ファストファッションはなぜ安いのか。

みなさん、こんにちは。

今となってはアパレル産業の
主軸を担う存在ともいえる
ファストファッション。

きっと皆様の中にも生活の中に
ごく自然とファストファッションと
接する機会がある方も、
多くいらっしゃるのではないかと思います。

もちろん僕自身も
ファストファッションのお店に
立ち寄ることも生活の中で
ごく自然なものとなっています。

そこで今回はそもそも、
ファストファッションはなぜ
最新のトレンドを取り入れた商品を
価格を抑え、僕たち消費者に
届けることができるのか、

ということを一冊の本をもとに
考えていきたいと思います。

今回参考とさせていただく一冊の本は、
弁護士、国際人権 NGO ヒューマンライツ・ナウ 事務局長を務める
伊藤和子さんという女性の方が書かれた、
「ファストファッションはなぜ安い?」
という本です。

この一冊の本。

学校の図書館で何気なく手に取った本なのですが、
正直ここに記されていることは
非常にショッキングな内容となっており、
この問題とどう向き合うべきなのか?と、
まだ僕自身の中でも消化不良な部分があるのですが、

皆様とも一緒に考えていければと思い、
内容を共有させていただきたいと思います。

それではさっそく、、、

2013年4月24日
南アジアの国 バングラデシュで起きた
ラナプラザ・ビル崩壊のニュースは
まだ記憶に新しく、
当時の衝撃も記憶にある方も
いらっしゃるのではないかと思います。

この崩壊されたビル内では、
世界各国の有名ブランドの
服を生産するための工場として、
1000人以上もの現地の人々が
勤務していました。

そして、その事件によって
1130人もの犠牲者が生まれてしまいました。

ビルが崩壊する前日、
ビルの大きな亀裂に気づいていた労働者は
「出勤したくない。」と
訴える人々もいたのだといいます。

そのような中でも出勤せざる負えない状況が
アパレル産業の実態を
物語っているのではないでしょうか。

この事故によって、
「バングラデシュの工場労働は非人道的だ。」と
世界中の消費者から批判の声が上がりました。

しかし、問題の根本は、
なぜそこまで過酷な状況が現地の工場で
起きていたのかという点にあります。

当時その工場で服の生産を
委託していたアパレルブランドは、
ベネトン、プライマート、J.Cペニー、
ZARAなどの馴染みのある
ファストファッションブランドを
展開しているインデックスなど、

日本の消費者にも馴染みのある
世界各国の有名ブランドがその工場に
服の生産を委託していたと言います。

このように日本の消費者も
気に入って購入している欧米や日本の
有名国際ブランドの服やバックは
海外にある取引先の縫製工場に
生産を委託しているブランドは数多くあります。

ここで一度、製品の生産(サプライヤー)と
製品の発注、買取を行うアパレル企業(バイヤー)
との関係を整理していきます。

通常、委託を行うバイヤーは強い立場にあり、
サプライヤーに対してより高い品質を、
より低いコストで求めます。

そのしわ寄せを受けるのは末端にいる労働者です。

事故の起きたバングラデシュの国では
安い賃金での長時間労働は
当たり前のように行われています。

日本円でいうと月給8,000円と、
日本では当然生活できないどころか、
バングラデシュでも低いといえる賃金を
得るために、現地の人々は
長時間、過酷な状況の中耐えて労働をしているのだと言います。

そしてこの問題は、
バングラデシュの国に限らず、
服を安く生産するために賃金の安い国に
工場を作り、そこで労働する人々がいる限り
永遠と続く問題なのではないでしょうか。

今でも事故の後遺症により片足を失った方、
足の感覚がなくなったり、
半身が麻痺したままの方、
様々な後遺症を背負いながら生きている
現地の労働者は数多くいます。

さらにそのような状況があるのにも関わらず、
賠償金を支払わない国際ブランドは多くあると言います。

僕はこの状況を知った時、
多くの犠牲の上に成り立つ商業行為
というものに対して非常に強く嫌悪感を抱きました。

ですが、それはただの綺麗事なのかもしれません。

実際にファストファッションというものは、
現代の消費者の生活を支えているひとつの
重要な産業であるといえます。

そして、大きな事故を招いたとはいえ、
現地の方々にとっても「働く場所がある」
といった点ではかけがいのない存在なのです。

事故の被害を受けた労働者の方の声にはこのような声もあります。

「バングラデシュで作った商品に対する不買運動はしないでほしい。
私たちが生きていく大切な産業を奪うようなキャンペーンは望んでいない。」

大きな被害を受け、こんなにも過酷で理不尽な状況の中、
このような言葉を発さざるを得ない状況が現地の国では起きているのです。

そのような中、私たちには何ができるのでしょうか。

伊藤和子さんの文章にはこのように綴られています。

① 私たちが同じ人間であるという基本に立ち返り、
服を作るプロセスで何が起きているかに関心を寄せる。

② 服を作っている人たちの人権を保障し、
人間らしい労働環境を求めていく。

③ 消費者として、労働者の犠牲の上に立った低価格商品を
望んでいないという声を上げて、それをコンセンサスにし、
それを市場のトレンドとしていく。

以上の3点、特に③はこれからの商業行為において
特に重視されるべき事だと僕自身も強く共感しています。

これまでもエシカルファッションとよばれるような、
消費する以前やその先を見据えた
商品の選び方などを軸として
商行為を行う企業も多くありました。

エシカルファッションに限らず消費者自身が、
「消費する意味」ということを頭の片隅にでもおいて
商業というものと向き合っていくことが、

これからの商業をより良くしていくことに
繋がるのではないかと、、、

これからも考え続けたいと思います、、、


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