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文化を作る目標設定、OKRとは|20190315 #SaaSOKR イベントレポート

先日、ネットプロテクションズさん、FORCASさん主催の『SaaS TEAM OKR』- B2Bサブスクリプション組織の目標設定 – に参加し、お話を聴いてきました。

参加したきっかけは、4月1日から働く職場がOKRを導入しているという情報を掴んだので、事前に勉強しておきたかったからです。

実際にお話を聴いてみて、OKRは一丸となって進む組織を作ることに適したフレームワークだと感じました。

登壇者の方

以下の方が登壇されておりました。

【講演セッション】
・株式会社FORCAS 代表取締役 佐久間 衡さん
・Resily株式会社 代表取締役 堀江 真弘さん

【パネルセッション】
・弁護士ドットコム株式会社 クラウドサイン事業部長 橘 大地さん
・HiCustomer株式会社 CEO 鈴木 大貴さん
・株式会社ネットプロテクションズ BtoBグループ シニア・ビジネスプランナー 中原 雄一さん
・モデレーター:株式会社FORCAS マーケティングチーム マネージャー 酒居 潤平さん

そもそもOKRとは

OKRは「目標と成果指標(Objectives and Key Results)」のことで、もともとインテルで誕生し、GoogleやFacebook等も含む数多くのグローバル企業が導入する目標設定指標のことです。定性的目標と、そこに近づいているかを測る定量的成果指標を設定し、振り返るというもの。

KGI・KPIに似ているように感じますが、OKRは組織文化の形成を見据えたもので、個人の数値的評価に影響することはあっても、それだけで評価を決定づけるものではないとのこと。

佐久間さん:OKR導入のリアル

SPEEDA事業で、OKRを導入された際のことをお話いただきました。

まずOKR導入の背景として、カンパニー制が挙げられました。
異なるニーズが地域ごとに生まれてくる状況があり、"ある地域を優先することで他の地域(並びにそこを担当するメンバー)がないがしろにならない組織"を作るために、アジアと日本でカンパニーを分ける形で導入されたとのこと。

そして、ユーザーに届ける価値をカンパニー毎に1つに定めていきたいというフェーズで、カンパニー制をワークさせる仕組みの候補としてOKRが挙がったそうです。

以下、佐久間さん曰くOKRのいいところ。

1.チーム目標を全社で共有するのは最高
2.カンパニーOKRとチームOKRでつながりができることは最高
3.OだけでなくKRをセットにすることでミスコミを防ぎ、「達成したかどうか」が明確になる仕組みも最高
4.カンパニーOKRと紐づく、実現が難しいチームOKRをチームメンバー自身で決めることは最高
5.カンパニーOKRという明確なフォーカスを決めることが経営者のメインの仕事になり、そこに全チームの目標が連動していく四半期毎のリズムが作れそう

つまり……、最高!(盲信)

冗談はさておき、自分としてはチームOKRを自ら定めることでメンバー自身の主体性を維持しながらも、カンパニーOKRとチームOKRが繫がることで経営層と現場の乖離が起きにくいという点が、非常に良いと思います。

更にそれぞれのOKRがビジョン・ミッション・バリューに根ざしていれば、ビジョン・ミッション・バリューの浸透にも繋がりそう!

人数が増えれば増えるほど乖離が起きやすい部分だと思うので、メンバー数が少ないうちから導入して慣れておくことで、一丸となって動きやすい組織になるんじゃないか、と。

とはいえ、あらゆるフレームワークに共通するように、OKRの最適解は会社によって変わるため、他社のベストプラクティスをそのまま真似ればいいというものではないそうです。

"自分たちにとってのOKR"を作るつもりで、失敗前提で長期的に取り組まなければならないとのことでした。

以下は佐久間さんが仰っていたOKRあるある。

※・あるある→対応策という形で記載しています。

・OKRスライドに入力しない
→全スライドを月曜朝にチェックし、未入力全員にリマインド
・チームOKRがストレッチではない
→「なぜチャレンジングなのか?」欄を設けた
・チームOKRがカンパニーOKRと繋がらない
→OKRシートに「なぜ今やるのか?」欄を設けた
・チームOKRが多すぎてフォーカスしきれない
→チームOKRは最大2つにした
・KRが行動目標でしかない
→不確実性が高い時は行動目標で量を追うことで良いが、不確実性が低いときは結果目標で質を追う
・OKRメンバーだけではアンコントローラブルな目標を設定してしまった。
→OKR達成に必要なメンバー全員をOKRメンバーに含める
・チーム内の議論だけでチームOKRを変更していた
→OKRには説明責任が伴うので、変更する場合は必ずカンパニーリーダーの承認を得るようにした
・KR未達が途中で明確になったのにKRを変更せず続けてしまった
→絶対未達レベルになったらすぐにOKR(多くの場合はKRのみ)を変更する

堀江さん:OKRを続ける上で大事な2つのこと

ResilyさんではOKRの実行・管理をサポートするクラウドサービス「Resily」の提供や、OKRの導入・運用改善のサポートを行われています。

佐久間さんが自社におけるリアルを語っていただいたのに対し、堀江さんはOKRというフレームワーク自体を続けていく上で大事なことにフォーカスしてお話いただきました。
→大事なのは「大きく考える(Think Big)」「サイクル(Cycle)を回すこと」の2つとのこと。

Think Bigの具体例では、シャープの社長に鴻海(ホンハイ)の戴氏が着任した際の会見が挙げられていて、自らを「家電メーカー」ではなく「グローバルなIoT企業」と定義したことが紹介されていました。
自己認識を大きく変革するようなOを設定することで、KRも自然にチャレンジング・ストレッチな方向へ向かっていけるそうです。

逆に言うと、普通にオペレーションを回していれば達成できるような目標はOKRとしてはあまり意味がない(KGIやKPIで管理すればよい)とのこと。

また、サイクルを無理なく回していくコツとしては、期間のお話が印象的だったように思います。

3ヶ月というタームも重要ですが、3ヶ月毎に超チャレンジングな目標を設定していくと短期的すぎてメンバーが疲弊するので、長期的なスパンもセットで考えた方が良いそうです。

そして、積み上げていけば3ヶ月や長期の目標を達成できると信じられるチャレンジアクションを、毎週1個などの小さいスパンで入れて、学びを素早く得ていくことが大事とのことでした。

パネルセッション:Hicustomer社のOKR

まず、パネルセッションに登壇された方々の内、実際にOKRを実施されているのはHicustomerさんだけという事実が判明し、ビックリしました笑

Hicustomer鈴木さん曰く、スタートアップは細かいマイルストーンを組んでいくのが大事とのこと。(例:調達の金額や状態から逆算して、MRRはいくら、月のリード件数いくつ、etc)
→その具体的な数値に向け、会社の限られたリソースをどうフォーカスするのかを考えるために、OKRを導入したそうです。

導入により表れた効果として、KRを定めることで業務に対して意識すべき数値が明確になり、アウトプットの質が明確に変わったとのこと。
ただし、「KRだけがひとり歩きしてしまうと、数字ばかり感が出てしまう。だからこそエモーショナルな、ワクワクするOが大切」なのだとか。

パネルセッション:SaaS組織における、納得感のある目標設定とは

お話をお聴きしていると、OKR導入有無の差はありますが、各社さんの意識はある程度共通しているように思えました。

SaaSの本質は「サービスを愛し続けてもらうことで、結果もついてきて、社会にも貢献できる」という、純粋な努力で三方よしを目指せるところなので、向き合う相手は顧客とプロダクトであり、単純に前期比等の数値を目標として定めることは本質的ではないということ。
単純に数値"だけ"に依った目標を上から設定すること自体が、メンバーの自律性を奪い、本質から遠ざけてしまう行為だということ。
(数値は置くが「なぜその数値を置くのか」というロジックまで開示する透明性が重要。)

実際、国内のSaaS企業や事業部はまだ100人以下の組織がほとんどで、大きく教育にコストを割けるケースは少なく、個々のメンバーが自走しやすい組織文化を作ることが非常に重要になっていると思われます。

そして、個々のメンバーが自走する組織文化を実現する方法は企業やチームにより異なり、その選択肢の1つとして存在しているのがOKRだという印象を受けました。

たとえば、弁護士ドットコム社クラウドサイン事業部ではOKRを導入されてはいませんが、行動規範に「Customer Centered Design(顧客を組織の中心に)」を置き、顧客のために熱狂する組織文化作りを徹底されてきたそうです。登壇された橘さんがnoteも書いてくださってました。

おわりに

OKRについてはもちろん、現在第一線で活躍されている方の組織文化作りのリアルを拝聴でき、非常にワクワクするセミナーでした。

自分も今後OKRに触れていくことになりますが、このセミナーで改めて認識させていただいた本質的な部分をしっかり捉えながら、自分のOKRを定めていきたいと思っています。

以下、心に刻んでいきたい佐久間さんのお言葉。

素敵なビジョンに紐づいた素敵なOを立てて、KRをしっかり達成して、皆でワイワイしたいですね!

参考文献

以下の記事も参考にさせていただきました。

・BizHint:https://bizhint.jp/keyword/39402
・カオナビ人事用語集:https://www.kaonavi.jp/dictionary/okr/

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spmou

私的なアカウントで、発言は個人の意見です。某SaaS企業のCS職に。顧客と一緒に成功・成長し、プロダクトも成長させることを目指して奮闘中。
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