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習い事。

多忙だった小学生。

私には夢があった。


無謀にもピアニスト。



今思うと、あんまり子供らしくないかな?

でも、父親が手術の成功率10%の大病を患い
無事に手術は成功したものの…

家庭はあまり裕福ではなく
子供ながらに大きくなったら家計を助けたいと
悩んだ末の夢だった。

そんなある日、この夢を母に話した。

怒られるに違いないと思いつつも
恐怖に怯えながら。

そうすると…
父親の回復と退院。
それと同時に昇進が決まり

機嫌の良かった母親は
何故か私に課金し始めた。

課金って言い方はおかしいかもしれないけれど
母らしくない快諾だった。

しかし我が家は
父の昇進は決まったものの
まだ我が家は平屋の貧乏家庭。

当然、ピアノなんて値段が高く買えずに
置くスペースすらなく
初めての楽器はエレクトーンだった。

だけど、それがとても嬉しくて
毎日、練習に打ち込んだ。

週に1回のレッスンで月謝は知らない。

でも、最初の先生との相性は
とても良くすぐに上達した。

一方、妹は…
習い事には興味を示さず
片っ端から取り寄せたパンフレットでも
友達と公園で遊びにあけくれていたらしい。

ここまでだと、子供の意見を聞いてくれる
とても良い母だと思われるかもしれないけれど…

ここから、母は急変する。

父の仕事が軌道に乗り出し
アメリカに単身赴任する事も多くなり
ここぞとばかりに課金が始まる。

月曜日…そろばん
火曜日…英会話
水曜日…書道
木曜日…エレクトーン
金曜日…そろばん

キャパ越え寸前な5歳児だけど
成績を残せば母の怒りも買わずに済むので
ひたすら母の望むように
小学生終わり、友達と遊ぶ事も無く
習い事に打ち込んだ。

人見知りと人間不信な性格が出来上がって居たので
普通の放課後や
友達と遊ぶ楽しさが見い出せなかったので…

課金された、多忙な習い事も苦では無かった。

或る意味、習い事で家に居なくて良いので
母が仕事でむしゃくしゃした時以外は
怒られることも無く
ある程度、色んな習い事に感謝した。

たまに母のバイオレンスは発揮していたが。

でも必死で認められたく
とにかくココから約10年は
死ぬ気で習い事を頑張り

どれも有資格者にまで上り詰めた。



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