憧れの線香花火を、捨てた。

去年の夏のことでした。
あんなに探し回って手に入れた線香花火だったけど、捨てた。

さかのぼること、2年前。おととしの夏。

当時、お付き合いするかしないか微妙なラインで仲良くしている方がいました。向こうの好意はありがたいなあと思いながらも、あんまり本気で好きになれない自分がいて。でも間違いなく「良い人」だし時間をかければ仲良くなれるはずだと思って、かれこれ半年以上、ずるずると会っていました。

でもやっぱり、そんな気持ちだから、心開けるわけないんですよね。

夏の終わりごろ、向こうの気持ちも終わりかけているころ。
わたしの気持ちは始まってもいなかったのに、手元から離れていきそうだと察した途端、なんだか無性に惜しくなってしまって、会う約束を取り付けました。

その時に持って行ったのが、線香花火。

筒井時正玩具花火製造所という、福岡にある花火屋さんの、希少な国産線香花火です。子どものころ、よく大人たちが「最近の線香花火はみんなすぐ消えちゃうよね」と言っていたのですが、ここの花火は昔ながらの上質な線香花火だから長く花火を楽しめるのが特徴。だから、一回遊んでみたいと思っていて、ふとそれを思い出したのです。

もう夏も終盤だったので、心当たりのお店は軒並み完売状態でした。

なぜでしょうか、そうなると諦めつかなくなってくるというか、もはやこの線香花火さえあれば、関係を立て直せる気さえしてきてしまって。
何軒か雑貨屋さんを巡り、ようやく手に入れて、これで大丈夫だ!と安心してデートの当日をむかえました。

結局ね、大丈夫ではなかったんです。そもそも相手が線香花火に興味を持たなかったし、なんなら夜からまさかの小雨で、全然花火をする空気感に持ち込めませんでした。

「せっかく買ってくれたのにごめんね、その分支払うよ」

帰り際のこの一言は優しさだったのかもしれないけど、わたしにとっては何も響かないし、何も面白くない。その後しばらく連絡していたけど、もうどうでもよくなってしまって、彼と会ったのはそれっきりです。



その花火が棚の中から出てきたのが、去年の夏。
いろいろ思い出しちゃったし、これはもうしけてるだろうと思って、ぽいっと捨てました。

そしてその1年後の今。
筒井時正さんのホームページを見たらこうありました。

ワインと同様、線香花火も「熟成」によって味わいが深まります。
時を経た線香花火は、どこかやわらかく、温かみのある火花を散らします。
購入時のパッケージに入れ、湿気のない場所で保存してください。
お手元の線香花火を残しておき、翌年の楽しみにするのも一興です。

そっか、捨てずに取っておいたらよかったですね。たしかに一瞬やってみようかな、とも思ったのですが、なんだかそんな気持ちになれなくて。もったいないことをしました。

そうだね、いろいろ、もったいなかったな。

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このお話しは、#はあちゅうサロン ブロガー部の企画「よいどん!テーマブログ」に合わせて書いたものです。今回のテーマは「花火」。楽しい記憶を思い起こしたかったのに、一番最初に思い浮かんだのがこの話だったので、書いてみたものの…自分の面倒な部分をあぶり出す結果となってしまいました。まあいっか!そんなこともあるよね。

ぜひ他の参加者のブログも見てみてくださいね◎
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こけちゃん

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