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何故過ちを繰り返すのだろう

 ※カバー画像は、ぱくたそ様(www.pakutaso.com)よりお借りしました。



 もうすぐ夏休みも終盤、というタイミングですが……毎年のようにテレビやネット等のニュースで「熱中症」が取り上げられているのに、どうして病院に運ばれる人・亡くなる人があとを絶たないのでしょうか。「夏」になるといつも気になるのです。


運動部の生徒たち

 私がこれまでに授業で関わった子どもたちの話です。運動系の部活動で、ろくに休憩時間も与えられず部活中に具合が悪くなってしまう子も少なくない、そんな部活が未だにあるようです。(私が実際に自分の目でその部活の様子を見たわけではなく、あくまで生徒から聞いた話なのですが……。)
 運動系の部活で、より上の成績を目指そうと頑張っている部の中には、部員以上に顧問の先生のほうが気合いが入り過ぎてしまっているところもあります。そういった部活はまともに休みをくれなかったり、体調を崩すレベルのハードな練習をさせたりすることもあります。

○試合と試合の間等、「体温めとけ」と休憩時間をもらえなかった。
○夏の真っ昼間に、炎天下の中練習させる。

 授業で教室に来た子で、始めは元気だったのに途中で体調が悪くなって帰宅した子も何人かですが見てきました。
 この季節に眠そうにウトウトしている子がいると「熱中症の症状だったりしないかな!?」と怖くなります。
 これだけ毎年熱中症による死亡の報道が繰り返されているのに、こういった熱血系?の先生方は何も感じていないのでしょうか。自分が大丈夫だから生徒も大丈夫なはずだと思っているのでしょうか。それとも、「体力がないからだ」とか「甘えだ」みたいなお考えをお持ちなのでしょうか。本当に理解できません。ぜひインタビューさせていただきたいくらいです。


水分をとらない生徒たち

 夏休みに入ってからの授業で、長時間頑張っている生徒もいるのですが、全く水分をとらない……というかそもそも水筒等を持ってきていない子もいます。日中家で全然水分とっていなかった!と話してくれた子もいました。どちらも中学生です。
 また、水分どころか、食事もしっかりとれているのか怪しい子もたまにいます。
 「水分とか塩分とか、適度にとらなきゃ危ないよ」と声をかけるのですが、「喉渇いていないから……」等と返されて終わってしまうことも。


私が所属している学習塾の現状

 正直に申し上げますと、教室内にはいざというときに使える「保冷剤」や「経口補水液」、「塩タブレット」等は現段階で置いていません(塾長に頼んではいるのですが……)。ウォーターサーバーやキーパー(むぎ茶等)もないので、喉が渇いたときには、近くの自動販売機に買いに行くか、自宅から水筒を持ってくるか、教室に向かう途中でコンビニやスーパーで飲み物を買っておくか、教室内のトイレの手洗い場の水道水を飲むかしかありません。教室内はクーラーが効いていますが、それだけです。講師の私でも、授業続きで水分補給のタイミングを長時間とれずにいると、正直フラフラしてきますし、ぶっ倒れそうになります。そのくらい、熱中症に対する配慮は足りていないのです。注意喚起をし、声をかけつつ児童・生徒の様子をチェックすることしかできていないのです。
 残りの夏、そして来年以後に備えて塾長に繰り返し問題点を指摘し続けたいと思います。


他人事と思わないで

 部活の指導者も、生徒本人も、そのご家族も、ニュースで散々報道されている「熱中症」を他人事くらいにしか思っていないから、毎年のように悲劇は繰り返されるのではないでしょうか。

 例えば、
○夏休みの部活は、午前中のまだ気温が上がりきっていないうちに終わらせる。
○水分補給する時間、十分な休憩時間・場所の確保を徹底する。
○空調設備の整った場所で練習できるように手配する。
○筋トレ、基礎練、練習試合等、体を動かす活動だけではなく、視聴覚室等でビデオや資料を使っての活動も取り入れる(プロの試合や自分たちの試合等を視聴して分析したり戦略会議をしたりする。または、プロが実践している効果的なトレーニングを学んだり、体作りのための食事や熱中症予防の水分・塩分のとり方を学んだりする等)。
○喉が渇いていなくても水分はこまめにとる。
○出掛けるときには、むぎ茶等を持たせる。
○毎朝味噌汁を1杯飲む。
○食事、睡眠をしっかりとる。
○熱中症についての情報をこまめにアップデートする。自分勝手な判断をしない。

といった、学校でできる取り組み、家庭でできる取り組みを実践していってほしいです。もちろん情報の新旧や正誤の見極めも必要ですが、Twitter等、ネットでいくらでも情報は手に入ります。特に小中学生は大人が思っている以上に子どもです。命を守るため、取り返しのつかない結果にならないように、周りの大人たちが気をつけてあげることが必要です。


想像力を働かせて

 熱中症の問題に限らず、水難事故等、他の物事でもそうですが、まずは情報収集が大切です(受験とかでもそうですよね)。情報を制するものが戦いを制するのです。逆にいうと、情報を上手く扱えないと自分に不利益が生じる可能性があるということ。明日の天気は? 気温は? しっかりチェックして、適切な行動ができるように対策しましょう。
 そして、想像力を働かせること。これも重要なことです。「これをするとどうなる可能性がある?」「これをしなかったらどうなる?」と先のことをイメージできるようにしましょう。「先のことなんてわかるわけないじゃん!」という人もいるかと思いますが、「気温37度で水分補給せずに運動させていたら部員が命を落としました。まさか死ぬとは思わなかったので……」なんてことが通用するでしょうか? 台風が接近中なのに川沿いでバーベキューやらキャンプやらを満喫している人たちは「台風がくる→大雨が降る→川が増水する→自分たちが危ない(命の危機)」というのが想像できなかったのでしょう。想像力の欠如は、自分や自分の周りの人を危険にさらすこともあるのです。


最後に

 思ったまま書き綴っていったのでまとまりのない部分もあったと思いますが、最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。
 今の私にできることは、教室内で児童・生徒に注意喚起すること、塾長に対策をお願いすること、私自身がどんどん知識を身につけていくことかなぁと考えています。
 先程「想像力が大切」ということも書きましたが、考えることが苦手な子・想像力が足りていない子は私の教室に何人もいます。そういった子たちへの教育についても今後の課題だと感じています。

 このnoteを読んでくださった方で、「うちではこういう対策をしているよ!」とか「こういうやり方もあるよ!」といったアイデアをお持ちの方がいらっしゃれば、ぜひコメントでご教授ください。よろしくお願いします。

 誤字・脱字、読みづらい箇所等は見つけ次第修正・編集していきます。

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