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アナログオーディオ ばんざい!(3)

=空間認知力と右脳!=

 たまたまラジオを聴いていると、黒川伊保子先生と言う脳科学研究者の面白いコメントに遭遇しました。

「感性リサーチ」というロボットのAI研究をベースにした、言語や脳科学の分野で著名な方ですが、最近では「男と女」はどうしてこうも違うのかというテーマで、夫婦愛や恋愛を実にわかりやすく解説、助言されている方でテレビでも人気の方です。

 黒川先生によると最近の若者は、スマホ、SNSばかり見て論理データを蓄積するための「左脳」が情報過多でパンパンになっていると指摘されています。一方、好奇心や、情緒、ドキドキ感などを誘う「右脳」にはさっぱりエネルギーが行かないので、とてもバランスの悪い脳の構造になりがちだそうです。

 とくに、幼児体験の中で、ボタンがボタンホールを通ってうまく服が着られた時に子供は「空間認知力」が豊かになって、「うまく止められた!」「一人で着られた!」という感動と共に、「右脳」の中で感性の領域を繋ぎ合わせる回路がどんどん発達して感動や感激をするそうです。

 このヒントでわかりました。いまのMP3を再生するポータブルオーディオ中心の「音楽」は、音楽を伝えるための最低限の「デジタル情報」がイヤホン、ヘッドホンをとおして安く、早く提供しているだけで、なかなか昔のように「右脳」を働かせるところまでいっていないのではないかな、と思いました。

 つまり、ダウンロードしたり、ストリーミングサイトをクリックするだけですぐイヤホンから耳に音楽が便利に届くわけなのです。

 一方アナログレコードは、ジャケットを眺めながら傷つけないようにそっとレコード盤をだし、レコードプレーヤに乗っける。そして注意深く貼りを落として「プチプチ」というスクラッチノイズを聴いたのち、スピーカーから音楽が流れるのです。

 これはまさに、「空間認知」「体感」と共に音楽を楽しんでいるわけですよね。

 このあたりに、最近のアナログレコードの人気アップの潜在的な理由の一つが推定できるのではないかと思います。



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