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私のお気に入りの場所。

我が家は二階建て。
1階がLDKの普通の間取りの家だけど、リビングの一角に階段があり、6段上った階段の踊り場にちょっとした机コーナーがある。
私のお気に入りの場所だ。


自分のスペースが欲しい

一戸建てに住む8年前までは3LDKのマンション暮らし。
私の居場所はリビングだった。

家計簿をつけるのも、資格試験の勉強も、ミシンをするのもダイニングテーブル。
家族が帰宅すると作業は中断、荷物をそそくさとたたみ、みなが寝静まるとごそごそと広げた。
私の居場所がない、と言っているのではない。
私の居場所は堂々リビングのダイニングテーブルだったのだけれど、私は私の指定席、自分スペースが欲しかったのだ。

夢膨らむ私の机コーナー

Uターンが決まり、家を建てることになった。
色々と夢が膨らんだ。
マンションを買った時と違うのは、間取りに自分の色が出せること。
私がこだわったのはキッチン。
それと、私の家事コーナー。
LDKに組み込んだ家事コーナーでも良かったのだけれど、なにかの雑誌の記事で見た階段の途中に作られた机コーナーに惹かれていた。
「こういうのを作ってください!」
広い家なら簡単らしいが、どうやら私の注文は設計士さん泣かせだったらしい。
モデルにした雑誌記事の机コーナーはもっとオシャレで広々なのだけど、限りある予算と広さでそんな大それたことは望まない。
2畳程度の踊り場にちょっと机がついたコーナーを作ってもらった。

念願叶って

新居の住み心地はなかなか良かった。
踊り場の机コーナーも私の思惑通り、大満足だった。
ここは私のスペース、なにか作業していても慌てて片づける必要もない。
階段を6段上がるので、机に広げているグチャグチャがLDKからは視界に入らないのも計算通りだ。
リビングの窓と階段を上がりきったところの窓を開けていると、風がさーっと通るのも心地よくて気に入っている。
もう10㎝机を広く注文すれば良かったとか、作り付けの棚をもう少し増やしてもよかったかな、と欲を言えばキリはないけど。
本を読んだり、勉強をしたり、いちいち移動しなくてよい私だけの空間を得たのだった。

予想外の出来事

この時期、新居には夫婦二人で住んでいた。
社会人の長女と大学生の次女はそれぞれ一人暮らしだった。
ここで予想外の出来事が。
なんとオットが2年間の単身赴任になってしまったのだ、、、。
オットは毎週末帰ってきたのだけれど、平日は家に私一人。
生まれて初めて一人暮らしとなってしまったのだ。
誰も帰ってこないのだから、LDKは私の独り占め。
なにをするのもダイニングテーブルで完了してしまう状況に。
そうなると折角の私の机コーナーも活用頻度は激減、、、。
机コーナーはただの物置になった。

冬になり、階段の踊り場は洗濯物干し場になった。
リビングの温かい空気は上に上がる。
踊り場に干していると実によく乾くのだ。
私のコーナーは、机は物置で、洗濯物がヒラヒラするただの通路になった。

復活の机コーナー

月日が流れ、オットの単身赴任も終わり、一旦は帰ってきた娘たちも結婚して家を出た。

二年前、孫が生まれた。
孫はあっという間にハイハイをし始め、歩けずとも階段を上り始めた。
踊り場の私の机コーナー、もとい、元机コーナーの物置きが孫に狙われるようになった。

こりゃいかん!

孫がウロウロするのだ。
「触ったらダメよ。」なんて幼児に通用しない。
触るものがないように、細々したものを撤去しなくちゃ!
私の机コーナーが少し復活した。

note生活

そして、2024年。
私のnote生活が始まった。
パソコンを買い、机コーナーに置いてみた。
良い!
すごく良いじゃないか!

少し整うと欲が出る、
座り心地の良い椅子が欲しい…


以前の午後の過ごし方は、マンガのようなダラダラしたものだった。
用事がなければコーヒーとせんべい片手に、情報番組を観て、『相棒』の再放送を観て、もうこんな時間!と急いで夕食の準備をする。

今は、昼食を食べたらそのままキッチンに立つ。
夕食の下ごしらえを終えたらコーヒーをいれ、机コーナーに向かう。
パソコンを触るからおせんべいはNG、チョコレートを二粒。
オットが帰宅する6時頃までnoteを書く。

ああ、こういうの!
こういうのがしたかったのよ。

大工さんに無理を言って造っていただいた私の居場所。
noteのおかげで、再び活用され始めた私のお気に入りの場所。

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