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こいつは白い!狛江スリムのアゴビリヤニ

さて、これまで通常気にしている理屈というか、観点のようなものをつらつら書いてきましたが、せっかくなのであまり世の中にはない、狛江スリムらしいレシピとしてアゴ出汁を使ったビリヤニをご紹介したいと思います。

正式には「アゴコフタビリヤニ」という名前で、アゴの身を使ったつみれのようなものが一緒に入ります。繊細で主張の少ないアゴとスパイスという組み合わせに完成までは相当難儀しましたが、「無限に食べられる」と好評をいただいていました。アゴ出汁屋狛江スリムの完全オリジナルレシピです。

1. アゴ出汁

強めの濃いアゴ出汁を引きます。量を減らす場合は割合を変えなければOKですが、出汁を引いた後のアゴの身をコフタに回すので、そちらの材料の量も適宜調整してください。

材料
* 焼きアゴ: 8匹
* 昆布: 20g
* 軟水: 2リットル

まず材料を全て合わせ、3〜6時間程度冷蔵庫で寝かせます。その後アゴを全て取り出して、頭・骨・ヒレ・内臓などを除き、筋肉部分だけにしてボウルなどに取り置きます。

その後捌いた身を、少量の水出汁と合わせてミキサーで回します。コフタがまとまる程度の細かさになったら残りの水出汁の全量と昆布と合わせ、最弱火でゆっくりと70度まで加熱します。

その後昆布を取り除き、シノワやペーパーで漉したら出汁を急冷却し、冷蔵します。粉砕した身はコフタに使うので、別途適当な入れ物に保存します。

2. アゴコフタ

出汁を引いた後のアゴの身で、スパイス入りのつみれを作ります。スパイスは全てパウダーです。塩は味を見て、ご飯のおかずにはやや物足りないくらいの加減にしてください。

材料
* 出汁取りあとの焼きアゴの身のミンチ: 8匹分
* 卵: 1個
* 片栗粉: 小さじ1
* 玉ねぎ(みじん切り): 30g
* ターメリック: 小さじ1
* コリアンダー: 小さじ1
* クミン: 小さじ1
* パプリカ: 小さじ1/2
* レッドチリ: 小さじ1/2
* クローブ: 小さじ1/2
* 陳皮: 小さじ1/4
* 塩: 適量

材料を全て、少し粘り気が出るまでよく混ぜ合わせます。その後味を見て塩加減を整えたら、少し多めの油をフライパンにしいて、平たく揚げ焼きにします。両面を色づく程度に火入れして、ポキポキ折れる程度になったら火を止めペーパーの上で油を切ります。

3. 炊飯

日本の炊き込みご飯のように、アゴ出汁で炊き込みます。余熱調理のタイミングでアゴコフタを加え、一緒に蒸しあげます。塩がかなり少ないですが、意図的です。水分量は店で炊く炊飯土鍋をベースにしていますが、鍋の癖や好みで加減していただいて構いません。

材料
* アゴ出汁: 200ml
* バスマティ米: 150g
* 塩: 1つまみ
* 黒胡椒: 5粒
* アゴコフタ: 適量

洗米後、アゴ出汁でバスマティ米を30分浸水します。その後塩ひとつまみを加え、黒胡椒5粒を荒く砕いて乗せたらあとは普通に炊飯します。加熱の工程が終わったら一度蓋を開け、砕いたアゴコフタを散らしてまた蓋をして、残りの工程が終わるのを待ちます。

炊き上がったら一度天地返しをし、アゴコフタをコメの中に漉き込みます。あっさりとした中にアゴ出汁の香りと旨味が後を引くのが特徴ですが、塩が足りないと感じるようであればここで調整します。

また、油分がこの時点ではほぼないので、足したいようであればここでギーやサラダ油などを足すとしっとり感や食べ応えを増すことができます。お腹の空き具合や罪悪感などで調整してください。

備考

お店で提供していたアゴ出汁のように、最初「あれ?」と思うけど麻薬のように次から次へさじが止まらなくなる、というような、淡いのに確かな旨さの一品です。普通のビリヤニを期待するとびっくりしますが、気づくと口中でほんのりとコフタのスパイスが香っています。しかしメインはアゴです。

そもそもが引っ込み思案なアゴを、しっかりそれらしさとして押しだしながらもビリヤニとしてのスパイス的な体裁を保つのに、試行錯誤を繰り返しました。江戸料理のレシピで「胡椒飯」というのにヒントを得ています。

出汁をしっかり目、塩を少なめで成立させるとうまくいきます。コフタのスパイスは、アゴの繊細さを覆わない程度でお好きなようにどうぞ。

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