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チャラいのか、真実を告げる魔法使いなのか。素直になれない女性に投げ込まれたある男子の言葉。

 今日は、ちょっと、反感買うこと書いちゃうのかも。
「おぶす」の話です。

 オンラインゲームでは、いろんな人と交流するだけでなく、ROM(読む専門)っていることもあります。
 みんなの会話を読んでいるだけでも、なかなかに楽しいのですね。

 そんな中、目につく素敵な会話、素敵じゃない会話があります。


 ある男性がグループチャットで1人の女性を褒めていました。
 アイコン(みんな匿名性を重視しているので本人の写真ではない)が綺麗だったので「綺麗だ」と。
 するとその女性、「みんなにも言ってるんでしょ、どうせw」
 さらに別の女性が「●君、チャラいなー」

 それに対して●君が答えたのは

「きれいなアイコンだと思ったからそう言っただけだよ。他にも綺麗なアイコンの人がいたら、そりゃそう言うだろうね」

 するとまたその2人が

「わ、チャラーーい」と。

 それに対する●君の返しはこうでした。

「なんでそうなるんだよ。綺麗なものを綺麗って言うことがチャラいと呼ばれる世界なんて滅びてしまえばいいよ」

 私はROMりながら、●君に同意してしまったのですよね。
 滅びろなんて、なかなかに過激にも聞こえるけれど、そんな世界であってはならないという彼の想いはなんだかわかったのですね。
 
 美しいものを、美しいと言ってはいけない世界なんて、滅びろ。


 と同時に、女性の側の気持ちもわからないでもなかったのでした。

 防衛反応なのですよ。
 真に受けて喜んで、あとでがっかりしないように。
 
 自分だけではない。他の人にも言っている。自分が特別なわけではない。
そんな風に、瞬時に無意識で考えて、傷つかないために防衛する。それがどこかで身について、もう反射みたいになっている。

 それでも「ありがとう」と素直に受け入れる心を育みたいなと思うのですよ。

 今この瞬間の賛辞は、きちんと自分へ向けられているものだと、まっすぐに想いを受け取る勇気を持ちたいなと。

 褒めて、否定されたら、褒めた側はどういう気持ちになるか、彼女たちは想像できないのかなぁとも思うんですね。

「素敵ですね」

「そんなことないです!」

 こんな風に、素直な好意は無残にも否定されて打ち返されて、どこへ持っていけばいいでしょう。

「いやいや、本当にそう思ってます」

「えー、信じられない」

 こうなったらもう引き下がるしかないし、この人は褒めてはいけない人になってしまいます。


 そうやって、褒められること、好意を告げられることが、どんどん減っていき、セルフイメージはますます「褒められない人」になり、より「好意を受け取ることができない」現実が強化されていきます。

 
 褒め言葉を素直に受け取らないことは「おぶす」だなと、客観的に見ていて思った次第。

「美しいものを美しいと言ってはいけない世界なんて、滅びろ」

 ゲーム世界ということもあるのかしら。
彼の言葉が、魔法の呪文のようにも読めました。
歪んだ自己認識のイバラの檻を打ち砕く、攻撃呪文。ふふ。
彼が壊したいのは彼女を囲む歪んだ自己イメージの世界なんだろうなぁ。

 

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