バックドア

 私が勤めている病院は毎朝新聞配達をする事になっております。
 病棟のある2フロアそれぞれに談話室が設けられていて大画面テレビとかジュースの自動販売機があるんですが、そこに新聞スタンドも設置されていて、それにY売新聞とY売系のスポーツ紙Hを各一部づつ配るんですがね。

 日曜日の朝刊一面、大見出しが引っ掛かったんですよ。

 自民党、政治資金規正法改正案に『“悪質な”不記載は国庫納付』の独自案

 率直な感想を申し上げるなら、
 「何も反省してへんやん!」
 内閣支持率も落ち、直近の自治体首長及び国会議員補欠選挙で苦戦が続いているにもかかわらず、総理が地方へ出向いた際には「どの面下げて来たのか!」とまで罵声を浴びせられているというのに、この期に及んで法律の改正案に『逃げ道』を作るとは、それこそ“面の皮が厚い”としか言い様がありませんわね。

 真に反省し、現状を何とかしようと思うなら“”の部分は要らないんですよ。
 『(政治資金収支報告書に)不記載は国庫納付』であれば、まだ納得が得られますよね。野党が揃いも揃って……なんですから今から党勢回復は可能になる筈。

 だって……“悪質な”は誰がジャッジするんでしょう?何を基準に悪質かそうでないか、を決めるんでしょう?

 確かに法律の条文というのはどれもフンワリしていて、細かく具体的に、ピンポイントで言及したものは殆ど無い、と言っても良いでしょう。
 そこに【解釈】のつけいる隙が生まれ、例えば自衛隊の新型武器導入や海外派遣などが具体的に分かり易い例ですが、素人が憲法9条の条文を読んで受けた印象と現実が全く乖離してしまっている。
 勿論、日本国憲法が出来た第二次大戦直後と現代では国内にしろ世界にしろ情勢が大きく違っている訳ですし、条文そのままでは世の中の実情と齟齬が出るのは避けられない訳で。

 とは言え自民党伝家の宝刀【解釈】というのは自民党政権が圧倒的多数を占めていればこそ抜ける“刃”であって、多数を占めているにしても内閣支持率が“危険水域”を下回っている現状で抜くのは、それこそ“切腹”に使うのか?と嘲笑されかねない愚挙としか言えないと思いますがね。

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