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トラウマの癒し:身体に封印されていたもの (7)

トラウマの癒し:身体に封印されていたもの⑥の続きです。
止まらない涙。思考で気持ちを煽ることも、込み上げてくるものに抗うこともなく、とことん自分に付き合い、ただ泣き続けるワタシ。泣きながら、自分が誇らしく思えてきます。

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●背骨にしまい込んでいた涙

溢れ出る涙と言葉に突き動かされて母に電話をしようと思った時、ひどく喉が乾いていることに気づいた。水のボトルを取りにキッチンに行くと、カレが来た。出かけて来ると言われ、「そう、わかった。」と普通に返事をしている自分がいた。部屋に戻ると、母に電話をしたいという衝動は消えていた。

その後もワタシの涙は止まらなかった。涙の理由はよく分からない。自己憐憫や被害者意識的な思考という燃料を注いで「自分で自分を泣かす」というようなことはなく、身体に感じる深い所に引き込むような重さを感じているだけだった。純粋に身体から出てくるもの(きっと様々なことが入り混じった感情なのだろう)を外に出すということをしていたように思う。ただ、「感じる」ということをすることでワタシが今まで知らなかった何かが出て来て、自分自身の理解が深まったらいいなという気持ちはあった。

キラちゃんが来て、正直に「気持ちが重くて涙が止まらない」と話した。キラちゃんには何でも話せる。キラちゃんがベッドルームを掃除した後は、ベッドに横になって泣いた。

自己憐憫や被害者意識といった自分を苦しめる思考がなかったせいか、泣いていても辛くはなかった。とても疲れはしたけれど。泣き疲れて、眠って、目を覚ましてもまだ涙は出た。それを繰り返す中で、親友の一人が以前プレゼントしてくれたピアノのCDを久しぶりに聴いた。安心感の中で愛を感じて、CDを聴きながらまた泣いた。

「一つ一つの背骨の中に凍らせてしまい込んでいた涙が溶け出し、ワタシの身体の外に流れ出ていく」

そんなことが浮かんだ。

愛も感じた。
凍らせた涙を背骨に閉じ込めていた自分。
ずっと助けを求めていたことすら気付いていなかった自分。
本当は助けを求めたその手を握り返して欲しかった自分。
足首をちょっと捻っただけで大して痛くもないのに、優しくしてもらいたくて、心配してもらいたくて、病院に行って包帯を巻いてもらった自分。
母に対してちょっとしたことで手の付けられないほどキレていた自分。
気付かないままそんな風にSOSを出していた自分。
よく耐えた、よく頑張ったよ、ワタシ。自分が誇らしく思えた。

溶け出したものが身体の外に早く出て行くように、水をたくさん飲んだ。そのせいか、目からだけじゃ足りなくてトイレもとても近かった。

●とことん自分に付き合う●

その日は楽しみにしていた女子会の日。夜までには落ち着くだろうと思っていたのだけど、大デトックスが始まって出席できなくなったと連絡した。無理に気持ちを切り替えようとすればできなくはなかったけれど、それをしたくはなかった。鉛のような重さを全身で感じている自分のそばにいたかったし、そんな風になっている自分にとことん付き合いたかったから。

何もする気になれなかったけれど、夕飯の準備をしようとキッチンに立った。カレは何もいらないと言った。その言葉に甘え、パジャマに着替えてベッドに入った。泣き疲れて、その夜はぐっすりと眠れた。

「朝起きたらきっとスッキリしてるはず。」その予想は外れる。あれだけ泣いた上にぐっすりと、しかも長時間寝たにも関わらず、ハートチャクラから上がまだ詰まっているように感じられ、胸が詰まるように苦しかった。心臓の裏側(背中)が痛かった。朝起きてもそれは続いていた。

ワタシの心は重さに引っ張られて沈んだままだった。「鬱ってこんな感じなのかな。」そんなことを思った。引き続き自分に寄り添って、身体の感覚を感じること以外したくなかった。涙は前日ほどではないけれど、まだ時々こぼれ落ちる。カレは何も言わず、何も聞かず、必要な時は明るく接してくれて、それ以外は放っておいてくれた。とてもありがたかった。

いつものように瞑想をすると、いくつかのことが浮上してきた。

つづく・・
読んでくださり、ありがとうございます。

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