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精神科訪問看護で私が大切にしていること③

看護師 山田祥和
③いち訪問、いちよい出し
 人は人のできていないことに注意が向きやすく、日常生活でも批判的な態度を持ちがちです。人は誰しもダメ出しは得意です。
 看護の分野でも、支援していく上で指標となる看護計画で、問題点や課題に焦点を当てることが多いです。
 例えば、利用者さんが就労したいと目標を立てた場合、ここができていない、あそこができていないと、できていないことの抽出から始めます。できていることはたくさんあるのにです。
 利用者さんの多くは、ダメ出しをされて生活しているため、さらには精神疾患を抱えていたら尚更、自信がない方がおおいですありません。社会にダメ出しされてきているので、自己評価も低く、自己へのダメ出しも得意です。
 そんな利用者さんに対して、私は1回の訪問看護で必ず一つはよい部分を口に出して伝えるようにしています。ダメ出しではなく、よい出しです。
 よい出しの内容は何でもいいです。朝起きられていること、仕事の成果、パーカーの色、部屋が片付いていることなど。本人が少し頑張っていることをよい出しします。
 自尊心が低くなっている利用者さんには非常に効果的だと思います。いち訪問、いちよい出しです

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