これだけナオそう OCD家族 (唯一にして最悪の間違い)


必ず間違うOCD家族1
必ず間違うOCD家族2
で間違いについては指摘しました。

間違いはわかったから、どうしたらいいのか教えてくれ、という声が聞こえてきそうなので、今回はそれについて。

まずは、1つだけこれだけは直そう、今すぐに直そう、という話です。

OCD自体を”治そう”という話ではなく、日々の生活でやっている行動というか認識を”直そう”という話です。(なので、OCDの治療方法はこの記事は教えてくれません。というか、治療方法を教えてほしいのは私の方でございます。)


以前にも書いた通り
おおきく分けて家族の反応というか、対処法は2パターンに分かれ、
パターン1:あんた頭おかしいんちゃうかパターン
パターン2:もぉしかたないなぁパターン
本当に望ましい状態は
パターン3:一緒に治療しよう!一緒に強迫行為をしないように練習しようパターン

であると書きましたが、


他にもパターンあるっしょ

とか、

家族それぞれだよね~ 

とか


読んでくれた人たちは色々な感想を持ってくれたのではないかと思います。



しかしです。


パターン1にしろ、パターン2にしろ、根本的な間違いの原因は同じだし、それさえ直せば、今よりは、本人の気分も楽になるし、家族との摩擦も減ると思うのです。


では、その原因とは。


「OCD本体」 と 「患者本人」 の混同


です。


これは、ぜったいに、やってはいけない間違いですが、必ず間違うOCD家族は、必ず間違うものなので、みなさん間違ってしまっているはずです。(ちょっと何書いているかわからなくなってきた。)


混同とは、どういうことか。

混同とは、辞書的には
区別しなければならないものを同一のものとして扱うこと。


パターン1にしろ、パターン2にしろ、この「混同」という間違えが潜んでいるのですから、順番に、実際のシュチュエーションを考えて説明を試みます。



■パターン1あんた頭おかしいんちゃうかパターン の場合

「あんた頭おかしいんちゃうか、30分も手を洗って何になるの~」と言っている典型的な「OCD間違い家族さん」の心中を考えてみましょう。

この瞬間、間違い家族は、患者が自分の脳が誤作動していてコントロールできないOCDの症状が出ているということを理解していないか、忘れ去ってしまっています。心のどこかで、「手を洗いたくて洗っている」と考えているのです。それは

患者本人の思考

OCDの症状

混同

してしまっているのです。本来であれば、本人の思考とは関係なく症状が出ているのだと区別しなければならないものを同一のものとして扱ってしまっているわけです。強迫行為をしている本人を甘えていると感じたり、贅沢病であるなんて感じるのもこの混同が原因だと思います。


■パターン2:もぉしかたないなぁパターン の場合

「もぉしかたないなぁ、そんなに鍵を閉めたか気になるなら、電話してきたら確認してあげるじゃないの~」と言っている典型的な「OCD間違い家族さん」の心中を考えてみましょう。

この瞬間、間違い家族は、患者本人がめっちゃ困ってる!これは助けてあげなきゃ!と思って強迫行為に付き合ってしまうのですが、これを学術的には「巻き込まれ」という現象であり、その瞬間は


患者本人の困りごとを助けること

OCDが発する強迫観念が正しいことだという印象を患者に与えるのを助けること

混同
してしまっているのです。

この混同(巻き込まれ)については、また別で書きますが、難しい問題を含んでいます。

しかし、パターン2の状態の人たちは言うでしょう。そんなこと言ったって、確認してあげないと、仕事に遅れてしまって大惨事になるよ。と。


わかります。

わかりますよ~。私たちはこの混同状態の中で20年以上やってましたからね。


だから一緒に強迫行為を手伝うことを、今すぐ、ただちに止めよう。という話ではありません。まずは、いま一緒に強迫行為に付き合っていることが、やっている行動が、2つの側面をもっているということを、認識しましょう。いますぐ認識を改めるのです。それが第一歩です。患者本人の困りごとをいま、一瞬助けてあげられると同時に、OCDが発する強迫観念が正しいことであるという印象を患者に与えてしまっているのだ。

「どうすりゃいいんだ~」

と思えるようになるのが第一歩です。


現在パターン1状態の人もパターン2状態の人もとにかく

「OCD本体」 と 「患者本人」 の混同するのではなく、しっかりと区別しましょう。認識を改めよう。これだけは直そう、今すぐに直そう。だって、すぐにできることだから。


それにこれは、家族だけでなく患者本人も気づく必要があります。強迫行為は自分自身の思考回路なのではなく、OCDにやらされているのだ。強迫観念が悪いのだ。自分が悪いのではないのだ。自分とは別物なのだ。と区別することが、症状緩和に対するステップの、ファーストステップなのだと思います。

この「混同」こそが、唯一にして最悪の間違いと言えるぐらい、OCD患者本人の自己肯定感を低下させ、家族の関係をギスギスしたものにし、関係者全員を深い深い闇に引きずりこんでいく、諸悪の根源の間違いであると私は感じています。

もう一度言いますが、私たちはこの混同状態の中で20年以上を過ごしてきました。ここまで来るのが長かった。一人でも多くの人が、このブログをきっかけに、混同することを止め、OCDと患者本人を区別して考えるキッカケになれば。幸いです。


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