見るドラッグ「ホーリー・マウンテン」

僕の大好きな映画監督アレハンドロ・ホドロフスキー氏。彼の魅力についてなら何時間でも語れる自信はあるがタイピングする指が疲れるので割愛。

チリ出身の映画監督。1970年に代表作「エル・トポ」を発表。カルト映画の開祖にして金字塔との評価を不動のものとする。続く「ホーリー・マウンテン」は1973年11月から1975年4月まで続くロングランを達成した。(wikiより)

監督インタビューには全裸で臨んだり、最近では一般参加者100名と坐禅会を開いたりと結構頭がぶっ飛んでいる。(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140426-00000025-flix-movi) これ、僕も参加したかった…。

彼の代表作「エル・トポ」は一度なら耳にしたことがあるのでは?
(※naverでまとめられていたので気になる方は⇒ http://matome.naver.jp/odai/2139148745298818601)

今日はそんな彼の3作目「ホーリーマウンテン」を紹介したいと思う。
タイトルにも書いたが本当に「見るドラッグ」と形容される。

この類の映画のはしりって80年代前半に巻きおこった、アンダーグラウンドで人気を得ていたクローネンバーグの「ビデオドローム」(http://blogs.yahoo.co.jp/gh_jimaku/25110056.html) あたりがきっかけだったと思うんだけど…


感想はこう。
「な…何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…映像美だとか背景描写だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえもっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…」

冗談はさておき、今まで見た僕の中の映画の常識を覆した。

だってこのジャケからしてヤバくないっすか?!

キリスト、タロットカード、坊さん、なんか便に人が入ってるし!
宗教的映画?SF?または幻覚世界?もうなにがなんだか分からない超カオティック!

で、中身。ストーリーは一応あるんだけど…
>>キリストを思わせる風貌の半裸の男が、磔になっているところを小人に助けられる。町でイケイケなおねーちゃん軍団とすれ違い、その中の猿を抱いた女が彼に心ひかれる。大量なカエルの見せ物のあと彼は捕らえられそうになって、町中に立っている巨大な塔によじ登って逃亡。その塔の中で錬金術師と出会い、選ばれた 8人の男女とともに、不老不死の世界を支配する賢者が住むという「聖なる山」への旅に出る。その道中、猿と一緒の女が、男をずっと追っていく…

でも、正直ストーリーはこの際、どーでもいいの。どーでもよくなってくるんですよ。
バラバラなピースでそれぞれのエピソードと、その映像のインパクト、世界観の濃厚さに、「すっげー」と口をアングリあけて、笑っちゃえばいいんです!


とくに、太陽系の惑星に守護された7人の人物のエピソードが傑作。
子供を楽しませるピエロが、化粧を落とすと女王的な女社長となり、世界各地で起こる戦争やクーデターを予測して、15年後なんの躊躇もなく予想敵国の人間を殺せるオトナになる刷り込み効果をしたおもちゃや日用品を開発しているとか。
古代ローマ世界を彷彿させる世界で、戦士の姿をした警察署長が少年の睾丸をハサミで切断し、ついに1000個めの睾丸が集まったと喜び、半裸の少年らに囲まれて崇め讃えられているとか。
こんな悪の業を極めたような人間が次々と登場。

メキシコ映画史上最大の150万ドルの制作費で、こんなヤバい内容のアンダーグラウンド・ムービーを作ったことが、後にも先にも奇跡と呼べるかも。

※ここからネタバレ注意!!!!!!!!

やたら狂喜乱舞の展開が、「聖なる山」への旅にいたると、突然登山ドキュメンタリーみたいになってくるんですよ。それも笑いどころ。そして物議を醸し出すラストシーン。カメラがズームバックされて…
それもアリでしょうって思ったけど、人によっては「無責任!」「バカにするな!」と怒っちゃう人もいるようで。

どんなに現実に目を向けて生きろって言われても、あんたたちと僕らとじゃ、絶対同じ現実じゃない、と思うからいいんじゃない?なんて思いました。
いや、もしかしたら、同じ現実なのかな…。

ざーっと書いてきましたがこんな感じです!笑

そんな監督の新作「リアリティのダンス」が今年7月に日本で公開されます!(http://www.uplink.co.jp/dance/) こちら超期待作!
そしてなんと今日は都内某所とある映画館にて24:00-舞台挨拶があるのです!本当に!本当に!行きたかった!!!

アレハンドロ・ホドロフスキー万歳!!!














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