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チルな旅 禅の里永平寺

夜更しが止まらない。ポテトチップスをお供にワールドカップの熱狂、SPY &FAMILYの一気見、いかんいかんと思いながら目を上げればカーテンの外が白んでいる。奇妙な高揚感と気怠さと後悔。

冬が来る前に遠出した。かねてから行きたかった場所。曹洞宗の大本山、永平寺。英語のガイドブックではずばり「Eternal Peace」。韓流グループや化粧品の名前みたいで落ち着かない。

それはさておき、北の果ての東尋坊の切り立った岩と、深い青色の海と、ひっそりと山奥深く千年の時を刻む古刹。そして全国各地の芭蕉ストーカーの一人として(江戸時代に書かれた奥の細道を令和になっても旅の参考にしている)計画を温めていた。

永平寺は1244年に宗から帰国した道元によって建立された。何度も焼失したという伽藍は回廊でつながっており、大陸的な様式は中国の伝統建築の面影を残している。

永平寺は今なお雲水(禅僧)が厳しい修行に励む地で、色鮮やかな四天王に守られた山門は人生で2度だけ通ることが許されている。1度目は修行を希望し、雪中で行われる厳しい禅問答の末入門を正式に許された時、もう1度目は修行を終えた時。まるでゲド戦記の魔法学校「ローク」のよう。

黒衣の雲水が静かに行き来する、時の流れを忘れた場所で、澄んだ空気を深く吸う。堂内には豪奢な4体のお座敷狛犬。緑色の体に映える金のたてがみ。

帰りは、参道にあるアトリエ果修のアップルパイをぺろり。

美味しい修行なのでした。

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