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ある日の記憶 静かな湖訪ね 中禅寺と日光二荒(ふたら)山神社中宮祠

追憶なのか思慕なのか。山合に眠る湖に焦がれる。デビット・ソローのウォールデン湖のような。ゴシック建築の列柱を思わせる杉の日光例幣使街道を抜け、いろは坂。あるはずのない”中禅寺物語”の聖地、中禅寺へ。

カーブごとに「い、ろ、は・・・」と看板が設置されており、いろは坂の由来を知る。48のヘアピンカーブ。上りと下りそれぞれ専用に山道が整備されている。木には猿、「エンジンブレーキ使用」の立て看板、アスファルトにブラックマーク。イニシャルDの気分を堪能。

たどり着いた中禅寺湖は、少し物寂しいくらい静かで穏やか。言い伝えでは、巨大ムカデ(赤城山)と大蛇(男体山)が取り合ったという。湖のほとりには中禅寺と二荒(ふたら)山神社中宮祠が佇んでいる。中禅寺には狛犬がいなかったけれど二荒山神社中宮祠で無事発見。二荒山神社は男体山を御神体としており夜通し登拝の催しもあるとか。

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男体山の登拝の門を守る狛犬。胸を突き出し強気である。なんだかストリートダンス上手そうで、帽子をかぶせてあげたくなる。

中禅寺湖を後にしてさらに山道を上がって戦場ヶ原。神々が争ったと思えぬほど緑が滴り、木漏れ日の影絵が踊る。蜂は花々を飛び回る。蜂には天敵の熊と間違われ警戒されまとわりつかれながらも、本物の方を驚かさぬよう鈴を鳴らしながら歩く。帽子が必要なのは筆者の方であった。筆者以外はガチ登山装備のシニアハイカーが健脚を発揮している。蜂からは熊に間違われるのに、熊からは敵と思われる踏んだり蹴ったり感。

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帰りは日光で湯葉か金谷ホテルで優雅にお茶でしめるとしよう。



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