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フロ庭通信!No.23

いよいよ小屋入り!
ここに音響照明がついて、アイホールという空間でなんて……わくわくです。
さて、『フローレンスの庭』はユウコの記憶のお話。キャストインタビューのラストはユウコ役の趙清香さんです!

撮影:村上信六

趙清香(ちょう ちょんひゃん)
在日コリアン4世のフリーの役者。
高校演劇から始まり、大阪芸術大学短期大学部を卒業。
ここ2、3年は平均7〜8本程の舞台に立っている。コロナ前は韓国にも公演に行っていた。
主な出演履歴
2017年2月 劇団太陽族「大阪レ•ミゼラブル」
2019年9月 おうさか学生演劇祭「チャンソ」
2021年2月 玉造小劇店配給芝居vol.28 「長い長い恋の物語」
2021年3月 プロジェクトKUTO-10第20回公演 「かもめごっこ」
2022年10月 清流劇場10月公演「くたばれヒッポリュトス」


— もうすぐ小屋入りですが、いかがでしょうか。
なんか、あっという間やったなっていうのが一番で。始まった時は、人数も多いしどれだけみんな一丸となってやっていけるかっていうのが、正直不安やったけど。今はいい意味で、もっともっと共演者の人とと仲良くなれる時間があったらよかったのになって。すごく素敵な座組みになったなって。だからこそ、ほんとにあっという間だったなと。

— 今回の公演の見所は?
脚本がすごくすばらしいので。ひとりひとりの登場人物たちのエピソードがいっぱい盛り込まれてる。その中で、語られてない余白の部分をどれだけ伝えられるかなって。シーンシーンで登場してる人と登場してない人といると思うんですけど。とか、この時この子はこう思ってるけど、周りで聞いてる子たちはどうなんだろう、とか。そういう、エピソード以外でも役者が頑張って埋めていっている余白の部分を、どれだけお客さんが感じ取ってくれるか、みたいな。そういう細かいところを見ていただきたいなと。

ユウコの記憶の話で、ユウコが昔見てきたお話ではあるんだけど、語られてないエピソードってたぶん、もっと一人一人物語がいっぱいあって。高橋さんの中でどれだけの設定を、細かく作ってるかわかんないけど。それをあえて、こんだけしか台詞にしないっていうのがすごいセンスだなっていうか。お客さんに投げかけて想像させるのは、私なんかがいうのはおこがましいですけど、ものすごい手腕のある劇作家の方だなと思うので。やっぱりそこを、役者が埋めていかないとだめなんで。それを感じ取ってほしいなと思います。

— ユウコの人物像について
多分、自分がこうしたいとかっていう感情的な部分とそうしてはいけないっていう理性みたいな間で、たぶんずっと、我慢してきた子なんじゃないかなって。複雑っちゃ複雑な家庭環境で育って、寂しい思いを埋めれないまま、自分でなんとかするしかないと思って、頑張って生きてきた子だと思う。その記憶の断片に、自分を愛してくれた父親の記憶があって、なんの記憶もない母親があって。その隙間をどうにか自分で埋めてきてる子なんじゃないかなと思う。

ユウコが主体のお芝居ではあるんですけど、結構人の話を聞いてるシーンが多いんですよ。モノローグはあるけど、劇中で喋ってるのってそこまで多くなくて。たぶんみんなの方が喋ってるんじゃないかなってくらい、結構人の話を聞いてるってシーンが多い。昔しんどい思いした分、人の傷とかそういうものに、寄り添ってあげたいっていう気持ちがたぶんどこかであって。そこをどこまで自覚してるかわからへんけど、自分もそういう人間になりたいと思ってる子なんじゃないかなと思ってます。
— ユウコとちょんひゃんさんの共通点
ユウコは人間の強さとか弱さとか、ずっと目の当たりにしてきてるから。なんていうか、人間の弱い部分もわかるし、でも人間てそれでも強くあろうとしなければいけないんじゃないか、とか。それで、弱いものが傷つくってことは許されないんじゃないかっていうことを、思ってる子だと思うんですけど。私も基本的には、常に弱い人の立場でものを考えたいとは思ってるので。で、強いものに抗いたい自分みたいなのもおるんで。人に寄り添って生きていきたいと思ってる人間ではあるので、その辺はちょっと似てるというか。自分が寄せていこかなと思ってるユウコ像だと思ってます。

いろんな役作りがあるけど私は、自分として寄せていくっていうか。ユウコの気持ちを理解しようっていうよりは、自分だったらって考えて寄せていくっていうか。自分に当ててもらえた役だから。それは他のみんなもそうだけど。例えば得ちゃんさん(得田晃子さん:ナツキ役)とかは、初演の時ユウコやってるんですけど、私のユウコとは全然違うと思うんですよ。それは得ちゃんさんがやるユウコと私がやるユウコって、やっぱり人間が違うからどうしても違うようになってくる。だから、自分でユウコと共感できるとこを作っていくみたいな。そうやって作っていった感じですね。

— 今回の公演への意気込みをお願いします!
コロナもそうだし、アイホールが存続できるかできへんかもそうやし、この座組みでやれるっていうのも……ほんとに、いろんな奇跡みたいなことが重なってできる公演だと思うんで。絶対に誰一人欠けることなく、最後まで走り抜けたいなって、今はその気持ち。それを、お客さんにどうか見届けてほしいなって、思ってます。
なんで、最後まで気を抜かずに。できることはみんなでがんばってやって。立たせてもらってる立場上、気持ちの面で引っ張っていきたいなと思ってるんで、自分が、強く、堂々と立って、お芝居をできたらいいなと。お客さんにはそれを見届けて楽しんでほしいなと思ってます!

ちょんひゃんさんありがとうございました!

文:足達菜野
撮影:山下真実

『フローレンスの庭』
2022/12/16(金)~18(日)
* 16(金):19:00-
* 17(土):13:00- / 18:00-
* 18(日):13:00- / 17 : 00-←new!
※受付は開演の60分前、開場は開演の30分前
会場:アイホール
 特設ページ↓ ご予約はこちらから!
https://kokuuryodan.jimdosite.com


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