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「塾に通うだけ」じゃ、テストの点は上がらない!!③

【今回のテーマ】

「週に1〜2回通塾するだけ」では、身につかないかも……?


※全ての学習塾を知っているわけではないので、やり方が異なる教室もあるかと思いますが、私が講師をしていて感じたこと・気づいたことをもとにまとめていきます。



 正直、小中学生であれば学校で週に3コマ4コマ分(高校生ならさらに早く)は進んでいく授業に対して、学習塾には週に1〜2日程度しか来られない生徒が多いかと思います。それは、部活の都合や塾の費用面の都合などを考えれば仕方がないことです。

 しかし、特に苦手な科目を克服したくて学習塾に通っているのであれば、週1〜2回程度の授業だけで完璧に克服したり大幅に成績アップしたりといったことは無理があるのです。

 例えば、1週間で、学校の英語の授業が教科書4ページ分、数学が教科書6ページ分進んだとします。
 塾での授業は「予習タイプ」のところも多いと思うのですが、苦手なところが少なければ少ないほど、塾での授業はスムーズになるでしょう。自分でポイントを理解してサクサク解けるわけですから。塾での予習をテンポ良く進め、学校の授業でさらに理解を深めていく。理想的な学習スタイルです。

 しかし、「数学が苦手で定期テストでは全然問題が解けない。テスト勉強しようにも問題が全然わからない。」という子がいたとして、その子のテストの点数を上げよう!結果を出せるようにサポートしよう!ということになったとしたら……。その場合、具体的にどこでつまづいているのか、何が原因なのかをはっきりさせていくところからスタートし、つまづいた学年・単元から学習していく必要があるのです。

〈具体例〉
 中学3年生で入塾した生徒で英語が大の苦手。入塾テストの結果や実際に問題を解いている様子から、アルファベットがそもそも覚えられていないことがわかった。
→アルファベットの学習やローマ字の学習からスタートし、中学1年の単語や文法から順に学習していく。

 学習塾にくる児童・生徒の中には、上記の具体例のように、今の学年よりずっと前の学年の学習内容まで遡って確認していかなければならないケースもあります。
 どのくらい遡ることになるのか、今の学年の単元に追い付くまでに時間や練習量がどのくらい必要か等については、その児童・生徒の能力やモチベーション等によって違ってくるでしょう。
 ただはっきりと言えるのは、程度に差はあれ「苦手分野の克服」を目的に入塾したならば、週1〜2回程度の塾の授業だけでは結果を出すことは難しい、ということです。

 そこで大切になってくるのが自宅での学習です。学校の授業や宿題、塾からの宿題をじっくり取り組んでみて、わからなかった問題やミスした問題で納得できなかったところ等をチェックしておく。そして、塾での授業のときに、そのチェックした問題を講師に解説してもらったり、類題を用意してもらって繰り返し練習する。そうして「できない」「わからない」を少しずつ潰し「できる」を少しずつ増やす場として塾を活用するのはどうでしょう。
 もしくは、先程の具体例のような「遡っての学習」が必要な児童・生徒の場合は、塾の授業で確認した解き方を自宅で反復練習する。基本的な用語や公式等を繰り返し音読したり書いたりして覚える。次に塾の授業を受けるまでの間に、教わったことを忘れないようにする。こういった復習を自宅でしてもらえると良いのではないかと思います。

 「自分で学習する習慣が全く身についていないから、塾に通わせているんだけど。」というパターンも多いと思います。その場合なおさら、週1〜2回程度で大きな効果を期待するのは難しいかと。
 今私が見ている生徒の中にも、

😣「この計算のやり方がわかりません!」
→解き方を解説したり教科書で調べさせたりして確認。その日の授業で計算問題を解けるようになった。
→宿題を活用して復習しておいてね!と類題を宿題に。
→翌週の授業で宿題を確認すると全問正解だが、計算のやり方は完全に忘れてしまっている。振り出しに戻る。
(前回の授業の直後に宿題を済ませて、それ以後ノータッチ、または答えを丸写ししただけ等)

というパターンの子が何人もいます。定期テスト対策で問題を解かせたときにはスラスラ解答できていたのに、テスト当日にはほとんど忘れてしまっていて点数に繋がらない、といったパターンの生徒も少なくないのです。「短期記憶」だけで終わってしまっているのでしょう。正直これでは「勉強させています・していますパフォーマンス」にしかなっていません。

 じゃあどうすれば良いか、私なりにいくつか案を挙げてみます。


①塾での授業コマ数はそのまま、自宅での学習時間を確保する。

→保護者の皆様もお仕事や家事等でお忙しいとは思いますが、1日15分とか20分とかでも構いません。「勉強したの?勉強しなさい!」とお説教だけではなく、一緒に問題を考えてみたりその日の授業の内容についておしゃべりしてみたりする時間を作ってみてください。勉強を教える必要はありません。一緒に考えたり、逆に教わったりしてみる程度で大丈夫です。アウトプットする時間を継続して確保する手助けをしてあげてください。


②塾での授業コマ数はそのまま、塾の自習室を利用する。

→塾生は無料で自由に自習室を利用できるところが多いのではないかと思います。授業と自習を上手く組み合わせて塾を利用してみてはいかがでしょうか。講師の手が空いているときには、わからないところの質問をすることもできるでしょう。デメリットを挙げるとすると、授業で来ている子が当然優先になるため、タイミングによっては質問ができないこともあります。また、自習室に来たは良いものの、スマホばかりいじったりひたすら爆睡したりして時間を潰して帰る、といった感じでほとんど勉強せずに帰る人もいるので注意は必要です。


③塾での授業コマ数を増やす。

→料金は高くなってしまいますが、自宅での学習が厳しい場合は自習室の利用よりも授業として来てもらったほうが講師としてもサポートはしやすいです。ただ、コマ数を増やすだけではなく、教室とご家庭との連携や本人のモチベーション等も大切なので、コマ数を増やしたからすぐに確実に成績が上がるというわけではないということもご理解いただく必要があります。


 ただただ時間をかければ良いというわけではありませんし、児童・生徒によって何が必要かは十人十色、千差万別なのですが、やはり基本的な項目を覚えて使いこなせるようにしていくためには、それなりの練習量・時間が必要になってきます。その子に合った・ご家庭に合った「意味のある取り組み方」で、学習を進めていってほしいです。そして、そのサポート機関の1つとして学習塾を活用してもらえると、1講師として幸いです。


 ここまで読んでいただきありがとうございました。誤字・脱字やわかりづらいところ等は、見つけ次第修正・編集していきます。

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