Koki Shimizu

プログラマ、スクラムマスター、アジャイルコーチ、CTC(Certified Team …

Koki Shimizu

プログラマ、スクラムマスター、アジャイルコーチ、CTC(Certified Team Coach)、ORSCC、サーファー、サッカーのゴールキーパー、3児の父

マガジン

最近の記事

意図的な協働関係をグループ・チーム自身で検討する(Designed Team Alliance (DTA))

現代において、何かコトを成し遂げようとする時、一人ではできないことがほとんどだと思います。二人以上の人間が関わるとき、そこには何らかの関係性が生じます。その関係性の良し悪しによっては、いかに素晴らしいアイディアがあったとしても、それが形になる可能性は低くなってしまうかもしれません。 夫婦でも、カップルでも、友達でも、部活のチームでも、学校のクラスでも、意図的にどんな関係性を持っていきたいか、語り合うという場は、なかなか無いのではないでしょうか。このような場を意図的に持ち、誰

    • アジャイルマニフェストの真意(Craig Larmanより)

      アジャイルマニフェストの真意アジャイルソフトウェア開発宣言は、4つの価値と12の原則からなります。 これらの価値、原則の根本にあるものを、Craig Larmanは「謙虚さ」であると言いました。 Craig Larmanは、このアジャイルマニフェストを作成するミーティングに、呼ばれていたが行けなかった人の一人です。アジャイルソフトウェア開発宣言がなかったころ、スクラムやXPは存在していました。彼らは、それらを総称する言葉が欲しかったのです。巷では、「軽量開発メソッド」と呼ばれ

      • 社会建築家としてのスクラムマスター

        0. YESの言葉から始めよう!本記事では、ピーター・ブロックのYESの言葉から始めよう!という書籍から、 コミットメントを取り戻すために 社会建築家とはなにか で重要な部分を抜粋し、自分にとって意味のある、価値のある仕事をするには何が必要なのか、そのために社会建築家というアーキタイプはなぜ必要なのか、社会建築家とスクラムマスターの共通点を探究しようと思います。 この本は、タイトルがもったいないというか。基本的には組織論を語っています。目の前の利益だけではなく、自分たち

        • スクラムマスターのORSC®(システムコーチング)の活用方法〜優れたスクラムマスターになるため〜

          最近、システムコーチング®を学ぶスクラムマスターの方やアジャイルコーチの方が増えてきましたので、アジャイルな現場でのORSC®活用方法を記事にしてみました。 もしよければご参照頂ければと思います。(Google Documentで記載したのですが良いWeb公開方法がよくわからず、一旦以下のような形で公開しています)

        意図的な協働関係をグループ・チーム自身で検討する(Designed Team Alliance (DTA))

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        • スクラム
          13本

        記事

          Scrumにおける「コミットメント」の意味

          Scrumは5つの価値基準(コミットメント、勇気、フォーカス、オープンネス、リスペクト)があり、それらをチームメンバーが大切にすることによって、Scrumの価値は最大化されるとあります。 そのうちの一つ、コミットメント(Commitment)について、誤解しているチームが多いです。 Scrumの生みの親の1人である、Kenは、コミットメントについて以下のように語っています。 つまり、Commitmentは、「何が何でも達成すべき約束事項」という意味ではないのです。Ken

          Scrumにおける「コミットメント」の意味

          心理的安全性とは何か

           「恐れのない組織」を読みました。「チームが機能するとはどういうことか」の著者の最新作のようです。この本は、心理的安全性(Pyschological Safety)について何か、何ではないのかを明確に記されています。ここでは、恐れのない組織の冒頭に記載されている、心理的安全性とは何か、その誤解を抜粋して記します。 心理的安全性とは 心理的安全性とは、「みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化」のこと。  心理的安全性は、単なる職場の個性ではなく、リー

          心理的安全性とは何か

          組織論とニューサイエンス〜自己組織化に必要なもの〜

           リーダーシップとニューサイエンスを読み、自己組織化に対して思うことがありましたので、シェアします。かなり難解な本であり、途中で挫折する方もいらっしゃると思いましたので、エッセンスをまとめました。 組織論として具体的な実装方法は書かれていない  本書は、組織論的に、具体的にどうするということは書かれていません。ニューサイエンスから新たな組織論が導けるのではないかと主張しています。 この本からエッセンスを抜き出すとすると、以下になります。 ・ニューサイエンスとは、量子の時

          組織論とニューサイエンス〜自己組織化に必要なもの〜

          本当のスプリントレビュー

          スクラムの3原則、透明性・検査・適応のすべての要素を兼ね備えているスプリントレビューですが、適切にスプリントレビューが行われていないチームを多々みてきました。適切なスプリントレビューとは何か、どのようにすれば効果的で楽しくスプリントレビューができるのかを探求してみたいと思います。 WHAT:スプリントレビューは何をレビューする?スプリントレビューは、Potentially Shippable Product Incrementをレビューする場です。これはソフトウェア開発であ

          本当のスプリントレビュー

          とあるアジャイルの役に立つリスト

          アジャイルソフトウェア開発宣言は、4つの価値とその背後にある12の原則から成り立ちますが、技術プラクティスや組織的な原則がごっちゃになってわかりづらいです。そこで以下のように再定義する、とバートランドメイヤーさんが書いています。なかなかシンプルでわかりやすいなと思ったので、載せてみました。 Agile Principle(アジャイルの原則) 組織的 1. 顧客を中心に置く 2. チームを自己組織化する 3.持続可能なペースで働く 4.最小限のソフトウェアを開発する   4-

          とあるアジャイルの役に立つリスト

          スクラムマスターの真の役割

          最近はよくスクラムについてのレクチャーを実施させて頂いたりするのですが、スクラムマスターの役割について聞かれることがしばしばあります。 スクラムマスターの役割は、スクラムガイドには記載されていますが、私は実際このガイドの書き方では、インパクトが足りていないと考えています。 スクラムマスターの真の役割は、 『1スプリントでチームが『出荷可能な製品(Shippable Product Increment)』を作り、フィードバックサイクルを回せるようになる状態にする』 ことだと

          スクラムマスターの真の役割

          LeSS(Large Scale Scrum)の実践手引

           Scrumは、基本的に1チームを前提に定義されています。Scrumを組織や会社全体(数十名~数千名規模)にスケールするには、ちょっとした工夫が必要です。私自身は、それぞれ60名、120名の組織でしか、LeSSを実践したことがありませんが、それでも「経験したことがある」ことは強みになると思います。ここではLeSSを実践するためのポイントと注意点をまとめました。 LeSS is Scrum !! LeSSはScrumの上に成り立つフレームワークです。まずは1チームのScrum

          LeSS(Large Scale Scrum)の実践手引

          プロダクトバックログリファインメントの進め方

           スクラムで、軽視されがちなプロダクトバックログリファインメント。このセレモニーは非常に重要です。よく、スクラムをはじめると、見通しが見えなくなる、中長期の計画がわかりづらい、などと言われることがありますが、そのようなケースはプロダクトバックログリファインメントを適切に行っていないケースが多いようです。 プロダクトバックログリファインメントの目的 プロダクトバックログリファインメントの目的は、少なくともプロダクトオーナーと開発チームが、直近2~3スプリント分で開発チームがと

          プロダクトバックログリファインメントの進め方

          完了の定義(Definition of Done)の作り方

           スクラムにおいてプロダクトバックログと並び非常に重要なのは、完了の定義(Definition of Done)です。完了の定義を洗い出し、合意することでわかってくることがあります。また、完了の定義をきちんと決めることによって、スクラムを厳しい規制開発環境下でも活用可能かが変わってきます(例えばFDA認可プロダクトや、ISO*****が必要なプロダクト)。また、そのプロダクトにスクラムが適用可能かどうかもわかってきます。4週間を超えるスプリント期間がどうあがいても必要だったり

          完了の定義(Definition of Done)の作り方

          プロダクトバックログの作り方

           スクラムにおいてプロダクトバックログは非常に重要です。プロダクトバックログが頻繁にメンテナンスされているか否か、プロダクトバックログが見える化されているか、プロダクトバックログを中心に、ステークホルダー、プロダクトオーナー、開発チームが十分にコミュニケーションを取れているかどうかで、うまく開発ができているかがわかります。ではプロダクトバックログを作るには何が必要でしょうか。 プロダクトビジョンを考え、プロダクトオーナーを決め(順番は逆でも良いです)プロダクトバックログを作り

          プロダクトバックログの作り方

          スクラムにおける3つの役割

          スクラムの3つの役割(ロール)スクラムには、3つの役割(ロール)があります。逆に言うと、3つしかありません。この役割が非常に重要です(色々と難しい用語が出てきますが、用語一覧にて解説しますので適宜参照してください(作成中・・・))プロダクトオーナー、開発チーム、スクラムマスターという3つの役割です。この3つをすべて含めて、スクラムチームと呼びます。 役割毎の責任 ・プロダクトオーナー(Product Owner/PO) ・・・ プロダクトバックログを管理し、優先順位を決める

          スクラムにおける3つの役割

          スクラム

          こんにちは。私はアジャイルコーチをやっている清水と申します。ここ5年ほどスクラムマスターとして活動してきて、大企業とベンチャー両方経験してきました。ベンチャーは、ハードウェア領域も含むベンチャーでした。そこでスクラム(正確にはLeSS(Lerge Scale Scrum)を実践してきました。スクラムは色々な領域に適用可能であることをまざまざと実感し、そのことを皆様にお伝えしたいと思い、記事を書くことにしました。 スクラムとはスクラムとは、チームの現状を把握するためのフレーム

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