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牛丼チェーン業界の経営分析と今後 #20代マーケピザ 養成所オンライン

こんにちは!koです!
20代マーケピザ養成所に9月にジョインして、初の課題!
自分が日頃からお世話になっている牛丼チェーンの業界分析を行いました!

1.業界選定理由

①家の近くにすき家、会社の近くに吉野家・松屋ということで、便利で週3食以上は食べているから!
②頻繁に新しい味をリリースしている印象のある牛丼チェーン、それぞれの会社の方針が、純粋に気になったため
③少子化による日本人人口減少と、流入による外国人人口増加という状況に対しての各社の方針が気になったため

上記3つの理由から、業界の分析と今後を考察することにしました!
ちなみに、自分は吉野家派です!味もそうですが、15時以降はお替り自由というのが最高!

2.ざっくり各社の全体数値感

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ゼンショーHDは、小売事業・レストラン事業など牛丼事業以外も入っているので、売上が大きく出てしまっている(これ以降は、牛丼事業のみにフォーカス)。
目につくのは、吉野家HDの営業利益・純利益の低さとPERの異常な高さ。
吉野家HDと比較して、松屋フーズHD時価総額過小評価なのか、それとも吉野家HDの時価総額が過大評価なのか。。。
以下では、2020年2or3月期第1四半期決算から主に分析していきます!

3.<企業分析>業界第1位:すき家(今回は、ゼンショーHDの牛丼事業のみ)

2020年3月期第1四半期売上高は532億1300万円(YoY+5%
店舗数は43店舗の出店と6店舗の退店により、2,928店舗
店舗当たりの売上は1,817万円となる。

2019年3月期第1四半期売上高は506億7400万円、店舗数は2,817店舗となっているので、店舗当たりの売上は1,798万円となっているので
店舗あたりの売上のYoYは+1.02%となっている。

牛丼チェーン業界では、店舗あたりの売上=来店客数×客単価となるはずだが、前述の情報だけだと来店客数の増加によるものなのか、客単価の増加によるものなのか判断がつかない。。。。

「すき家de健康」をテーマとして、「シーザーレタス牛丼」(並盛税込500円)、「辛口トマレタ牛丼」(並盛税込500円)等を導入し、商品力の強化に取り組んでまいりました。今後ともお客様に愛される店舗づくりを目指すとともに、安全でおいしい商品を安心して召し上がっていただけるよう、さらなる品質管理の徹底と店舗水準の向上に努めてまいります。

と2020年3月期第1四半期決算短信にあるが、来店客数あるいは客単価の増加、どちらにフォーカスしているのか。

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2019年3月期の実績で、売上高の96.906%を原価と販管費が占めている。
原価を削減することは難しいため、販管費(特に店舗のオペレーション)の改善が必須となることが想定される。

2019年度決算説明資料には、

国内既存店売上増加と海外店の新規出店により、売上拡大を目指す

とあるため、自分の想定した「販管費の削減」ではなく、既存店舗の売上拡大(来客数増加&客単価増加)と海外店舗の新規出店に重点を置いておくよう。販管費もすでに絞りすぎて、絞りきった雑巾をさらに絞るような状態なのかもしれないです。。。

4.<企業分析>業界第2位:吉野家HD

2020年2月期第1四半期売上高は266億5600万円(YoY+7%
店舗数は14店舗の出店と8店舗の退店により、1,216店舗
店舗当たりの売上は2,192万円となる。

2019年3月期第1四半期売上高は249億900万円、店舗数は1,200店舗となっているので、店舗当たりの売上は2,075万円となっているので
店舗あたりの売上のYoYは+5.61%となっている。

すき家と比較した場合、四半期売上のYoYは+2%高く、また店舗あたりの売上についても20.6%も高くなっています。これは、創業120周年の記念施策による来店頻度向上(来店客数の増加)と超特盛の導入による客単価の増加が功を奏していると推察されます。

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ただ、2019年2月期決算資料の上記情報から、原材料の高騰と人件費の高騰により、利益率が限りなく0%に近い状況になっています。ゼンショーHD同様、来店客数の増加・客単価の増加を進めていくとともに、販管費を削減する方法を模索していく必要がありそうです。

そういった中で吉野家では

・キャッシュアンドキャリー店舗
・ジグソーカウンター店舗

の2つの形態への店舗転換を進めています。

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敷地面積の狭い店舗の快適性を向上させ、来店客数の増加を狙うとともに、労働者の生産性向上と働きやすさ向上を狙った施策とのことです。2020年2月第2四半期、第3四半期と見ていく中で、効果を検証していく必要がありそうです!

5.<企業分析>業界第3位:松屋フーズHD

2020年2月期第1四半期売上高は266億5600万円(YoY+8.2%
店舗数は10店舗の出店と6店舗の退店により、1,185店舗
店舗当たりの売上は2,155万円となる。

2019年3月期第1四半期売上高は236億800万円、店舗数は1,138店舗となっているので、店舗当たりの売上は2,074万円となっているので
店舗あたりの売上のYoYは+3.90%となっている。

すき家と比較すると店舗あたりの売上が18.6%高い一方、吉野家と比較すると1.7%低くなっています。またYoYは+3.9%となり、すき家以上吉野家以下という状況です!四半期売上のYoYに関しては3社の中で最も高く、+8.2%となっています。この結果は、創業祭コンテンツの一つである過去人気商品の復刻版の発売と、twitterにおける企画「Twitter松屋ボツメニュー裏総選挙」のバズによる来店者増加によるものかと推察されます。

2020年3月期第1四半期決算説明資料にも

2018年6月に開催いたしました‟松屋復刻メニュー総選挙2018”のスピンオフ企画である“Twitter松屋ボツメニュー裏総選挙”において1位となりました「焼き牛めし」の販売

と記載がある通り、3社の中で唯一Twitter等を用いたSNSに重点を置いた施策を実施し、それが功を奏したと思われます。

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2019年3月決算資料からですが、売上高の内売上原価と販管費で96%を占めています。ただ、松屋フーズHDに関しては他社2社と違い、決算資料でFLコスト(売上原価と人件費の合計)について「重視すべき指標」と位置づけられており、改善に注力していることが伺えます。
2020年3月期第1四半期決算資料にも、

売上原価につきましては、原価率が前年同期の32.7%から32.6%とほぼ同水準となりました。販売費及び一般管理費につきましては、売上高に対する比率が前年同期の64.1%から62.4%と改善いたしました。

と記載がありました。

松屋HDの決算説明資料は、FLコストについてもしっかり触れられており、他社2社と比較すると、売上原価と人件費を重視していると推察できる。他社2社と同様、来店客数の増加・客単価の増加を進めていくとともに、販管費を削減する方法を模索していく必要がありそうです。

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松屋フーズHDの方針としては、引き続き新規出店に注力していくとともに、上記「平成ビビン丼VS新ビビン丼」のようなSNSを用いた企画を行い、来店者増加を狙っていくように推察できます。

6.<まとめ>

3.4.5での各企業分析を下記の図のようにまとめました!

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水色が各項目の最高値、赤色が各項目での最低値を示しています。こう見ると、すき家は3社の中で最低値が多いので、新規出店等での来店者増加・客単価の増加に努めるとともに、販管費の削減を行なっていく必要がありそうです。。。

6.新規参入する場合、自分ならどうするか?

牛丼チェーンの各企業を分析する中で思ったことは、売上原価(主に原材料)と販管費(人件費など)が95%以上を占めている業界であるということ。勝機は、それらをいかに削減しつつ売上を高められるかではないかと思いました。ただ、売上原価を下げるのには限界がある&外部要因も大きいと考え、販管費を下げる方法を考えました。
その方法として、Uber Eatsをメインとして用いた「牛丼調理チェーン店」。現状「牛丼=すき家、吉野家、松屋」という固定観念があり、それを覆すことは困難だと思うので、それらを「少し低価格or何かが+α」されて購入でき、家に届くお店を作るのはどうかと思いました。

7.終わりに

人生で初めて、同業界の会社の決算書を見比べて業界分析してみましたが、楽しくすすめることができました!その一方で、各社は「来店客数×客単価のどちらを上げるのに注力していくのがベストか?」などをもっと踏み込んで分析して行きたかったというのが本音のところです。もし、こういう方法を使えば、そこに踏み込めるよ!というのがあれば、ぜひ教えていただきたいです!よろしくお願いいたします!

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