見出し画像

小倉城庭園の香道講座

小倉城庭園の香道講座

小倉城庭園では様々な「道」のお稽古講座が開催されています。
その中でも今回は「香道」についてお伝えいたします。香道は大変面白いです。館長オススメ!講座です。小倉城庭園では志野流(しのりゅう)の講座が開催されています。

志野流は、室町時代に始まり現在まで続く香道の流派です。小倉城庭園で志野流の講座が開催されることになったのは、小倉藩との関係性が深かったためだと聞いています。月に1度の講座が、第3月曜日午前と午後、第1火曜日午後、開催されています。月曜午前の講座は、初心者の方でもお気軽にご参加いただけます。

香道の歴史

香道の歴史は古く『日本書紀』にも香木の記述があります。東大寺正倉院に収蔵されている「蘭奢待/蘭麝待(らんじゃたい)」という香木については知っている方も多いのではないでしょうか。天下第一の名香と謳われています。「蘭奢待」という名は、その文字の中に"東・大・寺"の名を隠した名称だそうです。足利義満、織田信長、明治天皇らが、切り取ったことが歴史上のニュースとして残されるほど、重要な香木と言えるでしょう。

志野流は、志野宗信を始祖とする室町時代から現在まで香道の道統を唯一途絶えることなく継承してきた流派です。現家元幽光斎宗玄で20代となります。現在教場は全国に約200ヶ所ありますが、そのひとつが小倉城庭園です。

香りを聞く

実際に講座を体験してみました

お稽古では組香という遊び(言ってみれば)を体験します。実際に、私も何度か体験しました。組香は数種類の香を聞いてその香りを当てる競技です。(香道の世界では香りを聞くと表現します)香りを聞いて当てるだけでなく、源氏物語などの古典文学をベースにしたゲーム性も特徴です。
香りを覚えることがゲーム性の肝なのですが、これが覚えられないんですね。

一般的には香りを味に例えて憶えるそうです。「この香は、甘味7割辛み2割苦味1割」のような感じだそう。甘味はなんとなくわかるのですが、辛味は全くわかりません。この覚え方も人によって違うそうです。色のイメージで覚える人もいるそう。そして、一番のポイントは香りは儚いということ。

その香りの記憶を持続させるには、作法が当たり前になり、意識を集中させる必要があり、集中を持続させることが重要なのですが、なかなか難しいです。小筆を使って投票していくのですが、書くことに気を取られるとそこでもう香りの記憶が失われたりもします。(個人の感想ですが)

聞いた香りを当てるゲーム性

というわけで香道がとても面白いんですよ!」という話を、私がとあるカフェのマスターに熱く伝えたら、毎月講座に来てくれるようになりました。というわけで、香道講座を始めて1年くらいの感想として、香道の面白さや難しさについて聞いてみました。

初心者である、とあるカフェのマスターの言

「香道が面白いポイントですか… それ以外のことを、何も考えなくなるんですよ。香を聞いている瞬間は一旦別次元になります。その瞬間が別世界なので面白い。頭の中をリフレッシュできます。
香りを聞くというのは人間の持つ五感の中でも劣っている感覚なんだと思うのです。その劣っている感覚を研ぎ澄ますことは楽しいことです。香りの記憶を当てるようなゲーム性なのですが、記憶のしかたも人によってそれぞれです。
それから自分の集中力や体調が作用するのも面白いポイントですね。当たらなくっても面白いんです。当たらなかったときに納得感があるんです。集中できなかったことや、気がそれたことなど。原因がわかりやすいです。そういった自分を見つめるということや、頭の中をリフレッシュできることなどを含めて、毎月1度、楽しんで通っています。」

なるほど。小倉駅から濡れずに歩いて行ける、とあるカフェのマスターありがとうございました。皆様も、ぜひ体験されてみてはいかがでしょうか。秋には「香を聞く会」という、気軽に体験できる会もあります。皆様のご参加をお待ちしております。

追伸:香道で先日とても感動した体験があります。それは個人的な感想になりますので個人のnoteに書いてみようと思います。

組香のお手前

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?