見出し画像

国語の文法まとめ【その5】 〜単語の活用と動詞について〜

 今回から各品詞について掘り下げていきます。まずは動詞について。動詞の特徴や活用についてまとめているので、文法の学習のお役に立てれば幸いです。

※(2019.08.15追加)それぞれの活用の動詞の具体例を載せてみました。


関連するページのリンク

前回のnoteはこちら↓


動画版はこちらです↓

※動画版は、note・Word版と少し構成が異なります。


note版+個人サイト版のリンク集はこちら↓


個人サイト版のリンク集はこちら↓



単語の活用

 用言の活用についてチェックしていく前に、活用表を理解し覚えるうえで必要な文法用語を紹介しておきます。手書きの動詞活用表の画像と見比べながら確認してみてください!

○基本形
(下の方に載せている活用表のオレンジ色の枠内
→辞書に載っているような形、言い切りの形と考えてよいです。

○語幹
(活用表の赤色の枠内
→基本形のうち、単語の形が変化しない部分のことです。語幹が存在しないものは、枠内に丸印や斜線が書いてあります。また、語幹と活用語尾が区別できない単語のときは、語幹がかっこ書きされています。

○活用語尾
(活用表の色がついていない枠内
→基本形のうち、単語の形が変化する部分のことです。形の変え方には決まりがあるので、1つずつ覚えていきましょう。

○活用形
(活用表の緑色の枠内
→あとに続く言葉(活用表の青色の枠内)によって6つの形に変化します。

未然形:「ない」や「」などに続く。
連用形:「ます」や「」などに続く。
終止形:言い切りの形。「」で終わる。
連体形:「とき」などに続く。
仮定形:「」に続く。
命令形:命令して言い切る形。「」で終わる。

「ない・う/ます・た/。/とき/ば/。」

と、「主な続き方」と「活用形」を順番も含めて覚えるようにしましょう。


動詞について

○特徴・ポイント
→人やものが「どうする」、「どうなる」、「ある・いる」(動作や作用、状態、存在)を表します。活用する自立語で、用言の1つ。言い切りの形がウ段の音になります。


○活用の種類
→動詞は活用語尾の変化のしかたによってさらに種類分けできます。全5種類。特徴を理解して、何活用の動詞なのかをスマートに見分けられるようにしましょう。

五段活用:活用語尾が「ア/イ/ウ/エ/オ」と変化していく。
上一段活用:活用語尾がイ段の音を中心に「イ/イ/イル/イル/イレ/イロ・イヨ」と変化する。
下一段活用:活用語尾がエ段の音を中心に「エ/エ/エル/エル/エレ/エロ・エヨ」と変化する。
カ行変格活用(カ変):「来る」の1語だけ。変則的な変化をするので、しっかり順番と形を覚える必要がある。
サ行変格活用(サ変):「する」と「〜する・〜ずる(複合動詞)」がある。こちらも変則的に変化するので正確に覚えておく必要がある。

 この「活用の種類」については、活用表も合わせて覚えていきましょう。
 「カ変」と「サ変」の動詞はそのまま暗記すれば大丈夫ですが、「五段」と「上一段」・「下一段」の動詞は「ない」を続けてみて(未然形にしてみて)、直前の音がどうなるかで判断することができます。

直前がア段の音なら五段活用
直前がイ段の音なら上一段活用
直前がエ段の音なら下一段活用
(活用表でもチェックしてみてください!)


動詞の活用表

【五段活用】

→音便とは?
 五段活用の連用形は基本的には「イ段の音」になるのですが、「タ(ダ)」や「テ(デ)」が続くとき、「イ(イ音便)」、「ン(撥音便)」、「ッ(促音便)」の音に変化することがあります。

※読み方
音便:おんびん
撥音便:はつおんびん
促音便:そくおんびん

 古典文法でも登場するので、ここで考え方を覚えておくと良いでしょう。

〈動詞の具体例〉
○音便のない五段活用の動詞→押す、落とす、下ろす、貸す、返す、消す、壊す、探す、捜す、刺す、過ごす、倒す、出す、直す、失くす、残す、話す、外す、引っ越す、冷やす、増やす、減らす、申す、燃やす、戻す、汚す、渡す

イ音便→開く、歩く、急ぐ、浮く、動く、置く、泳ぐ、書く、片付く、乾く、気がつく、聞く、咲く、騒ぐ、着く、付く、続く、届く、泣く、脱ぐ、抜く、吐く、履く、働く、引く、弾く、開く、吹く、拭く、磨く、焼く、沸く

撥音便→遊ぶ、選ぶ、込む、住む、死ぬ、頼む、包む、並ぶ、飲む、運ぶ、踏む、休む、病む、呼ぶ、読む

促音便→合う、会う、上がる、集まる、洗う、温まる、言う、行く、受かる、要る、歌う、売る、余る、祈る、送る、踊る、折る、思う、行う、終わる、買う、飼う、かかる、飾る、叶う、通う、変わる、帰る、決まる、勝つ、被る、頑張る、切る、腐る、曇る、困る、触る、下がる、誘う、叱る、知る、吸う、座る、閉まる、知り合う、滑る、育つ、建つ、立つ、違う、使う、造る、作る、伝わる、釣る、手伝う、通る、止まる、泊まる、直る、治る、取る、撮る、習う、亡くなる、眠る、登る、上る、乗る、残る、測る、量る、走る、入る、払う、始まる、拾う、降る、太る、ぶつかる、減る、混ざる、守る、曲がる、待つ、回す、見つかる、向かう、持つ、戻る、役に立つ、破る、酔う、わかる、笑う、割る、渡る


【上一段活用・下一段活用】

→「似る」や「出る」のような2音しかない上一段動詞・下一段動詞は語幹と活用語尾の区別ができません。そのため語幹の部分が「(に)」や「(で)」のようなかっこ書きになっています。


〈動詞の具体例〉
○上一段動詞→浴びる、居る、起きる、老いる、降りる、落ちる、借りる、着る、信じる、染みる、過ぎる、足りる、閉じる、似る、見る

○下一段動詞→開ける、上げる、集める、入れる、植える、受ける、売れる、生まれる、遅れる、教える、覚える、折れる、変える、換える、掛ける、消える、決める、切れる、壊れる、答える、下げる、調べる、捨てる、育てる、倒れる、建てる、食べる、疲れる、付ける、伝える、続ける、勤める、出る、届ける、取れる、投げる、並べる、慣れる、逃げる、脱げる、濡れる、載せる、外れる、話せる、晴れる、冷える、増える、褒める、混ぜる、待たせる、見える、燃える、持たせる、焼ける、痩せる、破れる、辞める、汚れる、出掛ける、止める、寝る、乗り換える、始める、負ける、見せる、迎える、忘れる、温める、沸かせる、別れる、割れる


【カ行変格活用・サ行変格活用】

→「変化しない部分」がないため、語幹がないのです。変格活用の動詞はそのまま表ごと覚えてしまうと良いでしょう。

〈動詞の具体例〉
○カ変→来るのみ

○サ変→する、運転する、案内する、がっかりする、キャンセルする、クリックする、見学する、研究する、散歩する、修理する、出張する、紹介する、心配する、信ずる、説明する、洗濯する、掃除する、チャレンジする


 思いつく限り具体例も挙げてみました。
 ここに載せていないもので、何活用のどんな動詞があるでしょうか。皆さんもぜひいろいろな動詞を探してみてください!



 今回のnoteはここまで。次回は「自動詞・他動詞」と「可能動詞」、「補助動詞」について触れたいと思います。学校の国語の授業ではガッツリと扱わないこともある項目ですが、覚えておくと作文などで役に立つ他、英語の学習でも活かすことができます。よろしければ次回も読んでみてください!

※誤字・脱字等あれば、気づき次第修正していきます。よろしくお願いします。


次のnoteはこちら↓


リンク集はこちら↓

いただいたサポートは、文房具代や新しい教材費、博物館等の入館料、ちょっと美味しいものを食べる用に使わせていただきます!