見出し画像

私と甲子園③ 奇跡の…

皆さん、おはこんばんちは。


さて。私と甲子園の思い出話、その③をお送りします。

今日の記事タイトルは

「奇跡の…」


よく甲子園には「魔物」が棲んでいると言いますが、時に野球の神様が気まぐれをおこしたとしか思えない展開をみせる試合があります。

⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾

星稜vs箕島

私の記憶に刻まれている試合の一つに、昭和54(1979)年第61回夏の大会3回戦、星稜(石川)vs箕島(和歌山)があります。

延長12回と16回、星稜に表の攻撃で1点を勝ち越されたあと、2度もソロホームランで箕島が追い付くという神がかり的な粘り。

特に16回は、二死から一塁線に上がったファウルフライを一塁手が転んで捕れず、その直後に同点ホームラン!

試合は18回裏、箕島がサヨナラ勝ちで決着をみますが、3時間50分の熱戦は第4試合のためナイターになり、終了したのは午後8時近く。
仕事から帰って来た姉がプロ野球の試合と勘違いし、甲子園だと知ってびっくりしたのを覚えています。


⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾

日本文理の夏はまだ終わらない!


次は。

平成21(2009)年第91回夏の大会決勝、日本文理(新潟)vs中京大中京(愛知)の試合。
10-4と6点をリードし、もう誰もが中京の優勝を信じて疑わなかった9回表の日本文理の攻撃。
2アウトランナー無しから連打、連打でつなぎ、あれよあれよという間に5点を奪って1点差まで追い上げます。

この試合でも、ファウルフライが上がって「終わった」と思ったら、三塁手が見失って捕れないというシーンがありました。

最後は痛烈な三塁ライナーで試合が終わり、結局10-9で中京が優勝するんですが、ABC小縣裕介アナウンサーの

「つないだ、つないだ! 日本文理の夏はまだ終わらなーい!!」

という実況中継が今でも耳に残っています。


⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾

奇跡の満塁ホームラン

そして今からちょうど10年前。平成19(2007)年夏の決勝、広陵(広島)対佐賀北(佐賀)戦。

広陵は、現在広島のエースとして活躍する野村祐輔と、巨人の正捕手で侍ジャパンでも名をあげた小林誠司の黄金バッテリー。

対する佐賀北は、2回戦宇治山田商戦で延長15回引き分け再試合、準々決勝では優勝候補の帝京に延長でサヨナラ勝ちするなど、公立高とは思えぬ堂々とした戦いぶりで旋風を巻き起こし、決勝まで勝ち上がって来ました。

しかし、決勝は広陵の横綱相撲で、8回までに4-0とリードします。
そして迎えた運命の8回裏。

佐賀北は連打と四球で一死満塁とし、続く2番の井手が押し出し四球を選んでまず1点。次打者は今大会2本のホームランを打ち、長打力のある3番副島そえじま

カウント1-1からの3球目、真ん中に入った変化球を捉えた打球は、大きな弧を描いて満員のレフトスタンドに吸い込まれて行きました。逆転満塁ホームランで5-4と試合をひっくり返します。

9回表、広陵も同点の走者を出しますが、ダブルプレーでピンチを切り抜けた佐賀北が広陵を押し切り、まさに奇跡の逆転初優勝でした。

この時、ラジオで実況していたNHK小野塚康之アナのセリフが「ネ申かみ実況」として語り継がれています。

その音声にテレビ画像を重ねた動画がありますので、どうぞ観て、いや聴いてください😉

「打った、大きいー! レフトへ、あきらめた、あきらめた、入った、佐賀北、副島、満塁ホームラーン!」

この見事に韻を踏んだ言葉のつながり! ほれぼれします。

「あり得る最も可能性の小さい、そんなシーンが現実でーす!!」

あの状況でこんな言葉が出てくるアナウンサーは、前回ご紹介した植草貞夫アナと小野塚アナが双璧といっても過言ではないでしょう!

追記:
副島がホームインした後、カメラが野村の背中を映し出します。
そのカメラがパンダウン(下に下がる)して背番号1が映ると、キャッチャーの小林がポンポンポンとその背中を叩きます。
この一連のスイッチング(複数のカメラの映像を切り換える)のタイミングと、カメラマンの撮影技術。
これもある意味、神がかっていると言えるのではないでしょうか。

⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾⚾

判官びいき

この試合、井手が押し出し四球を選んだ球は低めの際どいボールで、野村は「えーっ?」という表情、小林は「なんでボール?」とミットを叩きつけるようなジェスチャーをしていました。

これは一部で物議を醸し、「世紀の大誤審」とか「公立高に肩入れしたのが見え見え」などの意見もネットで散見されます。

また、前述の日本文理の時もそうなんですが、甲子園では負けているチームが追い上げを見せると、球場全体が後押しする異様な雰囲気になります。

日本人には弱い方に肩入れする「判官ほうがんびいき」という気質がありますね。
これは源義経が、兄の将軍・源頼朝から目の敵にされて討たれたのを憐れむ大衆が、義経の官位(みなもと九郎くろう判官ほうがん義経よしつね)をとって、
判官ほうがんびいき」(〝はんがんびいき〟は誤読です😆)
と言うようになったんですが、甲子園でもこれがもろに出てしまうんですね。

まぁ日本人の気質だから仕方ないといってしまえばそれまでなんですが、相手のチームにとってはたまりませんよね😅

しかし、一つだけ言えるのは、野村の投球、副島の打撃は、投げも投げたり、打ちも打ったりの素晴らしい勝負だったということ。
球場の雰囲気、審判の判定というアドバンテージがあったとはいえ、あの場面で副島選手がホームランを打ったというのは紛れもない事実。
素直に誉め称えられて良いのではないかと思います。

とにかく、いろいろと強烈な印象を残した試合でした。

IMG_20170818_173804.jpg

広陵は、春は3回も優勝してるんですが、夏は準優勝が最高。
今年は、今日の準々決勝で九州勢が消えてしまったので、一番近い広島の広陵を応援したいと思います😉

この記事が参加している募集

私のスポーツ遍歴

見返したい名試合

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?