見出し画像

祝!ビリヤニ本発売 〜 日本ビリヤニ文化の夜明け

人はいつしか「ビリヤニって何?」というフェーズから「ビリヤニ食べて見たい」という興味に変わり、「ビリヤニ美味い!」という経験がつのると「ビリヤニ炊いて見たい!!」という意欲に変わります。

そんなビリヤニ炊きたガリアン(BTG)達の炊飯意欲を満たしてくれるものは、これまではネット上の情報や身近な経験者からの伝授が主でした。本もないことはないのですが、ビリヤニ専門書となるとあっても外国語、もしくは日本のカレー本の中にちょんもりと憚ってる程度でインパクトにかける存在でした。

しかし、コロナ禍を経たおうちごはん熱の高まりか、ついに日本語のビリヤニ専門書の登場です。ISBNをひっさげて、あの水野氏の監修で本日2021年4月7日に朝日新聞出版より発売になりました。

兼ねてより、「日本のビリヤニ文化の発展にはビリヤニ芸人が必要だ説」を唱え続けてきましたが、かまいたち濱家も帯に登場。もっとも彼はスパイス全般なカレー派ではありますが、ビリヤニに脚光が浴びたのは素晴らしいことです。記念日です。ハレルヤです。

内容はAmazonの商品ページにもよく紹介されていますが、水野氏らしい体系化や見やすいグラフィックで綺麗にまとまっています。紙面は有名人数名の直伝レシピが中心になりますが、間に挟まっているインタビューがなかなか興味深く、特にp123のビリヤニ方程式はその向きには必見でしょう。

敢えていうのであれば、ターゲットに幅広い層を想定しているからか、ビリヤニドランカー的な熱量にはやや欠けるかもしれません。むしろビリヤニをテーマにしたムックのような趣がありますが、押し付けがましさは皆無なので読み物としても楽しく読めるのではないでしょうか。

ところで、この本が出る前に2020年の夏に、実は日本語でビリヤニの専門書が出ています。「ビリヤニの2割」と言います。

今回の水野氏の本にも寄稿しているNeo Culture代表曽我部氏の本で、ISBNこそ付いていないのですが、その内容たるや圧巻です。概論・総論・各論・特論の4章構成106ページですが、それぞれざっくりと文化的背景・要素解説・レシピ紹介・テクニック詳説になっています。

特に4章冒頭のインディアゲートの給水実験は、ビリヤニ方程式に通ずるものがあります。手書きのレシピが可愛らしいのですが、レシピ内容的には中級者でも歯ごたえありそうな感じなので、情熱か経験のどちらかが「満ちたな!」と感じたら手を伸ばすと良いと思います。価格以上の価値があります。

そしてさらに、今年はもう一冊出ます。ビリヤニ専門書でこそないのですが、タイトルに「ビリヤニ」と入った本が、GW明けのタイミングで主婦と生活社から発売になります。

キてます、波。炊いてみませんか、飯(ハーン)。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?