落合陽一氏からメディアアートを学んで作品を作ってみた

落合陽一さんからメディアアートを10日間かけて学び、作品を作ってみたのでその経験をまとめてみました。
今回作った作品がこちらです。ブロックチェーンのアート作品です。

作品の解説は後ほど記述します。

今回は落合陽一さんから学んだメディアアート講義と、作品の制作過程についてシェア出来ればと思いまとめてみました。


メディアアート講義とは

デジタルハリウッド大学で開講される夏期集中講座で、10日間で全8回の講義があります。その10日間で作品の企画立案、制作、会場運営、展示会まで行う講義になっています。
今回の定員は16名で、選抜式なのですが高倍率を運よく通過し、受講出来ることになりました。

今回のカリキュラムがこちらです。

第1回  平成30年08月20日(月) メディアアートとは? 過去の歴史を踏まえ分野の俯瞰のための講義を行う.

 第2回  平成30年08月21日(火) 
アイデアを作ろう
アイデアの発想法,グループでのブレインストーミングをしながら,分野の理解に努める.

 第3回  平成30年08月22日(水) 
制作の仕方を学ぼう 電子工作及びコンピュータプログラミングなどの基礎(Arduino, Processingを用いたシステム開発)

第4回  平成30年08月23日(木) 
構想発表・運営準備 作品の構想を発表する.展覧会での役割を決める

 第5回  平成30年08月23日(木) 
製作法1 各個人の目標に合わせて制作のアドバイス及び実習(1)

 第6回  平成30年08月24日(金) 
製作法2 各個人の目標に合わせて制作のアドバイス及び実習(2)

 第7回  平成30年08月24日(金) 
展覧会準備・最終制作
各個人の目標に合わせて制作のアドバイス及び実習(3)
展覧会に向けての準備活動

 第8回  平成30年08月29日(水) 
最終発表会 展覧会を行い作品評価を行う

正直今振り返るととんでもないスケジュールでした。メディアアートを知る所から始まり、自分の作品制作に加えて、展覧会の運営準備もやらないといけません。これを10日間でやり抜くのです。

落合さんも最終日に「この講義を受けると一皮も二皮も剥ける」と仰ってた通りハードで濃い講義でした。

それでは1日毎に振り返っていきます。

Day1 メディアアートについて学ぶ

初日は落合さんに会えるということで浮かれてドキドキしていました。
これから超ハードな10日間になるとは思ってもない頃です。

初日の講義内容はメディアアートについて、
落合さんの講義はiPadでスライドを表示して、インタラクティブに生徒の考え、意見を聞きながらApple Pencilでスライドにどんどん書いていくスタイルです。


作品を作る上での今回のテーマは「渡りと景」に決まりました。
明日までに「自分が何を作りたいのか」「全体のコンセプトはどうするか」という宿題が出され初日が終了しました。


Day2 アイディアの発想法を学び、チームを組む


2日目はアイディアの発想法を学びました。アイディアや日々の楽しい事、発想のイメージとなる動画を探し、全員全てSlackに投稿するスタイルです。みんなで見れる状態にして、お互いのことを知っていきます。

そしてチームを組んでいきます。僕はブロックチェーンの身体性を高める作品を作りたいと思っていました。丁度同じように考えてる方がいたので、その方とチームを組むことになりました。
この時は7チーム程出来て、1チームに1人TA(Teaching Assistant)が付き、作品を作っていくことになります。



Day3 作品構想で悩み苦しむ

3日目は作品の構想を考え悩み苦しんだ日でした。
まずは講義前にチーム内でお互いの構想を擦り合わせる事が時間内に出来ず、お互いの案を発表することになりました。発表した構想がこちら。


落合さんからこのようなアドバイスをもらいました。

「現実にマイニングしにくいものをブロックチェーンに乗っける方が、ブロックチェーンを物質化するよりも物質性出てくると思うよ。

僕たちはブロックチェーンをいかに物質化しようかと悩んでいたのですが、このアドバイスを聞いて、考えてきたお互いの案は全て捨てることにしました

(ブロックチェーンやマイニングの用語についてはこちらによくまとまっています。https://www.mermirai.com/entry/0409_blockchain )

ここからアイディアを出して検討しますが、迷走が始まります。
この日は朝から13時間、ブロックチェーンがどうすれば物質性が出るか、アートとは何か、についてひたすら考えていきました


Day4 運営準備に取り掛かる

4日目は展示会に向けて運営準備に取り掛かっていきます。
まずは作品のチームとは別にこの3つのチームに分かれていきます。
・マネージメントチーム
・デザインチーム
・会場・施工チーム

それぞれやる事はこのような感じです。
どのチームやる事たくさんです。

早速各チームそれぞれ作業に取り掛かっていきます。
投票によりタイトルは「㍻展」に決定!

そしてマネージメントチームがタスクを整理しガントチャートを作成。

会場チームが会場の電源やサイズを下見しレイアウトが仮決め。

デザインチームがタイトルに合わせてロゴやポスターを作成していきます。


講義後は会場チームとして、什器を組み立ていきます。



運営準備に入るとなんだか文化祭を思い出し楽しくなっていきました。
(これからもっとキツくなっていくとは知らず...)


Day5 作品制作と運営準備を進める

5日目は発表会を残し、最後の講義なのでこの日にどんどん決まっていきます。早速デザインチームからロゴが上がり、落合さんの添削が入り修正していきます。

そしてロゴが決まりデザインチームが直ぐにTシャツを発注!!

どのチームが什器を使うか、暗幕を使うかも決まっていきます。


そして作品制作の方です。
四つ葉は造花で作る事を決定し、材料の買い出しへ出かけます。

三つ葉の造花はなく、全て四つ葉なので、四つ葉を一つずつ三つ葉にしていく作業をしていきます。幸せの四つ葉を摘み取るシュールな絵です。



そんなこんなで怒涛の月〜金の5日間が終わりました
その時の心境がこちら。心身共に限界に近づいてました


終電で帰宅し、家に帰ってからもこのマイニングリグを明日持って行くために夜な夜なバラしてスーツケースへ詰め込みます。この時の疲労感はすごかった。



Day6 土曜日も作業する

そして土曜日も身体にムチ打ち学校へ向かいます。
作品制作に取り掛かりたいところですが、什器の作業を進めます。

塗装後ツイートしたら落合さんが反応してくれました。
什器のクオリティ確認もこれで完了。笑

マイニング機材に四つ葉を乗せて作品も少し形になって来ました。

会場チームは8人なのですが、実質動いているのが3〜4人という状況で、率先して仕事をする人に負担が掛かる状況になってきてました
なのでSlackでこのような投稿をしました。

これから徐々に作業が分担されていきましたが、
最後まで自分達の作品作業と運営準備の両立のバランスがかなり難しかったです


Day7 日曜日も作業する

作品制作に間に合わないので日曜日も作業です。
この日は落合さんも来てくださって、アドバイスをもらいました。

モニタはベゼル外した方がカッコよくなるというアドバイスを貰い、
一緒に作品を作ってる相方の自前モニタなのですが男気で即分解。

確かにベゼルを外すとカッコよくなった!
台座がなくなったので、天井からモニタを吊るす事に決定。


そして運営側の進捗。
デザインチームが頑張ってくれてポスターも完成!!

マネジメントチームとTAさんの頑張りで広報用の動画も完成!
だんだん展示会が見えてきました。


土日もガッツリ14時間以上作業して、なんとか形になってきました。
気力で乗り切ってます。


Day8 材料調達と会場設営の前準備をする

月曜日のこの日は相方が仕事なので、手分けして作業です。
まず、浅草橋、秋葉原のお店を周り材料調達し、四つ葉に静電容量センサを繋げるAGICも入手!
この日は相方とバトンタッチし明日の会場設営に備え早めに帰宅です。


Day9 会場設営開始と最後の追い込み

いよいよ、発表会前日。
大学内の図書館の一部を借りて会場設営していきます。
備品を片付け、什器と作品を運び込み、暗幕も吊るしていきます。

Before

After

大分雰囲気が出てきました。

そして作品の方も大詰めです。
天井からモニタを平行に吊るのに苦労したり、センサがしっかり動かなくなったり、その都度対応していきます。




Day10 作品の最終仕上げと発表会

いよいよ最終日!
昼頃に落合さんが各作品をチェックし、最終仕上げに入っていきます。

私達も最終仕上げ。
アドバイス頂いた吊るしたモニタを前に出す、配線処理を綺麗にするため、急遽材料買い出しへ向かい、仕上げていきます。

なんとか時間までに作品が完成しました。

発表会

そして18時半から発表会が開始!

一人ずつ作品を説明し、落合さんがその場で講評していきます。
作品の一部をご紹介。

【東京街音チャンネル】
東京の今の街の音と、昭和の名機ラテカセを組み合わせた作品


【ブラ夏】
ブラウン菅とアクアリウムを組み合わせた作品

【白詰草算法】
ブロックチェーンと四つ葉のクローバーを組み合わせた作品


【現実と仮想を繋ぐ茶室】
茶室とVR、空間演出を組み合わせた作品


【蝶は夢を見る】
障子と荘子の「胡蝶の夢」の世界観を発展させた作品


【渡りを終えたもので終わる景】
不要になった紙をちぎり、それをアートへ生まれ変わらせた作品

どの作品も力作ばかりで、世界観に溢れています。

そんな中でなんと、全作品の中から落合さんにMVPに選んで頂きました!全体的なテクスチャと見た目が良く、こだわりが色々な所に見えて良い!との評価を頂きました。


発表会が終わったあとは、レセプションです。
お互いの苦労を労います。

少し早いですが、落合さんの誕生日もみんなでお祝いしました。




完成した作品

そして完成した作品が冒頭で紹介したものになります。

キャプションもデザインチームに素敵なものを用意して頂きました。

ライトを消すとまた違った表情を見せます。

白詰草算法 -Clover Algorithm-

PoW(Proof of Work)はブロックチェーン技術を支える合意形成アルゴリズムの一種。PCは無作為な数字の中で特定の数字を探し出す。私達は無作為な白詰草の中で特定の白詰草を探し出す。情報通信網の中ではPCが、物理世界の中では私達がPoWをしている。

四つ葉のクローバーを探しだす行為。
幸福を見つける行為が合意形成になる世界とは
白詰草算法が新しいブロックチェーンを紡ぐ。

Kohei Tanaka / Yusuke Fujita 

PCの演算による処理と私達の四つ葉を探す行為を重ね、幸福を見つける行為が合意形成になる世界を表現しています。

静電容量センサを使い四つ葉のクローバーに触れるとブロックが生成され画面に表示されるようになっています。

現実にマイニングしにくいものをブロックチェーンに乗せることで、ブロックチェーンの物質性を表現しました。




展示会やってます!

今回作った作品達は、9/5(水)まで展示しています。
私達が悩み抜き、必死に作った作品です。ご都合合えば是非お越し下さい。


会期:2018年8月30日(木)~9月5日(水)
時間:12:00~18:00
入場料:無料
会場:デジタルハリウッド大学 駿河台キャンパス メディアライブラリー
 (千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ アカデミア3F)
主催:デジタルハリウッド大学
監修・指導:落合陽一(客員教授)
内容:学生によるメディアアート展示(全10作品)website: https://www.heiseiten.tokyo/
twitter: https://twitter.com/dh_mediaart


最後に

振り返るとこの10日間は本当にハードでした。
作品を作るだけでなく、展示会の運営、設営も自分達で行い、10日間でどちらもやるのが想像以上に大変でした。
慣れない環境や作業、アートってなんだろうと悩みながら、苦しみ、毎日毎晩遅くまで心身共に限界になりながら作り上げていきました。

そんなか自分達を信じてやりきり、MVPまで頂けて嬉しかったです。

今回初めてお話出来た落合さんは、本やメディアの印象そのままで、深く広い知見から的確なアドバイスをさらっと伝え、そして生徒想いで優しい先生でした。今回指導してくださりありがとうございました。

そして一緒に作品を作り上げた藤田さん、TAとして手厚すぎるサポートをしてくれたパパやすさん、一緒に展示会を作り上げたみなさん、色々なサポートをして頂いたTAの方々、学校関係者の方々、本当にありがとうございます。

憧れの落合さんから指導を受け、初めてのアート作品を作りとても良い経験になりました。
今回の作品がブロックチェーンやアートを考えるきっかけになれば嬉しいです。


最後まで読んで頂きありがとうございました。



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田中 康平

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