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主観を築かせる住宅。



今回は、今ぼくの中に最も強くある、
「主観を築く」ということについて、
3つの住宅の設計課題を通して、
共有させていただきたいと思います。


それではさっそく、、、。


まず初めに、「主観を築く」ということは
どういうことなのか。


人はそれぞれ「主観」を持っています。


主観とは、私はこう思う、私はこうしたい、
などというように、「私」という主に軸を置いて
物事を捉え、意思を持つことです。


皆さんの中にも存在するものだと思います。


そのような中で、なぜこれほどに
「主観を築く」ということを重視したいと
考えるのかというと、


ぼく自身含め、人の中にある主観は、
確実に客観に影響を受けて築かれたものである
感じているからです。


前回、「ファッション」をもとに
主観について文章を書かせていただいたように、


私が着たいと思う意思の裏には、
どこかのだれかによって操作された
ファッション、流行という概念が存在し、

そこに生まれる主観というものは、
客観的な操作の施された主観であると考えます。


ようは、私の意思だと思っているその主観は、
どこかのだれかに操作されて生まれたもの。


このことは「洋服を着る」ということに限らず、

生きていく上で構成される、主観というものは、
これまで生きてきた時間の中で
良くも悪くもどこかのだれかに影響を受けて構成されたもの
なのだと考えます。


例えば家族。

例えばパートナー。

そして、自分が生まれ育ったこの国の常識。
社会の中にある「当たり前」という常識。


そのような、影響を受けざるを得ない環境の中、
僕たちは「主観」というものを築き上げてきました。


現代の日本の社会における「当たり前」。


人を傷つけてはいけない、ということも、
いじめや暴力は悪だ、ということも、
戦争やテロに対する恐怖も。


これらの当たり前は、
現代の日本の社会にであるからこその
「当たり前」であるとも言えます。


現に日本でも、数十年前には戦争は
当たり前のように起きていました。


自国の利益のために、多くの人々の命を奪い、
国のために命を捨てることは、
善であると、考えられていました。


「当たり前」は、時代が変わると同時に
大きくも、小さくも変化し続けるものです。


「当たり前」という常識は、
人々の救いとなることもあると同時に、
人々の意思を奪う、圧倒的な権力と
なることもある。


そんな時にぼくは、
どこかのだれかに操作された客観性を伴う主観ではなく、
ぼくが、ぼく自身の意思を強く認識したうえで生まれる、
主的な主観というものが、現代の日本の社会では
特に大切になってくるのではないかと感じています。


というよりも、ぼく自身がぼくという一人の人間の意思を
常に認識した上で生きていきたいという思いが
強く存在しているだけなのかもしれません。


かの有名な哲学者、数学者であるデカルトが
自署である方法序説で記した、

「我思う、ゆえに我あり」

という命題があります。


私たちにとっての善は、
神にとっての善である。


というような、
神や宗教という存在が善悪の基準ともなっていた
古代、中世における哲学の流れから、


デカルトは、神ではなく、
人間そのものに善悪の判断基準が
存在しているのではないかと、

人間という生き物そのものに
理性というものが存在しているのではないか
提唱した哲学者でもあります。


今私の中にある感情や意思が、
神や悪魔によって操作されているものだとしても、
今、このことを考えていること自体は、
私が考えていることであり、

私という個人は存在しているのだ。

私という個人、意思は存在しているのだ、と。


現代の社会では、神や宗教というものは
それほど強く認識されているわけではなく、
特に日本においては「宗教」に対する
信仰は浅く、それらのものに縛られるということ自体が
理解しがたいことなのかもしれません。


それは同時に、人が生きていく上での
心の拠り所が明確ではない、ということでもあります。

そんな社会の中、現代の日本の社会を
生きる人々にとっての心の拠り所は、

日本の資本主義的な思想そのものであり、
それは結果として日本の社会における
「当たり前」であることが心の拠り所に
なっているのではないかとも感じます。


その時に私という存在、私の意思が、
「当たり前」という圧倒的な権力に
飲み込まれてしまわないためにも、

主的な主観を築き上げるということが
大切なように感じているのです。


長くなってしまいましたが、
今回は住宅設計の3つの課題において、
テーマともなる、「主観を築かせる住宅」

主観を築くとはどういうことなのか、

ということについて文章を
書かせていただきました。


次回からは具体的に空間として
どのようなことを考えたのか、ということを軸に
書かせていただきたいと思います。


それでは本日も最後までお付き合い、
ありがとうございました!



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