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BL・野良猫の飼い方2

3 大切な人

此処は、5LDK。
手前から、ダイニングキッチン
そしてバスルームに
ユーティリティ。
廊下を挟んで、左右に6畳の部屋
右にもう1部屋。
突き当たりに8畳の部屋
其の部屋の左にも部屋がある。
矩も聖も、ウリ専から足を
洗いたくて元締から逃げている所を
智嘩に救われたらしい。
そういう子達が、社会復帰するのを
手伝うのが智嘩と栄枝の仕事。
智嘩は別に本業があるらしいけれど。

僕には、3番目?の部屋が
与えられた。
壁側にベッド、窓側に机と椅子に本棚。
本棚には、色んな本が詰め込まれていた。
「へぇ、心理学入門か。
哲学の本、後で読むかな」
ーーあれ?
何か聞こえる。
僕は、廊下に出て音のする方へ
歩いた。
ギシっと、床が鳴った。
『・・・・・・あぁあ』
え?
『好き 聖・・・・・・』
ドアがほんの少し開いてる。
!!
矩と聖だ!此の2人、
デキてるの?!
まずい、そっと離れよう。

僕は自分の部屋に戻って
ベッドに寝転がった。
びっくりした、でも
そうだよね。
ウリやってて少しでも
其の快楽知っていれば当然
欲しくなる。
《そう、当然》
欲しくなる
《誰にする》
欲しい
成海は死んじゃった
智嘩はいい躰してるよねぇ
ーー智嘩
そう
僕の獲物
誰のモノでも無い
僕ひとりの智嘩
《血の一滴も残さず
喰らおう》
イヤだよ
智嘩は死なない
だって智嘩は
僕に温もりをくれるもの
温もり?
そんなもの僕には
必要ないよ
ただ、肉欲を満たして
くれればいい