【ワンポイント英文法】前置詞のイメージ
文法の解説。大学受験、英検、TOEIC、大人の学び直しなどに。
1、前置詞とは
前置詞とは、名詞の前に置いて、場所、方向、時などの情報を補う言葉です。正確にいうと、その他の語に対する関係性を示すものです。まあ、難しいことは置いといて、「名詞」の「前」に「置く」から「前置詞」なのですね。ここで重要なのは、前置詞の後ろには基本的に名詞しか来ないということです。
助詞とは違うの?
たしかに前置詞の訳には「の・に・へ」など日本語の助詞の訳と同じになることが多いので、助詞に近いものと教えられるのですが、やはり、英語独特の言葉だと思っておいたほうがいいです。それは、日本語の助詞と英語の前置詞の意味がぴったりとイコールになることはないからです。たとえば、下の例。
赤毛の少女 → a girl with red hair
壁の絵 → a picture on the wall
東京の友達 → a friend in Tokyo / a friend from Tokyo
部屋の鍵 → a key to the room
日本語ではすべて「の」を使っているのに対して、英語の前置詞はすべて違います。このように助詞と前置詞は直接対応していません。だから、前置詞を助詞や訳で覚えてしまうのは危険なのです。他にも「on」の訳は、1つではありません。さまざまな訳をあてることができます。
a house on the river → 川沿いの家 近接
Don't depend on others → 他人に頼るな 依存
an apple on the table → テーブルの上のりんご 接触
On getting home. → 家に帰るとすぐに 同時
I watch it on television → 私はテレビでそれを見た 手段
このように「on」の訳だけでもこれだけあるのです。これを1つずつ覚えるのは効率的ではありません。ではどうやって覚えたらいいのでしょう。
イメージで覚える
だから核となるイメージで覚えることが大事なのです。前置詞には1つの単語に多様な意味があります。多様な意味は核となるイメージから派生して生まれていきました。そのため、1つ1つの意味をバラバラで覚えるのではなく、核となるイメージを覚えて、そこからどうやって意味が派生していったかのか覚えるほうが得策なのです。
たとえば、「at」という前置詞の核となるイメージは指し示す「点」です。絵にするとこんな感じです。
ではこの「点」というイメージからどう意味が派生していったのかを見ていきましょう。
ex.I arrived at the station 私は駅に着いた 場所の「点」
これは。地図を見てる感覚で駅はどこですか?ここですと指し示すイメージです。そうすると点に見えますね。
ex.Let's meet at ten 10時に会いましょう 時間の「点」
時計の絵を思い出せるでしょうか。ほら、数字という「点」を指していますね
ex.I'm good at swimming 私は、水泳が得意です 分野の「点」
私はこういう「点」で優れていますと日本語でも言いますね。その感覚です。
ex.He kicked at the ball 彼はボールを蹴った 対象の「点」
ボールという的、つまり「点」を蹴ったからatを使うわけです。
このように前置詞は「核となるイメージ」で覚えていけばいいのです。そこから派生していると考えると暗記することも少なくなります。前置詞を使う熟語(イディオム)もこのイメージを想像すると覚えやすくなります。
☆at
指し示す「点」のイメージ
☆in
何かの「中」のイメージ
☆on
「接触」してくっついているイメージ
☆with
「~と一緒」というイメージ
☆to
「方向+到達点」のイメージ
☆for
前へ「向かう」イメージ
☆of
「分離」して「つながっている」イメージ
☆by
「側」にいるイメージ
☆from
「起点(スタート地点)」のイメージ
☆about
ざっくりと「周り」のイメージ
☆around
マルク囲い込む「周り」のイメージ
☆across
「平面を横切る」イメージ
☆along
「沿って進む」イメージ
☆through
空間を「通り抜ける」イメージ
☆above
高さが「基準より上」のイメージ
☆below
高さが「基準より下」のイメージ
☆after
「ついていく」イメージ
☆before
「順序が前」というイメージ
☆in front of
「前にある」イメージ
☆behind
「後ろにある」イメージ
☆against
「~に対抗する」イメージ
☆opposite
「反対側」のイメージ
☆over
「上で覆っている」イメージ
☆under
「下にある」イメージ
☆between
「個々の間」というイメージ
☆among
複数に「囲まれた」イメージ
☆beyond
「枠と超えて向こうへ」というイメージ
☆into
「~の中へ」というイメージ
☆out of
「中から外へ」のイメージ
☆onto
「~の上へ」というイメージ
☆off
「接触」からの「分離」のイメージ
☆during
特定の「期間」のイメージ
☆within
「範囲内」のイメージ
☆near
「近い」というイメージ
☆beside
「横で並んでいる」イメージ
☆without
「一緒にいない」イメージ
☆past
「過ぎる」イメージ
☆since
「起点+継続」のイメージ
☆up
「上に」というイメージ
☆down
「下に」というイメージ
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