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授業中の居眠り

 

 私が見てきた、学習塾での授業中の生徒の居眠りについて思ったことをあれこれ綴ってみました。
 私自身は睡眠に関して専門的な知識を持っているわけではありません。そのため、具体的な症状やその解決法についてはこのnoteに載せていません。ご了承ください。

※カバー画像は、フリー素材サイトのぱくたそ様よりお借りしました。


私が学生のとき

 授業中に眠たくなってウトウト……というのは多くの人が経験したことのあるものだと思います。私も高校時代や大学時代にスヤァ……っと夢の中へ旅立ってしまったこと、必死に睡魔と戦って舟を漕いでいたことが何度もあります。


講師になって

 学習塾で講師のお仕事を始めてもうすぐ3年。4年目突入が迫っています。時期や日によって異なりますが、授業がある日の3分の1くらいの時間を「寝ている生徒を起こすこと」に費やしていないか?なんて日もある、というのが現実です(あくまでも私の主観・体感なのですが……)。
 個人的には、やっぱり学習に対して前向きな生徒、たくさん質問したい生徒たちのために時間を使いないなぁ、寝ている生徒を起こすことに多くの時間を使い続けるのは、ちょっと授業時間の使い方としてどうなのかなぁ……と考えてしまうのです。
 眠くて頭の働かない状態で授業を受けていても、ほとんど身につかないでしょう。居眠りの原因はそれぞれなので、効果が期待できないこともあるのですが、それでも、少しでも授業の時間を有意義なものにしてほしいという気持ちから、居眠りしている生徒に対しては様々な声掛けをしています。しかし、中には眠いが故にとても不機嫌になってしまう人もいます。授業中は「わからないところはない」と質問もしない、アドバイスもスルーの状態だったのに、授業後の振り返りでは「全然わからなかった」と書き殴って帰る人がいることも……。


生徒たちの目線で

 では、居眠りしている生徒の目線で考えたとき、「眠くなる原因」・「居眠りの理由」にはどういったものがあるのでしょうか。思いつく限り挙げてみます。

○シンプルに睡眠時間が足りない。
→夜遅くまで友達とLINEをしていた、ゲームをしていた、テレビを観ていた、宿題の量が多くて睡眠時間を削るしかなかった等。

○睡眠時間はある程度とれているが、睡眠の質が良くない。
→布団以外の場所で寝落ちした、ストレスであまりよく眠れない等。

○疲れている。
→部活でヘトヘト、水泳の授業でヘトヘト、運動会の練習でクタクタ、新学期で気持ち的にも疲れている等。

○生理の影響。
→個人差は大きいが、人によっては生理前や生理中に眠くなりやすい人もいるかと。

○天気や環境等の影響。
→夏の暑さで体力を消耗してしまう、冬の暖房でぼーっとしてしまう、気圧の影響で調子が良くない等。

○薬の副作用。
→風邪薬等の副作用で眠くなる。

○睡眠障害等の可能性。
→専門家ではないので詳しい状況のイメージを説明しづらいが、ナルコレプシー等の症状という可能性も人によってはあり得るのではないかと。

○授業がつまらない。
→勉強そのものが嫌いだったり、先生のことが嫌いだったり、興味が持てない・つまらないから眠くなってしまうことも。


居眠り対策で、自分にできることを

 まずは、可能な範囲で睡眠時間の確保や睡眠の質の向上を心掛けてみましょう食事をしっかりとったり、軽い運動をしてある程度の体力をつけたり、健康的な生活を目指してみるのも良いのではないかと。
 病気や環境面等、自分の力だけでは対処が厳しいものもあります。かかりつけの病院や専門的な知識を持っている信頼できる人・機関に相談してみるのも1つの方法です。例えば、「薬の副作用で眠くなる」という人は、眠くならない薬はないかどうか確認してみるとか……。
 また、学校の授業中は難しいかもしれませんが、塾の授業のような融通がききそうな環境であれば、

○顔を洗いに行く。
○外の空気を吸う。
○伸びをする、立ち上がってストレッチをする。
○水分補給をしてみる。


といった感じで、体を動かしてみるのはどうでしょうか。また、許されるのであれば、15分ほど仮眠をとらせてもらうのもアリだと思います(寝た分は居残りする等して補う)。ウトウトと寝てしまったあと、意識がはっきりしてから(集中できる状態になってから)きっちり遅れを取り戻すのも大切なことです。自分から集中できなかった分居残り(自習)して帰るとか、出された宿題より多めに取り組んでくるとか。自分に何ができるか、何をすべきか、じっくり考えたり周りの人に相談できそうなら相談したり、居眠りで失った分を積極的にカバーしていきましょう。
 「居眠り」は、私自身経験のあることだからこそ、そう簡単に改善できることではないというのは百も承知です。ただ、「授業」というのは、その時間にお金(授業料)を払って過ごすものなので、居眠りしていては時間もお金も無駄になってしまいます。とてももったいないです。だからこそ、まずは自分にできることをどんどん試してみましょう。自分にできることをせず、周りのアドバイスも聞かず、というのは、自分自身も周りの人もストレスになるだけなのではないでしょうか。


最後に

 生徒たちの居眠りを改善していくためには、その子本人の心掛けももちろんですが、周りの大人たちのサポートが必要不可欠なケースも多いです。ご家族の皆さんであれば、必要に応じて専門機関に相談できるように手配する、生活環境を整えてあげる等して、子どもをサポートする。学習塾であれば、ご家族と連携をとって、その日の生徒の体調に応じて授業時間をずらす、振り替え授業を設定しやすくする等、より集中して効率よく学習できるようにサポートする。こういったことが実行できれば良いのかなぁと考えることがあります。

 上記のような家庭と教室の連携がとれるまでは、明日以降の授業でも、私は居眠りしている生徒を起こし続けることになるでしょう。「居眠りしている」=「やる気がないなら塾は辞めなさい」、「疲れているので授業は厳しいです。辞めます」と生徒が退塾してしまうのを恐れて、塾長から保護者へ、こういった居眠り対策に関する具体的な話しを面談でしてもらえていないのが現状です(私が所属している教室の場合)。
 いろいろとモヤモヤすることも多いのですが、私が今後も意識していきたいなぁと思っていることは、「生徒たちの声にしっかり耳を傾けることを忘れない」ということです。こちらの勝手な思い込みで「やる気がないだけ」、「寝不足でしょう?睡眠時間ちゃんととってね」と決め付けることがないように、1人1人としっかり向き合っていきたいです。

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