【トラカレ2019夏】星と、君と。

この前、家の掃除をしていたらお父様とママのアルバムが出てきたんです。基本的に中の写真はどれもママがお父様にちょっかいかけてるのばっかりだったんですけど、でもお父様は仏頂面なのに嫌じゃなさそうにしてるのは伝わってきて、ちょっと意外な感じがしました。あの人もこんなに表情出来るんだなぁって。私、お父様のああいうところ、あんまり見たことなかったので。

私から見たあの人は、なんていうか結構な堅物でした。私のことをきちんと見てくれない。いつもいつも「これが君の将来のためになるんだから」って言って、やりたくないことばっかりやらせてきて。まぁ、確かに、世が世なら私も社長令嬢になっていた訳ですし?今になってみれば人脈づくりも必要だったとは思うんですけどね?でも、子供の頃の私には退屈なことばっかりで。私はお父様とお話したかったのに、いつも違う人達と話し続けてて。結局本当に最後まで向き合ってくれなくて。私のお父様への印象ってそこで止まってたんです。いつも仕事と向き合っていて、最後まで何も見てくれなかった、最低の父親。

でも、今になって、ちょっと違ったんじゃないかなって思うんです。あの人はあの人なりに私を幸せにしようとしてたんじゃないかなって思うんです。

ママとお父様のアルバムに一枚だけ、私が写った写真があったんです。ママに聞いたら、私が物心つく前に星を見に行ったときの写真だったらしいんですけど。その写真、私と、笑ったお父様が写ってたんです。その時の私は流れ星が欲しかったみたいで、お父様に抱き上げてもらいながら手を伸ばしてて、お父様もほほえみながら見守っていました。

確かに、振り返ってみるといろんな言葉の後ろに「将来のため」とか「君のため」とかいうセリフがついてきていて、表情はいつも真剣そのもので。

でも、今更わかっても遅いんですよね。お父様も、残そうとしたものも、全部壊れてしまって、残ったのは私とママの二人っきり。原因はどう考えてもお父様の発明品で、やっぱり心象はそう易易と変わりません。

……でも。

こうやって今になってみて、私はお父様のことあまり知らないんじゃないかって思いました。あの真剣な表情の裏側も、あんなものを作った責任を抱えて何を考えていたのかも。……だから今度、ミサミサにお父様のこと聞いてみようと思います。ママのことだから最終的に惚気話みたいになっちゃうのは目に見えてるんですけど、それでもママはお父様のことを1番近くで見て、知っていた人だから。

なんか、結構長く語っちゃいましたねっ!また何かわかったらあなたに相談に来ますから、また聞いてくださいね!

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下手な文章を長々とご覧いただきありがとうございます。

ここから先は別に読まなくても大丈夫!なぜなら語りの時間だから!

こんばんわ、トラカレ2019夏、17日目担当のここぺです。

去年は眺めているだけだったトラカレに参加させていただいて嬉しさと緊張が頂点に達しています。はきそう。

え?やたらとツイッターで怪しげな画像を出してうめいてたくせに絵が1枚しかないじゃんって?HAHAHA!面白いことをいいますね!ココロに刺さります。

実はこの話、それこそトラカレよりも前に思いついてはいたのですがテキスト形式で出すべきか……?画像オンリー形式……?いっそ漫画描くか……?などとずっとぐるぐる考えていて、最終的にこの形式に落ち着きました。でも多分こういう発表の機会がないと永遠にぐだって書かなかったと思うので非常にありがたい場でもありました。

テーマとしては「卯月文雄」です。こういうことも絶対あったろふみくんという感じ。もうトライナリー本編中の独白からも漂う人生不器用感が最高です(言い方)。もうちょい一之宮にすり寄ってたら生存ルートもあったのでしょうが、その場合ライフギャザーがどういう扱われ方をするかというのは火を見るよりも明らかですしね。多分自分の生み出したモノ故に責任を持って、死んででも決着をつけなければという意思があったんだと思います。でも独白からも察せられるように、卯月神楽への愛もきちんとあり、まっとうに幸せになってほしかったという気持ちもある。親というものはそこに至るまでの人生から生存バイアスがかかっており、子供に幸せになってほしいがゆえに結果的に自分の考える「幸せ」を押し付ける形になってしまうということが多々あるそうな。でも根本にあるのは子の幸せを願う気持ちなわけです。この責任と願いがせめぎ合った結果がトライナリー世界なわけですが、こういう責任と願いの板挟みになってる人を見ると最高に人間という感じ(どういう感じ)がするので私はふみくんのこと好きですよ。悩み、決断するのは人間の特権ですしね?

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さて、実はこれを書いている時点で予定していた時刻を大幅に過ぎているのですが最後にもうちょっとだけ。こっからは本当に読まなくてもいいただの蛇足です。

私はつい1年ほど前までぽへーっと特に何かをするわけでもなくコンテンツを眺める側の人間でした。今までは特に特定のコンテンツにこだわっていたわけでもなかったです。

でも1年前に終わっちゃったじゃないですか、トライナリー。

あの時私はなんというか、無性に腹が立ったのとひたすら悲しかったのを覚えています。何に腹が立ったかというと自分にです。

腹が立ったのは何も残してこなかった自分に。

私は特に刹那的なものが好きだったのと特に画像リプとか資料とかに使う予定もなかったのでトライナリーのスクショとかをあんまり取ってなかったのですが、これがまぁひどかった。手元に何も残らないのでもはやタイトル画面で虚無に満ちながらスタートを押すことでしか乾きが癒せない。

悲しかったのは記憶がこぼれていくから。

そもそも昨日の晩御飯も覚えてない人間なので、これからずっとこの記憶を大事に持っていることなんて土台無理な話です。更新のされない記憶は徐々にこぼれていきます。最終的に「面白かったことは覚えているが内容が思い出せない」なんてことはザラです。

終わってしまうと知ったときに涙が溢れるほどココロの大部分を締めていたトライナリーを易易と手放して、またボヘ―っとする生活に戻ってねと言われたところで「はいそうですね」なんて宣うが出来るかと言われると、私にはできませんでした。

というわけで自分に記憶が信用できないので形に残す手法を取り始めたわけです。最初は正直みてる自分が辛いくらいの絵だったんですが、最近は多少前向きに捉えられるくらいになった気がします(過大評価かもしれませんが)。いつも下手な絵でもいいねしてくださったり、見ていって下さる方たちには感謝が念が尽きません。ありがとうございます。

……なんか恥ずかしくなったのでここでお終い!お疲れ様!

                 照れ隠しの千羽鶴ナメクジを添えて。

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