2年越しのお礼参り
都会ではランドセルを背負った子供たちがバスや電車で通学する光景をたびたび目にする。私が二年前にようやく使うようになったICカード、いまだにピッとすると少し嬉しくなるICカードを彼らは息をするように使う。都会で生きていることを感じる瞬間である。
田舎者にとって、電車通学はちょっとした憧れだ。私も電車通学のために街の高校を志望していたが、中学生の後半にあらゆることにつまずき、当然のごとく勉強にもつまずき、電車通学は夢と散った。私の園児、児童、生徒、学生の生活はすべて町内で完結した