zk-nymsはここに - マーケット対応Mixnetへの大きなマイルストーン(2023.3.22)

2023年5月6日 03:25

先日、zk-nymsを世界に発表しました。zk-nymsは、不要な個人情報を流出させることなく、サービスに対する支払いや利用を可能にする暗号化システムです。これはNym mixnetにとって重要なマイルストーンであり、以下のVPNの例は、その理由を完璧に説明しています...

VPNは、プライバシーツールの中でも特によく知られ、利用されているツールのひとつです。VPNを使っている方は、おそらくその利用のためにクレジットカードで決済していることでしょう。つまり、VPNプロバイダーはあなたのカード情報、名前、住所を知っているということです。さらに、VPNは信頼できるプロキシとして機能するため、たとえIPや閲覧履歴を保護したとしても、VPNプロバイダー自身があなたがアクセスしているすべてのウェブサイトを把握しています！

つまり、VPNプロバイダーは、あなたの身元と完全な閲覧履歴を把握しているのです。さらに悪いことに、「無料」VPNの中には、サードパーティのトラッカーを埋め込んで、あなたのデータを収集し、それを他者に販売するものまであります（詳しくはこちら）。

では、この問題を解決するためにzk-nymsができることを説明しましょう！

zk-nymsの紹介

zk-nymsの最初のユースケースは、mixnetの帯域認証情報（ bandwidth credentials）です！zk-nymsを使うことで、人々は自分のウォレットアドレス、支払い金額、残高、その他の情報を明かすことなく、プライバシーを守るためにmixnetを使う権利があることを証明できます。

私たちは、あなたの支払詳細、あなたの名前、取引番号、その他あなたに関するいかなる情報も欲しくありません。私たちが知りたいのは、あなた（またはあなたが実行しているアプリ）がmixnetを利用するための正しい認証情報を持っているかどうかだけです。実際、あなたが利用するあらゆるデジタルサービスにおいて、それは当たり前のことであるはずです！

私たちは、ゲートウェイを使った帯域認証情報の利用をテストできるサンドボックスを立ち上げたばかりです（CLIを使用）。開発者やゲートウェイのオペレータの方々には、ぜひお越しいただき、試していただきたいと思います！

支払ってもらう代わりに、プライバシーの保護を提供します

Nym mixnetは、IPアドレスやコンテンツだけでなく、メタデータや通信のパターンまで、オンライン上のあなたを保護します。Mixnetは分散型で信頼性が高く、あなたやあなたのトラフィックに関するデータを保持するインフラは存在しません。つまり、あなたやあなたのトラフィックに関するデータを保持するインフラはないのです。

Mixnetは現在無料ですが、オペレータが公平に補償されるように、最終的には少額の手数料が発生する予定です。今日のデジタルサービスは、監視に向けたインセンティブが働いています。Facebookやソーシャルメディアから、無料メールやVPNサービスまで、ユーザーを惹きつけるために低価格でサービスを提供し、その残りを人々のデータを売ることで補っています。

NymのMixnetは、インフラオペレータが監視ではなく、プライバシーを提供するインセンティブを得られるよう、トークンエコノミクスを導入しています。そして今、zk-nymsによって、完全に安全で、追加情報を漏らさない有料mixnetサービスに一歩近づいたのです。

zk-nymsの次なる展開は？

帯域認証情報は、私たちのオンラインライフに新たなイノベーションの道を開くと私たちが考えている、最初の実用的なユースケースにすぎません。物理的な世界では、ほとんどの人が常に監視されているわけではありません。未知の組織による継続的なミクロ分析にさらされ、自分が誰なのか、どこに属しているのか、次に何をしそうなのかを判断されることはほとんどないのです。物理的な世界では、自分自身について、いつ、誰と何を共有するかは自分で決めることができます。しかし、残念ながら、オンラインではそうではありません。

zk-nymsは、デジタル世界でもこれを可能にしようと考えています。不必要な個人情報を第三者に漏らすことなく、信頼と安心の関係を築くために、自分の情報を選択的に公開することができるようになります。具体的なユースケースとしては、プライバシーを保護するKYC、プライベートペイメント、アクセスコントロール、年齢認証、そして一般的なプライバシーを保護するシングルサインオンがあります！

あなたはデータベースの中の数字ではありません。あなたのアイデンティティは、普及したプロファイリングアルゴリズムの網を使った企業や機関によって押し付けられるべきではありません。デジタルシステムは、主に人々に奉仕すべきであり、その逆ではありませんし、あなたが何を誰に公開するかを選択的に決定する能力も必要です。

zk-nymsの特徴

最近、「ゼロ知識」や「個人認証情報」という言葉が飛び交っているのを目にして、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか？Zk-nymsは他の認証情報やZk-Magicと何が違うのですか？zk-nymsの主な利点は、分散型であること、閾値発行であること、つまり認証情報を発行するための中央集権的な信頼点を避けることができることです！最後に、zk-nymsの特徴について簡単に説明します...

暗号技術

その名の通り、zk-nymsはゼロ知識証明、ブラインド署名、コミットメントスキームなどの暗号プリミティブを利用し、ココナッツ認証情報を拡張したものである。ゼロ知識は最近かなり宣伝されているので、深く知りたい人のためにたくさんのガイドがありますが、この暗号マジックのビットは、人々が証拠を明らかにすることなく何かを暗号的に証明することを可能にすると言うだけで十分です。(zk-nymsとzk-snarks、stark、その他のゼロ知識ハイプを比較したより深い記事は、近日中に公開します!)

分散型

zk-nymの独自の特徴は、分散型であることです。つまり、認証情報を保持する単一の権威は存在しません。代わりに、分散化されたバリデータセットによって発行されます。読者の中には、悪意のあるバリデータについて警鐘を鳴らす人もいるかもしれませんが、良い知らせがあります。

閾値の設定

...zk-nymは閾値発行を採用しているため、バリデータは認証情報に署名する鍵の共有のみを保持します！つまり、信頼を分散させるだけでなく、一部のバリデータがオフラインになったり、悪意があったりしても、システムの破綻を回避することができるのです。

リンク不可

リンク不可能というのは、認証情報の発行とその後の提示が好まれないということです。つまり、バリデータが認証情報を提示するサービスと結託しても、追加情報を知ることはできません。さらに、ブラインド発行の特性は、すべてのバリデーターが結託しても、認証情報のプライベート属性をまとめることができないことを意味します。