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BL・野良猫の飼い方2

4 花は蕾

今日は水曜日。
智嘩は、仕事が休みで
遅くまで寝ていた。

僕は自室で本を
読みながら、智嘩が
起きてくるのを待った。
ドアを少し開けてーー
もどかしい時間。

もう少しで昼になる。
ん?
パタパタと足音が
聞こえてきた。
《やっと、ご登場か》
僕は智嘩に、おはようを
言おうとドアを開け
部屋を飛び出した。
「わぁ!」
「おっと!大丈夫か?」
勢い余って、智嘩に
ぶつかってしまった。
ひっくり返りそうになったのを
支えてくれたのは、左手ーー
「びっくりしたぁ。
おはよう智嘩!」
僕は自然と、智嘩に
抱きついた。
うわぁ、胸板厚い。
鍛えてる躰だ。
パジャマの上からでも
分かる。
どうしよう、躰が火照る。
僕はそっと躰を離した。
今すぐにでも
抱いて欲しい!
けれど、他の人も
居るし・・・・・・
《堪えるしかないな
時を待とう》

昼ご飯を皆で食べて
僕は、片付けを手伝った。
「ねぇ栄枝さん。
お金はどうしてるの?
食費や家賃とか」
「ん、此のマンションの
名義人はぼくなんだよ。
後は父が残してくれた遺産をね」
そう言うと、クスリと
笑った。
遺産と一言で言っても
色々ある。
月曜日の昼過ぎに
必ず出掛けて行くのは?
まぁいい。
栄枝と智嘩は
パートナーでは
ないみたいだし
好きにヤラせて貰うよ。
クスクス。