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1+1は結ぶと別の形になる~小倉城庭園企画展『春を包んで風呂敷展』開催

2月17日より、ふろしき研究会さんにご助力いただき『春を包んで風呂敷展』を開催しています。ここでは、風呂敷にまつわることや、小倉城庭園との関連などをお伝えします。

春を包んで風呂敷展

風呂敷という言葉の由来

「風呂敷」の名前は「風呂」で「敷く」布が由来となっています。室町時代までのお風呂は今とは違い、蒸し風呂だったそう。スノコの下から薬草などを燃やして煙を出し、祈祷や疫病対策などに利用していたところから始まったとのこと。 そのスノコに直に座ると熱いので、蒸気を均一化するためにも、汗を吸わせるためにも、大きな布を敷いていたんですね。

モノを包む布として「平包」が流通していましたが、人々の暮らしの中で、江戸時代中頃にはものを包む布を「風呂敷」と呼ぶことが広まっていったとのことです。

物を包む歴史。小倉城庭園にも。

貴重な品物などを大切に保管するための"包み布"ですが、奈良の正倉院には、当時の宝物を包んだ布が1300年の時を経てその姿を残しているそうです。

また、小倉城庭園がある場所は、下屋敷跡という遺跡だという話は以前書きましたが、その遺物の中に鏡を絹で包んだ跡が発見されています。こちらに詳しく記載されています。

小倉城下屋敷跡
P268 鏡面繊維付着分布図

こちらは北九州市のHPから引用しています。

長宜子孫内行花文鏡 1面

 小倉城下屋敷跡の発掘調査で平成8年に出土した後漢代の鏡である。小倉城下屋敷跡は縄文時代から室町時代、江戸時代などの複合遺跡である。この鏡は、弥生時代後期の土層から出土しており、墓の副葬品と思われる。鏡面の直径15.6cm、反り6mm、鈕の径16mmの青銅製円鏡で、「長宜子孫」(長く子孫に宜し)の銘がある。この鏡の鏡面には、水銀朱付着繊維、平絹、高級絹織物である羅の可能性もある繊維の3種類の布の繊維が付着しており、これらの布で鏡を二重に包んでいたことが判明している。

北九州市公式HP 「考古資料」

小倉城庭園の場所では、2000年前から誰かが物を布で包んで渡していたんです。正確に言えば副葬品ですが。弥生時代から、墓に布で巻いた品を入れていたというのも凄い話です。小倉城庭園は本当に凄い場所にありますね。今後、小倉城庭園はプレゼントの聖地になるかもしれません。

結ぶということ

さて今回のふろしき展では、豊田コレクション意匠研究所を主宰されている豊田満夫氏と、一般社団法人ふろしき研究会さんの森田知都子代表にお世話になっております。

小倉城庭園の展示

展示前に森田代表に伺ったことで、最も心に残っているのが「一と一を合わせると二になるんですが、結ぶと形になるんです」という言葉です。形が変わる。結びの形って無限に作ることができるんですよね。これが結びか…と感動しました。

ふろしきで包んだティッシュケース

ギャラリートーク&ワークショップのお知らせ

さて、後は告知です。ふろしきを収集されている豊田氏によるギャラリートーク&講演会を開催します。風呂敷の良さを学ぶには最適な機会となります。ぜひお越しください。

【概要】
『幸せを願う風呂敷の吉祥文様』ギャラリートーク
日時:2024年2月23日(金・祝)①10:30~ ②13:00~
参加料:500円
定員:先着25名様(事前申込制)
小倉城庭園(093-582-2747)までお申し込みください。
詳しくはHPをご覧ください

ワークショップで作成するイメージ

『風呂敷ふろしき包みワークショップ』
風呂敷を使ったバッグやお土産の包み方、酒瓶の持ち運び方までお伝えします。SDGsが叫ばれる今こそ、本当のエコが体験できます。

参加料500円
2/17(土)、3/2(土)、3/9(土)、3/16(土)、3/31(日)、4/13(土)
時間:11:00~ 各回40分
場所:小倉城庭園研修室
※3/31(日)のみ11時~と13時~の2回開催
予約:不要、当日受付にて先着順(20名まで)
講師:ふろしき研究会会
詳しくはこちら

優しい先生が教えてくれます

ぜひ、この機会に、小倉城庭園へどうぞ。

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