。

近代家族というカタチが少しずつほどけ、拡張家族やシェアハウスなど、家族が多様化する中で、誰がそうしたケアを担うのか、という問題があります。

もし新しい家族のカタチが、そうしたケアの領域まで担う(それはちょっと重いわ、ってことももちろんあるだろうけど)のであれば、お互いの弱さを公開しあってそれについて対話を重ねるという家族会議は、そのケアの可能性をひらくのかもしれません。



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山中康司

家族の風景

あたらしい家族のかたちについて考えるマガジンです。

コメント1件

自分の子どもの頃を振り返ると、食卓での会話がなくさみしかったので、いま、子どもとは、そういう時間を意識してとっています。心理的に安全な場所である事、弱さも悩みも葛藤も分かち合える事、その体験の蓄積が彼らが大人になる過程で人の弱さや痛みにも寄り添える人になると信じて日々実験です。 またお話を聞かせてください〜^^
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